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【モンゴル南部】ウムヌゴビ観光3日目

 私達がビュッフェスタイルの朝食会場に着いたら、ほぼ食べ物はなくなっていた。
 クッキー2枚とシリアルの残り、少し残ったおかず類、みたいな状態。
 モリーンさんは絶句していた。

出発後、野生のラクダに遭遇



 今日の目的地は"バヤン・ザク(Flaming Cliffs=燃える崖)"と呼ばれる景勝地で、恐竜の化石発掘で有名な場所とのこと。
 昔、戦う恐竜や卵の化石が発掘された有名な所らしい。

まずは現地の博物館へ
建物前には"戦う恐竜"の復元オブジェが
充実の展示
卵の化石のレプリカもあった

 シアタールームで発掘の歴史映像を見たけど、異国の昔の風景なんて新鮮すぎて面白かった。
 今と変わらないオフロードを、今やクラシックカーとされている当時最新の車で発掘現場に向かう所とか、そこへラクダの隊列で物資を運ぶ様子、発掘の作業風景などなど…
 世界の中心となっているような国々は歴史の教科書とかニュースとか、何かしら昔の写真とか見た事あったけど、よく考えたらそんな国以外のものって見た事なかったもんなぁ。
 展示物の英語解説は、読むの疲れてきて途中からGoogle翻訳に頼った笑 久しぶりの海外で、文明の利器のありがたさが身に染みた…


 次は発掘現場である例の崖へ。

入口


展望台の、遥か遠くまで歩いて行く事ができる


距離感がバグりそうな景色

 来てみたら、テレビで見た事のある場所だった!
 『世界不思議発見』か『世界まる見え』か『イッテQ』か…何かは忘れたけど、そんな有名な場所に、自分も来れたんだなぁと感動。
 どこまで立ち入って良いのか悪いのか、展望台となるような所以外は柵とか何もない。
 どこまで進んでもキリがなくて、まだまだ遠くに人影は見えたけど引き返して宿へ向かった。




ここの草も棘がいっぱい
不思議な根っこの木も生えている
これはラクダが好んで食べる植物らしい
つまりここは、ラクダにとってはビュッフェ会場
風でできた砂紋も見れた

 途中で立ち寄ったスーパーは規模が小さいながらもめちゃくちゃ綺麗で驚いた。
 近くのトイレも綺麗だったけど、初めてお金のかかる所で料金は500tgだった。

 スーパーでもらった袋には日本語が書かれていて、ビックリして読んだらどこかの市の不燃物用のゴミ袋だった。
 モンゴル人が日本語読めなくて良かった笑



 その国の暮らしを身近に感じる事を大切にしているモリーンさんはホームステイを希望しており、チンギスは彼女に「今夜はノマドファミリーに滞在する」と案内していた。
 しかしあんなに徹底されていたにも関わらず、「今回ノマドファミリーへのお土産は不要」と言われ、疑問だったが着いて納得。
 多分ここは家族で営む民宿みたいな所だ。
 だからお土産を渡したら、おばあちゃんは喜びながらも不思議そうな顔をしていた。

 とはいえ初めての民家訪問を純粋に喜ぶモリーンさんへ、その事をわざわざ伝えてガッカリさせるのも忍びない。
 彼女はゲルやインテリアに興味津々で、嫌がるチンギスを上手く通訳させながら、おばあちゃんに質問していろいろ答えてもらっていた。

客人の前でも自由に昼寝するおじいちゃん

 


 母屋から出て、民宿の周りを見て歩く。

モンゴル来て初めてビニールハウスがあった
何を育てているかは不明
剥いだばかりの羊の皮が干されていた
内側

 民宿には牛も何頭かいて、モリーンさんは「アメリカでは牛と話すための言葉が存在している」とチンギスにそれを教え、彼は試したが牛達は逃げた。
 戻って来たチンギスに、モリーンさんは「アメリカとモンゴルでは牛の言葉も違うみたいね」って飄々としていた。



 おじいちゃんが夜ヤギと羊を集めに行くと聞いたモリーンさんはそれを待って落ち着かないようだったので「以前の滞在先で牛の乳搾りがあると聞いた時、予定より2〜3時間待ったからゆっくりしてて良いと思う」と伝えたら「モンゴリアンタイムね」って笑っていた。

 待っている間、ナーダムの日程が正確にわからない事が話題になった。
 インターネットや旅行会社から得られる情報と、モンゴル人から聞く日程が1日ズレていてモリーンさんはいつ行くか迷っていると言う。
 地元の友人から格安で特別なパスを入手しているらしい。
 ナーダムのチケットはとんでもなく高く入手困難な事を知っているので、彼女の人脈と手腕はすごいと思った。

 実は海外で初めての一人旅だという事を話したら、彼女がいつも使っているというアプリを教えてくれた。

惜しみなく何でも教えてくれる

 話していたら、おばあちゃんが夕食を持ってきてくれた。

初めて海苔が出た



 食べ終わった頃、おじいちゃんがヤギと羊を集めて来たと呼んでくれた。

ヤギ達を小屋に入れるのは子どもの仕事みたい

 

 子ヤギがついてくる。

 かわいい

 ヤギの群れは、何度もあっちへ行ったりこっちへ来たり。



 しばらく見ていたけど全然入らないから、今の内と戻って寝支度をした。もうすぐ完了、という所でみんな戻ってきたと思ったら、今夜はたまたまバースデーパーティがあるらしく招待された。

もう夕食を食べたというのに、大量の料理が並んでいる


何かお願い事をしているみたい


 少食のモリーンさんと私は少し戦慄したけど、幸い私はたくさん食べる周期に差しかかっていて、初めてのモンゴルリンゴもケーキも、久しぶりに食べたかったボウズもニールレスサラダも食べる事ができて嬉しかった。
 それになぜか今日は異常に喉が渇いてたから、日中にせがんでも「ない」と言われた冷たい飲み物も飲めて満足!

 雨が降り始めて、天井の真下に席が用意された私の頭にも少し雨が降った。

 上座の男性の器が空いたから私の目の前にあったお茶ポットを手に取ったら、隣のモリーンさんに「あなたとても日本人してて面白いわね」って笑われた。

 そんなこんなしていたら、いつの間にかチンギスがいない。
 モリーンさんは諸国を周っているだけあって、人とコミュニケーションを取って仲良くなったり文化を学ぶのがとても上手。
 ガイドや翻訳を拒否するチンギスにも上手く対応して、彼に振り回されながらもある程度は彼女の希望通りに動いてもらっている。

 このゲルに着いた時も前回から気になっていた"オレンジ色"の謎について、おばあちゃんから回答を得ていた。
(ゲル骨組みのオレンジはストーブの炎、天井から降り注ぐ陽光を表してるらしい)

 このパーティでも気になる事を質問しようと振り返ったら、彼はバックレていた。

 もう22時を回ってて次の日の予定もある私達は、いつ退出しようかと顔を見合わせた。
 柱の掛け時計が止まっている事にモリーンさんが気づき、「これこそモンゴリアンタイムを現しているわね」って言ってて面白かった。



 ケーキまで食べてひと段落した所でさすがにゲルに戻ったら、チンギスがニヤニヤした顔で出てきた。
 笑いながらバックレた事をモリーンさんと指摘したら「僕人見知りだもん。あの人達全員知らないし」といつもの答え。
 チンギスに順応してきたモリーンさんは、もう諦めた様子だった。



 今日はプーチェさんのお宅並みに羽虫がすごい。
 電気がついているのにチンギスが暑いと言ってドアを開けっぱなしにするから、仏のモリーンさんでもイライラしていた。

 チンギスは暑いのにドアを開けられないから、仕方なくドライバーさんのいるゲルへ移動して行った。と思ったら豪雨の中ゲルの壁から不審な大きな音がする。
 雨と猛暑でおばあちゃんが何かしてくれているのかなーと思っていたら、屋根に登ったチンギスが外から天井の幕を捲ってニヤケ顔を覗かせた。

あまりにもしつこいチンギスに、子どもの扱いに慣れたモリーンさんもさすがに呆れていたように見えた笑

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