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好きだった本のこと

わたしのエッセイ好きの根本には、たぶん中学生のときに図書館で借りて読んだ岡尾美代子さんの『Room talk』というエッセイがあります。最近ふと懐かしくなって『Room talk2』を買って読んでるんですけど、16年前と同じ気持ちになりました。

村谷由香里です。
noteをご覧いただきありがとうございます。

下松市の古い図書館で『Room talk』と池田あきこさんの『蓼科日記』を何度も借りて読んだのを思い出します。改めて思い返してみれば、本が好きな子どもでした。前にも図書室や図書館の話をここでしたような気がするんだけど、本当にいろんなものを読んできたなと思います。

ツイッターのあやふや文庫さんをフォローして見ているんですが、いろんな人のあやふやな本の記憶を見ていると、自分もすっかり忘れていた本のことを思い出したりします。蓼科日記なんてもう10年くらい完全に忘却の彼方にありました。

運良く思い出せるものもあるけど、あれは一体どこで読んだ何だったんだろう、みたいな児童書も山ほどある。
タイトルの雰囲気だけでも、作者の名前だけでも思い出せたらインターネットの海から拾い上げられるんだけど、挿絵のふんわりとした印象しか蘇らない本なんかはお手上げです。

でも昔読んだ物語の曖昧な記憶って、二度と見られない幸せな夢みたいでいいなと思います。決してたどり着くことはできないけれど、世界のどこかに本当の場所があるというのが切なくて良い。
誰かが作ったものの、ほんのひとかけらが別の誰かの記憶に残り続ける。それが人生の一部になると思うと、それはそれで美しいなと思ったりもします。
まあ、忘れたくないんだけどね、全部。できることなら。

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