文系・参考書ルート その① 英語編

2021/9/24
2021/12/28
改訂

国語編

はじめに

このnoteの記事は文系科目で一体どういうルートをたどれば、偏差値60以上の学力を得られるか、その道筋を示したものです。一応この参考書のルートに関して注意点がいくつか。

まず他人にあった参考書が自分にとって必ず合うとは限らないこと。自分の学力やこれまでどういう勉強をしてきたかによって、各々にあう参考書はそれぞれ違います。一応「自分だったらこうする」と現時点での評価で選んではみましたが、それがそっくりそのまま自分にあうかどうかはケースバイケースなので注意してください。

またこの参考書を「ただやった」だけで必ず偏差値があがるものではないこと。あくまでこの参考書に書いてある内容を、自分の学力として参考書通りに解けることが目標であって、やることが目的ではないことに注意しましょう。

そもそもなぜ参考書のルートをあらかじめ知っておくことがあるか、というと「逆算の勉強」をして欲しいという思いがあるからです。あらかじめ自分はどういう道筋をたどれば、志望校に合格できるのか、おおよその流れを知ることで「じゃあこれは、ここまでに終わらせる」「今はちょっと余裕がないからこれは急いだほうがいい」と自分の勉強計画がスムーズに進むようになります。そのためいきあたりばったりで参考書をやって、結果いつまで経ってもその内容が終わらないだとか、自分が今どの位置にいるかわからないから、だらだらと同じ勉強を流すとか、そういう事態を未然に防ぐことができるます。ということでぜひ受験生はおおまかな参考書ルートを知って、そのうえで「逆算の勉強」できるよう、受験の情報戦に強くなっていきましょう。

英語

英語の勉強でよくありがちなのが「受験は単語でいける!」とただひたすら単語をやったり「受験のほとんどは長文でできている!」とただ長文だけを解くケースです。極稀な天才(と帰国子女)や、偏差値70が越えてる高校に通学しており学校の授業のおかげで英語の基本はなんなくこなせる、というような人はそれで成功するものの、残りの大多数は大失敗してしまうので注意しましょう。

英語の勉強の流れはまず英単語、熟語、語法といった暗記のあとに、文法→解釈→読解→演習と続くのが基本パターン。いきなり演習問題を解きまくるとか、受験日前日まで単語しかやらないとか、そういう失敗はしないようにしましょう。

英単語

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システム英単語

難易度:☆☆☆ 量:☆☆☆ わかりやすさ:☆☆☆☆ 使う目処:英語学習の最初

英単語帳の王者。圧倒的頂点に君臨する英単語帳。どれを使うか迷ったら(迷うほどなにかにこだわりがないのであれば)取り敢えずこれを使えば間違いなし。システム英単語の特長として、apologize- 謝罪のような1:1の暗記ではなく「ミニマルフレーズ」と呼ばれる、かんたんな例文が掲載されています。そのミニマルフレーズと一緒に覚えることで単語の語法はもちろん、よく使われる場面はイメージを含めて覚えることができます。特にレベルがあがった英語長文では単語の見出し語の意味では対応しきれず、単語のイメージから意味を推測しなくてはいけない場面が出てきます。ミニマムフレーズはそんな単語のイメージの定着化に一役買ってくれる良単語帳です。

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システム英単語 Basic

難易度:☆ 量:☆☆☆ わかりやすさ:☆☆☆☆ 使う目処:英語学習の最初

先のシステム英単語のより基本バージョン。中学レベルの英単語すら「ヤバい」人間はこちらを使うべし。ベーシックといってもきちんと共通テストや、中堅校ぐらいまでは充分カバーできるので、難関校を目指してるわけでもない人はこちらで充分。難関校志望の人もただベーシックをやることで受験に遅れが出ることを気にしてはいけない。基礎的な単語をわかってないほうがよっぽど致命的です。

ベーシック→普通のシスタンの接続だと、単語が結構かぶるのが痛い。

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ターゲット 1900

難易度:☆☆☆ 量:☆☆☆ わかりやすさ:☆☆☆ 使う目処:英語学習の最初

システム英単語との2択でよくあげられることの多い単語帳。単語帳と言われて思い浮かぶ基本的なイメージに忠実で、基本的に1:1の暗記を基に進めていきます。システム英単語のミニマルフレーズが嫌だ、肌に合わない、という人がよく使うイメージ。
前の版では「本物の入試から例文を抽出した」とうたって、初学者には難しいゲキムズ例文が並んでいた糞仕様でしたが、改訂されてからは例文が使いやすいように。

充分受験に対応できる参考書。学校で買った、もともと持ってたのならわざわざ別のを書い直す必要性は薄いでしょう。

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STOCK 4500

難易度:☆☆☆ 量:☆☆☆ わかりやすさ:☆☆☆ 使う目処:英語学習の最初

システム英単語、ターゲット1900の実質2強時代に殴り込みをかけた、受験界のカリスマ・関正生の単語帳。他の単語帳は「今まで出た単語」を頻度順に並べてありますが、常に最新の話題を取り上げるようになった受験英語界ではそれでは間に合わないということで「今話題な単語・これから話題になる単語」を中心に組み立ててあるのが特長。システム英単語、ターゲット1900どちらか仕上げてもう1つ同レベル帯をやりたい人にもいいかもしれません。もちろん最初の1冊目でも。

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話題別英単語 リンガメタリカ

難易度:☆☆☆☆ 量:☆☆ わかりやすさ:☆☆☆ 使う目処:1冊目の単語帳が終わっても、志望校の過去問で語彙力に不安を感じたら

ここからは上級者向けの単語帳の紹介。要するにシステム英単語やターゲットをやった人間がより難しい単語帳に取り組みたいときに使うもの。ちなみに上級者向けの単語帳を使うかどうかは実際に過去問をやって、過去問の単語レベルを参考にすべし。偏差値は高くても、使ってる単語は基礎レベル……なんてことはよくあるので「俺の志望校は難関だからこれもやらなきゃ!」と脳死でやるのはダメ。
こちらのリンガメタリカは医療、科学、環境、心理学など、学術的な用語をピックアップして取り上げたものです。日本語でかんたんなそれぞれの分野の解説(フロイトの深層心理学など)があるので単純な読み物としても面白い!
欠点としては割と書かれてる内容が古くなって……
そろそろ人工知能とか、性差とか、そういう話ほしいなあ。改訂求む。

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速読英単語 上級編

難易度:☆☆☆☆☆ 量:☆☆ わかりやすさ:☆☆ 使う目処:1冊目の単語帳が終わっても、志望校の過去問で語彙力に不安を感じたら

上級者向けの英単語その2。リンガメタリカの違いとしては、あちらが学術的な用語を中心的に取り上げるのがコンセプトなのに対し、こちらは広く難しい英単語を取り上げているイメージ。当然ながら上級者向けの単語というのは出題率が低く基本的な単語と比べたら学習効率は圧倒的の低いので注意すべし。シスタンレベルが完璧になってないのなら、そっちをやったほうが当然得点は上がります。

でる順 パス単 英検準1級

難易度:☆☆☆☆☆ 量:☆☆ わかりやすさ:☆☆ 使う目処:1冊目の単語帳が終わっても、志望校の過去問で語彙力に不安を感じたら

リンガメタリカか、速読英単語か、パス単か、というのは自分でしっかり調べてあいそうなのを選ぶべし。同じ旺文社なのでターゲット1900と同じようなオーソドックスな「ザ・単語帳」といった構成をしています。一般的には速読よりパス単のが人気が高いみたい。

その他英単語

単語王

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単語古くない……? VHSとか何年前よ。でもめちゃくちゃ人気ある。類義語はたくさんのってるので、単語数いっぱいほしい! 単語数こそ正義! という人はいいのかも。

鉄壁

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すごく勉強が得意な人間向け。知識はとても深いが、その深さゆえ大挫折率は高いです。最近は調子に乗って安易に手を出す受験生が増えているようですが深淵に陥る可能性。

速読英単語 必修編

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長文を読みながら単語を覚えよう、がコンセプト。基礎的な英単語を習う段階の人間が、英語の長文をすんなり読めるわけがない。知名度は高いが罠参考書の代表格。単語も網羅性は高くないのでわざわざ買う価値があるかというと……

LEAP

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4技能に特化して書けなきゃいけない単語と読む単語にわけた単語帳。書く単語には中学英語レベルがずらっと並んでおり、その分受験用の単語数は減ってしまっています。英語技能試験に泣かされた単語帳。

Data Base 4500

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なぜか学校で買わされる単語帳。基礎レベルの大学なら戦えるが、わざわざこんなところ見てるほど熱心なら別のにしたほうがよさげ。

DUO

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例文を覚えるだけで熟語、単語、色んなのが覚えられる! がコンセプト。情報量が多すぎて挫折率が高い。もちろん極めれば強い。極められるのなら、サイキョ。

熟語

単語のお次は熟語になります。おおよその目安としてどの熟語帳も単語帳が1冊しあがったらやるのが目安。ちなみに学校の先生なんかも単語に関して細かく言っても、熟語に関しては何も言わない人が多いですが、実際は絶対にやるべきなので注意しよう。

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システム英熟語

難易度:☆☆☆ 量:☆☆☆ わかりやすさ:☆☆☆ 使う目処:単語がある程度済んだら

オーソドックスな熟語帳。システム英単語が気に入ったら、こちらで。熟語は「so … as to~」と歯抜けの状態で覚えようとしてもわかりづらく、また覚えづらいので、ミニマルフレーズを使って学習できるのは嬉しいこと。
ただ全熟語にミニマルフレーズがついてると思いきやないのが不満点。

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速読英熟語

難易度:☆☆☆ 量:☆☆☆ わかりやすさ:☆☆☆ 使う目処:単語がある程度済んだら

レベル的はシステム英熟語とほぼ同じ。別売りのCDを使えば速読英熟語を使って音読ができるのでつぶしがきき、また長文の演習としてもつかえるということでこちらをすすめる人も多い。

武田塾が推してるのでやたら人気がありますが実は語彙数ではシステム英熟語のが多いらしい。

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解体英熟語

難易度:☆☆☆☆ 量:☆☆☆☆ わかりやすさ:☆☆ 使う目処:単語がある程度済んだら

かつて難関大学専用の熟語帳としてしられ、多くの挫折者を生んできた1冊。レイアウトが独特でかなり取り扱いづらい。情報量も多く、相当な根気がないと仕上げるのは大変。熟語を俺は絶対制する! て人以外は避けたほうが無難です。

文法

文法は単純な文法単独問題のみならず、英語の長文も当然、英語の文法にのっとって書かれているので、学習することが必修です。よくある勘違いとしていきなり『Next Stage』や『Vintage』など、アウトプット系の参考書で覚えようとするやり方がありますが(というかそうさせる学校が実際にある)、これは絶対にしてはいけないことなので、文法はきちんとインプット用の参考書を通してやり、終わったらアウトプット系で確認する、という流れをきちんと把握しておきましょう。

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肘井学のゼロから英文法

難易度:☆ 量:☆☆ わかりやすさ:☆☆ 使う目処:単語と同時、あるいはある程度済んだら

本当に基礎の基礎、中学の英語から教えてくれる本。受験生の中でも形容詞ってそもそもなに? とか、副詞ってそもそもなに? とかわかっていないひとも実は多いのではないのでしょうか。昔はセンター試験で絶対文法問題が出たので、文法をがっつりやることはある程度正解でしたが、共通テストで文法問題が出なくなった結果、志望校によってはそこまで深くやる必要はなくなり、むしろ基礎レベルのこの本1冊だけで済む場合も。内容・量も少なく、さくっとおわれるのもいいところ。

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成川の深めて解ける! 英文法 INPUT

難易度:☆☆☆ 量:☆☆☆☆ わかりやすさ:☆☆☆☆☆ 使う目処:英文法基礎を済んだら 英語文法問題が志望校でがっつり出るなら

さっきの参考書とはうってかわって英文法をかなりふかーーーく扱った参考書。この本1冊を通読するだけでかなり戦えます。ただ扱ってる内容が内容なので英文法の基礎の基礎は最低限把握した上で読むことが必須です。

厚みは分厚い鈍器で、それでいて書かれてる文法の知識も深い……と一見難しい参考書に見えそうですが、かんたんな言葉とふんだんに使われた絵で、かなーーりわかりやすくなってるいい参考書になっています。通読してよし、わからなくなったときに辞書がわりに調べてもよしの間違いなく良書。

ただ使い所が難しい。できれば受験生全員読んでおいてほしいが……志望校に英文法問題が出ないなら間違いなくいらない。


ここまで参考書を紹介してきましたが、別に参考書じゃなくとも英文法のINPUTはスタサプの関正生でOKと思われます。

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関正生の 英文法POLARIS

難易度:☆~☆☆☆☆ 量:☆☆☆ わかりやすさ:☆☆☆ 使う目処:英文法基礎を済んだら

英語の文法のインプット用の参考書が終わったらさあ次はアウトプットだ! ということで、アウトプット系の参考書は大きくわけて網羅系とレベル別系にわかれています。
網羅系は『Next Stage』, 『Power Stage』, 『Vintage』のようにあらゆる英文法の知識を1冊に収めた辞書のような厚さをしているもの。一方レベル別は自分の志望校にあわせて出やすい英文法事項を集中して取り組める、うす~い参考書ののことです。(といってもポラリスはそんな薄くないけど)自分の好みや必要性に応じて使い分けていきましょう。

この英文法POLARISはレベル別系の代表選手みたいなもので、他には東進のレベル別英文法問題集などがあります。
センター試験から共通テストにかわり、英文法問題は出なくなった……とはいえある程度ラインの大学を目指す場合、このレベル帯の英文法は仕上げておきたいところです。

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英文法 レベル別問題集

難易度:☆~☆☆☆☆☆ 量:☆ わかりやすさ:☆☆☆ 使う目処:英文法基礎を済んだら

東進版。ポラリスと似たような立ち位置にいる参考書。比較として、ポラリスは最新でこちらのが古い。ポラリスは1冊1冊がそれなりのボリュームを持っていますが、東進は薄くて繰り返し解きやすい。また東進はより細かいレベルに別れてるので「なにこれ知らねえ!?」て問題の遭遇しづらいです。更にこちらはポラリスより下のレベルから始められるので英文法に自信がない場合はこちらから始めるのもあり。

よく参考書初心者は「薄いやつをやってやりきって達成感を得よう!」と言われるので、あまり厚いものをやりたくない場合や、細かくレベルを分けてやりたい場合はおすすめです。

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Next Stage などの網羅系

難易度:☆☆☆~☆☆☆☆ 量:☆☆☆☆☆ わかりやすさ:☆☆ 使う目処:英文法学習のインプットを済んだら

こちらはうってかわって『Next Stage』, 『Power Stage』, 『Vintage』のような網羅系の参考書。この本1冊で文法のみならず、語法、イディオムも含んだ総合参考書のようになってるのできちんと使えるならコスパはよき。間違ってもインプット系を使う前にこちらをやらないこと。 『Power Stage』,『 Vintage」も大してやること変わらないので説明はこちらの説明は省略。『Next Stage』が1番問題がカンタンらしい。
ポラリスのようなレベル別系と違って、取りこぼしが少なくなるので志望校的にがっつり英文法問題に取り組む必要がある場合は選択肢です。


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頻出英文法・語法問題1000

難易度:☆☆☆☆☆ 量:☆☆☆☆ わかりやすさ:☆☆ 使う目処:英文法のアウトプットを1通り済んだら

網羅系の参考書をやり尽くした人がやる向け。難易度も、書式もそっくり同じ。『Next Stage』その2といった位置づけ。「『Next Stage』の問題はもう問題文も選択肢も覚えてやり尽くした!」て人に。間違えてもそちらを終えてないのにこっちに手を出してはいけないものです。難易度はかなり高いので高度な英文法問題が出る志望校に向いてます(早稲田の一部の学部とか)。

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成川の深めて解ける! 英文法 OUTPUT

難易度:☆☆☆☆☆ 量:☆☆☆☆☆ わかりやすさ:☆☆☆ 使う目処:英文法学習のインプットを済んだら

成川の英文法、網羅系バージョン。INPUT版の絵を豊富につかった解説そのままに基礎問題からくそむっずい問題まで含んだ参考書。INPUTをやった人間が必ずこれをやらなければいけない、といったことはなく志望校の問題と相談してやろう。順番をアトランダムにした冊子もついてきます。

わかりやすいはわかりやすいんですが、結構難易度・量ともにハードなのでしっかり英文法に取り組みたい人向けです。

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英文法ファイナル 標準編

難易度:☆☆☆~☆☆☆☆ 量:☆☆☆ わかりやすさ:☆☆ 使う目処:受験直前

Next Stage系の問題集で、色んなジャンルをごっちゃまぜにしたもの。難易度に標準編と難関大学編とがあります。秋~冬の時期、最後の演習に。


関正生の 英文法POLARIS ファイナル演習

難易度:☆☆☆~☆☆☆☆ 量:☆☆☆ わかりやすさ:☆☆☆ 使う目処:それぞれのレベルの最後の仕上げに

こちらも出る問題のごっちゃ混ぜにした英語の文法問題集ポラリスバージョン。通称黒ポラリス。ポラリスに慣れ親しんだ人はこちらで。


解釈

英語の問題で得点比率が高いのは圧倒的に長文です。しかし長文もそもそもは1つ1つの英語の文章でなりたっていて、その1つ1つの文が読めなければ当然長文全体も読み通せません。
そんな1文の読み方を、文法の知識を交えながらやろう、というのが解釈です。長文をやる前に解釈を無視してそのまま入る受験生がたくさんいますが、絶対にやらなくてはいけません。


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肘井学の読解のための英文法が面白いほどわかる本

難易度:☆☆~☆☆☆ 量:☆☆☆ わかりやすさ:☆☆☆ 使う目処:文法が済んだら

解釈の基礎について解説した本。そもそも主語ってなに、Mってなに? 5文型ってなに? そういうレベルの人は徹底的にこの本から学び直そう。これから英語の長文をやっていく中で特に5文型の理解は絶対に外せない問題となります。この参考書を通して、一体自分が今読んでいる文章がどういう文型なのか、常に意識する脳みそをもちましょう。もしこれらがわかってないようなら解釈を始める前に絶対やっておこう。

解釈の最初の本なので、カンタンと思いきや意外と歯ごたえがあるので注意。肘井学らしい質実剛健な作り。

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入門 英文解釈の技術70

難易度:☆☆~☆☆☆ 量:☆☆☆☆ わかりやすさ:☆☆ 使う目処:文法が済んだら

解釈の標準的な参考書。少し上の難易度に『基礎英文解釈解釈の技術100』もあります。こちらの参考書では不定詞や関係詞といった色んな英文法の知識の、長文での実際の使われ方を見ていくことになります。全部で70あって結構ボリューミーなことに加えて、中盤以降結構難しい文章が並んできて、初見では必ず苦戦することでしょう。和訳例そのままの回答にならなくても気にすることなし(というかならないと思います。正解はきれいな訳すぎる)1回通読した時点で訳にたどり着けなくて平気です。途中の正答率は気にせず、最終的に自分の中の知識になれるかどうかで判断していきましょう。後ろの情報から「ああさっきはここの部分の意味わからなかったけど、きっとこういう意味なんだろうな」と推測できるようになるのが理想。

解説がオタクというか、まどろっこしい書き方がされてるのが、個人的に嫌。

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基礎 英文解釈の技術100

難易度:☆☆☆ 量:☆☆☆☆ わかりやすさ:☆☆ 使う目処:文法が済んだら

基本的に『入門英文解釈の技術70』の説明と一緒。こちらのが到達レベルが深い分、『入門英文解釈の技術70』より難しい英文が並びます。


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世界一わかりやすい英文読解の特別講座

難易度:☆☆ 量:☆☆☆ わかりやすさ:☆☆☆☆☆ 使う目処:文法が済んだら

受験界のカリスマ・関正生の参考書。『入門 英文解釈の技術70』などはいわゆる網羅系。「関係詞、不定詞、こういうのありますよ、こういうパターンありましょう、気をつけましょうね」といった内容なのに対し、こちらはテクニック系。こういう読み方をしましょう、こういう脳の働かせ方をしましょう、と要点を絞って解説をしています。表紙的にレジに並びづらいのが玉に瑕ですが間違いなく良書。網羅系とテクニック、どちらを使うかは自分の受験校のレベルやお好みで。時間に余裕があれば両方やってしまうのも手。

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ポレポレ 英文読解プロセス50

難易度:☆☆☆☆☆ 量:☆☆ わかりやすさ:☆☆☆☆ 使う目処:マーチレベルの英語力に達したら

ふざけた名前と薄っぺらい厚さとは裏腹にめちゃくちゃ歯ごたえのあることで有名な解釈の参考書。大学で英語をきちんと学んだ翻訳家志望が挑んでも苦戦するレベル、と聞いたらこの参考書の難易度が伺い知れます……。しかしこの本をきちんと解けるようになったら難関校の英文はスラスラ読めるようになる可能性は高いです。当たり前ですがほとんど人はここまで手をつける必要はありません。応用よりも圧倒的に基礎のが重要。ただどう脳みそを動かして文章を読みすすめていくか、丁寧に書いてあるのでファンは多いことで有名な本。

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登木健司 難関大英語長文 講義の実況中継

難易度:☆☆☆☆☆ 量:☆☆☆☆ わかりやすさ:☆☆☆☆ 使う目処:マーチレベルの英語力に達したら

ポレポレと同じようなレベルにある参考書。ポレポレはこれはこういう難しい要素ありますよ、だからこういう頭の働き方してください、ここではこういうふうに気づいてください、と動かしたかを逐一解説しているのに対してこちらは最新の英語長文を紹介して、こういうテーマありますよ、こういうところに注目してくださいね、と進めていく参考書。知的な話題が多いので好きな人は読んでるだけで好きかも。

当たり前ですが全員がやるような参考書ではないのであくまで基礎を完璧にして、受験校の過去問と相談してからやりましょう。

その他解釈

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基礎 英文問題精講

扱ってる内容はasの識別、so~that構文など、たしかに「基礎」なのですがめちゃくちゃ英語の文章が難しい。どうやら「本物の英語にこだわった」謳っていますが「本物の英語」という言葉は参考書においては要注意です。たいてい「本物の英語」はめちゃくちゃ難しくて歯が立ちません。扱ってる構文は基礎なのに英文そのものが難しいというあべこべな難易度になってるなんともな参考書。そのうえこの本は解説も薄っぺらいので独学ではかなりきついです。昔からある参考書なので老人ほどこの本を勧めてきます。騙されちゃいかん。もっといい参考書はいくらでもある。

音読

音読をするメリットはおおまかに、制限時間に厳しい英語問題を制する速読力を身につけること。そして前から順番に訳す構造力を身につけること、意味をすばやく頭に浮かべる練習とあります。詳しいことはこの記事に書いたのでそちらも参考に。ともかく音読を受験でしないなどありえないので、積極的にしていこう。

レベル別 英語長文問題 Solution


難易度:☆☆☆~☆☆☆☆☆ 量:☆☆☆ わかりやすさ:☆☆☆☆ 使う目処:音読のために or 長文演習に

音読しやすさにも重点を置いた肘井学渾身の参考書。スタサプの英語教師らしく、取り上げている英文も最新の話題を取り上げており読んでいるだけで面白い。600文字以上の英語長文を音読するのは、特に音読なれしてない人にとっては結構きついものがあるので、300文字程度でまとめられているのは結構嬉しい。次に紹介する関正生の参考書と比べて検討しよう。

関正生の The Rules 英語長文問題集


難易度:☆☆~☆☆☆☆☆ 量:☆☆☆ わかりやすさ:☆☆☆☆☆ 使う目処:音読のために or 長文演習に

受験英語界のカリスマ・関正生の渾身の英語長文参考書。ただ設問ごとに解説するのではなく、ここではこういうテクがある、実はこういう読み方があるとまるで実際に長文の授業を受けているかのように事細かに解説がついていて、自分が今まで読んできた英語長文の解説の中でも最良のものとなってます。
ただ関正生が妥協なく長文を選んだ結果中には600文字以上の長いものも含んでいるので、音読しづらいものがあること、また事細かな解説があるため逆に音読用の教材としては重い点に注意。肘井岳のSolutionと違い、より優しい入試基礎からレベル1が始まっているのが特長。

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英語長文 ハイパートレーニング

難易度:☆~☆☆☆ 量:☆☆ わかりやすさ:☆☆☆☆ 使う目処:解釈が終わったら

少し前まで音読用の教材といえばこのハイパートレーニングで決まりでしたが、それを上回るSolution , The rulesの登場により微妙な立ち位置になってしまいました。また前者2つがアプリで音読できるのに対してこちらはCDで音読しなくてはいけないので微妙に取り扱いづらい。とはいっても長年音読の王者に君臨していただけあって解説が分かりづらいわけではありません。きちんと全長文にここはS,ここはVと振られているので理解した上で音読を進められます。また前者2つと違って難易度がより優しい「難関高校入試レベル」から始まっているので、より優しい教材から始めたい人は選択肢です。


読解&演習

文法済んだ、一文一文の訳もこなせるようになった。そしたら今度はいよいよ読解+演習にいこう。この段階でよくあるのは「訳はできているのに何故か正解ができない」という現象。あるいは「訳はその場ではできるけど、設問のときに内容が忘れてしまう」現象です。

なぜ忘れてしまうか、は実は文章には逆説や、抽象→具体など文章の流れがありそれを意識しながら読んでないと、いきあたりばったりな読みになってしまい結果記憶の残らない、といった可能性があります。全員やる必要は全くありませんがもしうまいこと問題が解けなかったら、うまく正解できないことが増えたら、検討してみましょう。

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パラグラフリーディングのストラテジー

難易度:☆☆~☆☆☆ 量:☆☆~☆☆☆ わかりやすさ:☆☆☆ 使う目処:解釈が終わったら

パラグラフリーディングと書いていますが、いわゆる抽象や具体、逆説と対比のような目印(ディスコマーカー)について書かれた内容。英語には英語の論理的な文脈があるのでただ読むのではなくそれらを意識して読もう、というのがこの本の目的。
ただ注意点として英語からいきなり入るのではなく、この参考書に入るまでに現代文をある程度仕上げておいて(具体的には船口レベルまで)、現代文での知識を英語をにもってきて解くほうが圧倒的に理解が早いのでできればそういう手順で解きましょう。
(英語からはいって「but、while、on the other handは逆説……」と覚えるより、日本語の逆説を知っていて「ああこれはあれと一緒だな」と一致させるように覚えたほうがいい)

ちなみにこれはレベル①ですが、その後私立大学編と国立大学編とがあるので志望校に応じてそちらもやっておきましょう。

佐藤ヒロシの 英語長文 が面白いほどとけるスペシャルレクチャー


難易度:☆☆☆☆ 量:☆☆☆ わかりやすさ:☆☆☆☆ 使う目処:解釈が終わったら

表紙の微妙な絵と知名度の低さで損をしている参考書。内容は表と打って変わって正統派できちんと論理を把握しながら読もう、というのがコンセプト。抽象と具体、対比と逆接などディスコマーカーに気をつけながらきちんと本文を読んでいきましょうという内容です。
上で紹介した『パラグラフリーディングのストラテジー』のより実践的で難易度が上がった感じ。
そこそこレベルが高い内容となっているので最低でも共通テストリーディング or センター試験で6.5~7割ぐらいがやる前の目安です。
やるならマーク式編と記述式にそれぞれ分かれているので自分の志望校にあわせて。特に他の参考書で取り扱わない早稲田の要約問題を扱っているのが貴重。

レベル別 英語長文問題 Solution


難易度:☆☆☆~☆☆☆☆☆ 量:☆☆☆ わかりやすさ:☆☆☆☆ 使う目処:音読のために or 長文演習に

詳細略。短い文章が揃っているので1番最初の長文演習にぴったし。

関正生の The Rules 英語長文問題集


難易度:☆☆~☆☆☆☆☆ 量:☆☆☆ わかりやすさ:☆☆☆☆☆ 使う目処:音読のために or 長文演習に

詳細略。過去問に入る前に長文演習をするとき、特にこだわりがないならこれをやっておけばいいと思います。それだけ解説が充実しています。

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関正生の英語長文 POLARIS

難易度:☆☆☆~☆☆☆☆☆ 量:☆☆☆ わかりやすさ:☆☆☆ 使う目処:過去問を解く直前に
関正生が「こだわり抜いた」と言ってある通り最近関心が高いテーマ、入試に頻出される話が載せられており、内容も宇宙論、ジェンダーフリー、脳科学、SNSと様々。単純に読み物としても面白い参考書に。あまりにこの本の評判が高かったためにPOLARISはその後現代文、古文など教科を変えシリーズ化してしまった。出た当初は長文演習するならまずPOLARISから、というぐらい評判でしたが今年関正生本人の手によってそれを超えるThe Rulesを出してしまいました。

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イチから鍛える英語長文 300

難易度:☆☆☆ 量:☆☆☆ わかりやすさ:☆☆☆ 使う目処:過去問を解く直前に

様々な難易度があり、こちらはPOLARISと違って基礎~センターレベルの本もあるのであちらより初心者向けもカバー。レイアウトがかっこよくて、21世紀の参考書って感じがします。

こちらも1つ1つ構文がふってあり、ほぼPOLARISと同じような立ち位置で使っていける参考書ですが、むこうのほうがわかりやすいので総合的な使いやすさではPOLARISのがぶがあります。POLARISのレベル1が難しすぎるので使えない人間や、POLARISを終えてもっと違う英語長文問題集をやりたい人間におすすめです。

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やっておきたい英語長文

難易度:☆☆~☆☆☆☆☆ 量:☆☆☆ わかりやすさ:☆☆ 使う目処:過去問を解く直前に

こちらも300のほかに500、700など色んな難易度がある長文問題集。ふる~~~くからある参考書なので予備校や学校の先生で勧める人も多いかもしれないですが、こちらは英文のどれがS,どれがVと書いてないのはいただけません。いいところはグローバリゼーションとはなにか、などいろんなトピックに関して説明をさいていたり(すごく河合塾の参考書っぽい)、本文の大まかなあらすじが書いてあり内容を追えるのが特長です。

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英語長文 レベル別問題集

難易度:☆~☆☆☆☆ 量:☆☆ わかりやすさ:☆☆☆ 使う目処:過去問を解く直前 or  それぞれのレベルの達成確認に

東進のレベル別問題集・英語長文バージョン。英文法版と同じく細かいレベルわけがされているので「自分の今のレベルとあわない!」とミスマッチが起こりやすいのがいいところ。また意識して薄くしてあり、モチベーションを保ちながら読破しやすいのが特長。カンタンなレベルもカバーしているのでいきなり難しい長文の参考書は……という人にぴったし。きちんとどれがS、V、と構造も書いてあるのが嬉しいところです。

その他 読解&演習

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基礎 英語長文 問題精講

例によって老人がよく進めてくる参考書。そこそこ難しい上に解説も薄っぺらいので独学でやると苦戦することは必須。絶対やっちゃいけない! てことはありませんがわざわざこれをやるぐらいなら、もっといい参考書はいくらでもあると思われます。

対策参考書


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英作文 ハイパートレーニング 自由英作文編

難易度:☆ 量:☆☆ わかりやすさ:☆☆☆☆ 使う目処:過去問を解く前に

有名な『ドラゴンイングリッシュ』など、色んな英作文対策の参考書はありますがその最初におすすめの参考書。この1冊だけでも簡単な英作文や英検準1~2級の作文は戦えます。当たり前ですが英作文は小学生の読書感想文みたいにただただ同じことを繰り返す引き伸ばしは許されません。どういう流れで書いたらいいのか、基礎の基礎から教えてくれる参考書。薄いのでサクッと追われるところもグッド。


参考書には自分がやってきた勉強、通ってる学校のレベル、授業によって向き不向きがあります。これをやったら絶対うかるというものではなくあくまで自分の状況や好みに合わせてやってください。

国語編←こちら


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