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2022年度大学入学共通テスト解説【英語・リーディング】

※第2問A問題で階数の表記に誤りがありましたので,修正しました[1月17日]。

▼受験生の皆様,お疲れ様でした!今年はコロナ,事件(+報道),津波など,様々な阻害要因があり,会場によっては落ち着いて受験できなかった方もおられたかと思います。また,自己採点の結果に一喜一憂していることと思いますが,今後,私大や国公立二次が待ち構えていますから,油断や慢心をせずにその準備に向かってください。

▼さて,簡単ではありますが(といってもかなりの長文です…),1月15日に行われた共通テストの英語リーディングの問題について解説します。なお,問題・解答・配点などはこちらからダウンロードできますので,受験していない方も是非解いてから解説をお読みください。

【1】リーディング概略

▼以下,私が解いた際に受けた印象です。

① 一言で言えば「2021年度より面倒くささに磨きのかかった視力検査」です。「コスパの悪い問題」とも言えるでしょう。これだけの長さの英文を読ませて,問われている箇所はほんの少しだけなのですから。
 「面倒くささ」についていえば,センター試験の問題では設問や選択肢の順番が本文の流れに沿っていたのに対して,今回の問題では1つの設問を解くのに本文のあちこちに分散した情報や複数の資料の情報を探さねばならず,「読みの流れ」が妨げられてしまう恐れがある,と思いました。特に第6問Bの「プラスチックの分類」,第2問A問題の「図書館の情報」(もっともこの問題はセンター試験第4問B問題の延長線上にあると思いますが),第4問の「電化製品を買う方法」のあたりは,「読む」ことよりも「探す(+照らし合わせる)」ことの方に重点が置かれているように感じられました。
 私は昨年のコメントに〈逆に「情報を探して照らし合わせる」だけの問題が多く,「単調な作業をひたすらやらされる」といった感じも受けた〉と記したのですが,「単調さに加えて面倒さが追加された」とでも言うべきかもしれません。
 こうした問題そのものは悪くないと思いますが,似たような問題が何問も出されると,「読む」というより「作業をする」といった印象が強くなります。私が「面倒くささに磨きのかかった視力検査」と揶揄するのもそうした所以です。「複雑なモグラ叩き」と呼んでもいいかもしれません。
 余談ですが,私が学生の頃,大学の近くのパン工場でアルバイトをしていた友人がいました。一晩中,ベルトコンベアの上に流れてくるパンを見つめ,欠陥品を取り除く作業に従事していたそうです。その結果,「思考力が麻痺してくるし,もう,パンを見るのもうんざりした」と言っていました。それに近いような気もします。

② 逆に,どうにかして設問で識別性を持たせようとしているという意図も垣間見えた気がします。たとえば,第1問A問題では非常に単純な「情報探し問題」で語彙の言い換えすらなかったのですが,B問題の途中から言い換えを考える問題になり,その後はずっと「言い換え」や「まとめ・抽象化」を問う問題になっていたので,全体的に後半に行くほど難しくなるように配慮されていることがより明確にわかりました。

③ 出来事を時系列に整序する問題については,第5問の問題は比較的洗練されたと思います。ただ,第3問Bについては,いくら設問を成立させるためとはいえ,ある意味,どうでもいいような情報を並べさせることに何の意味があるのだろう,と思わずにはいられませんでしたが。また,前年度のような仮定法過去完了の知識を問うといった問題がなくなり,文法的知識の運用を直接問う問題が見られなかったように思われます。

④ fact/opinion 問題については,第2問問5で fact が問われた他は出題されませんでした。ただし,opinion を問う問題は第3問問4で Which best summarises David's opinions about having pets in Japan? という形式で出題されており,そろそろネタ切れなのかな,とも思いました。

⑤ 第3問問3では,本文中の表現を「発言」に書き換えたものを選ばせる問題が出されていましたが,構文や文法的知識を問うわけでもなく,なぜこのような形式で出題したのか理解に苦しむ問題でした(たとえば,間接話法の表現を直接話法に直したものを出題する,という形式であればまだ理解できるのですが)。

⑥ おそらく,今回,受験生にとって「鬼門」だったのは第4問ではないか,と思います。複数の資料を読むことに加えて計算が求められ,かつ,選択肢もかなり細かいことが問われていたこともあり,ここで受験生は時間をかなり食ったのではないでしょうか。

⑦ 第3問B・第5問・第6問A・Bについては,文章の質がやや「重く」なったような印象も受けました。特に後半の第5問と第6問Aは文章としては面白かったので,「ノートをまとめる」という形式で問うのももったいないような気もしました。

⑧ 2022年度の特徴的な問題としては,以下のようなものが挙げられます。
・第2問A問題問4:本文の情報をもとに,ある具体的な事例に当てはめさせる問題。(→センター試験で出題例あり)
・第3問問2:本文の情報をもとに,書き手の感情を推測する問題。(→センター試験で出題例あり)
・第5問問3:出来事を時系列に並べる問題で,4つの空所に5つの選択肢が与えられ,不要なものがどれかも考えさせられた。(おそらく初めての出題)

【2】問題解説

▼以下,2022年度のリーディング問題の解説です。ご笑覧下さい。

第1問

[A問題]

▼ブラジルで人気のある4つの果物について,写真とその説明文を読み,問いに答える問題。

問1 ①:4つの果物のうちcupuacu と buriti の2つについて,どのようなものに用いられることができるかを問う問題。cupuacu と buriti の説明から共通する要素を探すことが求められている。cakes と書かれているので①が正解。

問2 ③:「酸味のあるケーキを作りたい場合,使うべき最善の果物はどれか」を問う問題。sour という単語が含まれているのは jabuticaba と pitanga だが,pitanga は only for jams and jellies となっていて,jabuticaba は After they get sour, use them for making jams, jellies, and cakes. とあるので③が正解。

【コメント】果物の名前がポルトガル語で書かれているため戸惑った受験生もいたようですが,これはいわば固有名詞のようなものなので,訳語を気にする必要はありません。ただ,問2に関して,果物自体に酸味があることと,ケーキに酸味があることとが全く同一のことなのかどうか,個人的には疑問でしたが…。

[B問題]

▼動物園主催のキリンの赤ちゃんの名前の応募コンテストの告知を読み,問いに答える問題。

問1 ②:コンテストの応募期間を問う問題。How to Enter の2つ目の項目にある日付をそのまま選ぶだけ。

問2 ②:名前のアイディアを応募する際にしなくてはならないことを選ぶ問題。How to Enter の4つ目の項目にある Each submission fee is 5$.(応募料金は1通5ドル)という表現から,②の pay the submission fee(応募料を支払う)が正解。

問3 ①:自分が応募した名前が5名のファイナリストに選ばれた場合,どうなるかを選ぶ問題。Prizes の1文目にある "All five contest finalists will receive free one-day zoo passes valid until the end of July."(最終選考に残った5名全員に,7月末まで有効な動物園の1日フリーパスが贈られます)から,①の get free entry to the zoo for a day(動物園に1日無料で入場できる)が正解。

【コメント】問2については,応募するのが無料ではなく有料であるということを理解する必要がありますが,これはあまり日本では見られない(このような催しはたいてい参加費が無料)ので,違和感を覚えた受験生も多かったかもしれません。また,A問題とB問題の問1までは課題文の情報をほぼそのまま使うことができましたが,B問題の問2と問3は「言い換え」を選ぶ問題なので,語彙力が乏しい場合,このあたりで既につまずいたり時間がかかったりしたかもしれません。

第2問

[A問題]

▼イギリスの大学(Abermouth University という架空の大学)で行われる Future Leader サマープログラムに参加するという設定で,その大学の図書館の案内を読んで設問に答える。

問1 ⑤:図書館で行える2つのことについて正しい組み合わせを選ぶ問題。見出しのすぐ下にある Library Cards: Your student ID card is also your library card and photocopy card.(図書館カード:学生証は,図書館カードやコピーカードにもなります。)という記述から D の use your ID to make photocopies(コピーをするのに学生証を使う)が,また,Using Computers の項目にある "Students may bring their own laptop computers and tablets into the library, but may use them only in the Study Area on the second floor."(学生は自分のノートパソコンやタブレット端末の持ち込みはできますが,3階のスタディエリアでのみ使用することができます。)という記述から,E の use your laptop in the Study Area が正しいとわかるので,⑤ D and E が正解。

問2 ③:今自分が図書館の正面玄関にいて,オリエンテーションに行きたい場合,どの階に行く必要があるかを問う問題。「図書館の正面玄関」が何階にあるのかと,オリエンテーションが何階で行われているかを把握する必要がある。前者は Using Computers の項目に "Computers with Internet connections are in the Computer Workstations by the main entrance on the first floor."(インターネットに接続できるコンピューターは2階正面玄関脇のコンピューター・ワークステーションに設置されています。)とあることから the first floor(2階)だとわかる。後者は Library Orientations の項目に "On Tuesdays at 10 am, 20-minute library orientations are held in the Reading Room on the third floor. "(毎週火曜日午前10時から,4階閲覧室で20分間の図書館オリエンテーションを開催しています。)とあるので4階に行けばいいとわかる。よって,③ go up two floors(2階分上がる)が正解。

問3 ①:図書館の正面玄関のそばにあるのは何かを問う問題。問2で用いた"Computers with Internet connections are in the Computer Workstations by the main entrance on the first floor."(インターネットに接続できるコンピューターは2階正面玄関脇のコンピューター・ワークステーションに設置されています。)という情報から,① The Computer Workstations are が正解。

問4 ③:「8月2日に3冊の本を借り,8月10日に返却したとしたら,どうなるか」を問う問題。本の貸し出しと返却については Borrowing Books の項目に "You can borrow a maximum of eight books at one time for seven days. To check books out, go to the Information Desk, which is on the first floor. If books are not returned by the due date, you will not be allowed to borrow library books again for three days from the day the books are returned."(一度に7日間,最大8冊まで借りることができます。貸出手続きは2階のインフォメーションデスクに行ってください。本が返却期限までに返却されない場合,返却された日から3日間,再び図書館の本を借りることができなくなります。)と書かれている。8月2日に借りたなら返却期限は9日なので,10日に返却した場合,その日から3日間,図書館の本を借りることができない。よって,③ not borrow any more books before 13 August(8月13日までこれ以上本を借りられない)が正解。

問5 ①:以前の学生が述べた一つの「事実」はどれかを選ぶ問題。Comments from Past Students の項目を参照して該当するものを探す。① headphones or earphones are necessary when watching videos(ビデオを見る際はヘッドフォンかイヤフォンが必要である)は "When watching videos, you need to use your own earphones or headphones." と書かれているが,これはこの学生の主観的な判断ではないため,「事実」であると言える。よって,①が正解となる。② the library is open until 9 pm(図書館は夜9時まで開いている)は見出しのところに "Open from 8 am to 9 pm" とあるので「事実」と言えるが,過去の学生が述べているわけではないので誤り。③ the library orientation handouts are wonderful(図書館のオリエンテーションの資料は素晴らしい)は "The library orientation was really good. The materials were great, too!" と書かれてはいるが,これはこの学生の主観的な「意見(opinion)」であって,客観的な「事実」ではないので誤り。④ the Study Area is often empty(学習エリアはたびたび人がいない)は,"The Study Area can get really crowded." と矛盾するので誤り。

【コメント】本文を読む前に,まず,問1のA~Eの5つの情報を先に見たうえで,問2~問5の設問もチェックし,該当箇所を探しながら本文を読み進めるのが最も効率的かもしれません。文章の流れと設問・選択肢の順番が一致していないので,その都度情報を確認しながら読むのにやや時間がかかります。

[B問題]

▼自分が学校の英字新聞の編集者で,イギリスから来た交換留学生の David が書いた記事を読んでいる,という設定の問題。

問1 ②:ペットを飼っている家庭の割合が高い順から低い順に3つの国(オーストラリア,イギリス,アメリカ)を並べる問題。冒頭の段落の "The UK is known as a nation of animal-lovers; two in five UK homes have pets. This is lower than in the US, where more than half of homes have pets. However, Australia has the highest percentage of homes with pets!"(イギリスは動物好きな人の国として知られており,イギリスの家庭の5軒に2軒はペットを飼っています。これは,半数以上の家庭でペットを飼っているアメリカよりも低い数字です。しかし,ペットを飼っている家庭の割合が最も高いのはオーストラリアです!)という記述から,② Australia - the US - the UK が正解。

問2 ④:David のレポートによると,ペットを飼うことの利点の一つは何かという問題。点線の囲みの中の "Pet owners mention the following advantages of living with pets"(ペットの飼い主たちは,ペットと一緒に暮らすことの次のような利点を挙げている)という項目の1つ目に "The love, happiness, and friendship pets give"(ペットが与えてくれる愛,幸福,友情)とあることと,3つ目に "The happy times pets bring"(ペットがもたらす幸せな時間)とあることから,④ your life can be more enjoyable(暮らしがより楽しくなる)が正解。①~③のような記述はいずれもない。

問3 ②:調査から分かったことを最もよく反映している発言はどれかを選ばせる問題。ペットを飼う利点の3つ目の項目 "Most owners spend 3-4 hours with their 'fur babies' every day"(ほとんどの飼い主は毎日3~4時間,「毛皮の赤ちゃん」と過ごしている)という内容を言い換えた,② 'I spend about three hours with my pet every day.'(私は毎日,ペットと3時間くらい過ごしている)が正解。'fur babies' がペットのことを指していると把握できたかどうかが問われている。①・③・④に該当するような内容は本文にはない。

問4 ④:日本でペットを飼うことについて,David の意見を要約したものはどれかを選ぶ問題。最終段落の "On the other hand, since coming to Japan, I have seen other problems such as space, time, and cost. Still, I know people here who are content living in small flats with pets."(一方で,日本に来てから,スペースや時間,コストなど別の問題も見えてきました。それでも,狭いアパートでペットと暮らすことに満足している人たちを知っています。)という内容から,④の Some people are happy to keep pets inside their homes.(屋内でペットを飼って幸せな人もいる)が正解。

問5 ②:本文のタイトルを選ぶ問題。メインとなる内容は,調査結果を踏まえたペットを飼うことの利点(と一つの問題点)についてなので,② What Does Keeping Pets Give Us?(ペットを飼うことが私たちに何を与えるか)が正解。

【コメント】全体としては素直な問題で,特に目新しいものはありませんでした(問1の並べ替え問題も,センター試験の第4問B問題で同様のものが出ています)。ただ,問3については,おそらく 'fur babies' が pets の言い換えだと把握できたかどうかを問う問題だと思いますが,はたしてこのようなセリフのかたちでわざわざ問う必要があったのかどうか疑問です。また,問4は opinion の要約と言えるかどうかが微妙な問題のような気もします。

第3問

[A問題]

日本文化が外国でどう紹介されているかに興味を持って,イギリスの若いブロガーの書いたブログ記事を読む,という設定の問題。

問1 ①:Emily のブログから読み取れたことを選ぶ問題。第2パラグラフの最終2文 "For me, the other two, the taiko and the koto, were the highlights. The taiko were powerful, and the koto was relaxing."(私にとって,その他の2つ,つまり,太鼓と琴がハイライトでした。太鼓は迫力があり,琴はゆったりとした気分になれました)という内容と,該当するイラストの見出しにある "Traditional Performances" という表現から,① enjoyed Japanese traditional music(伝統的な日本の音楽を楽しんだ)が正解となる。②のように太鼓の演奏の仕方を学んだことや,③のように素麺流し用の竹製の滑り台を作ったとは書かれていない。また,第1パラグラフ後半で屋台の話は書かれているが,緑茶アイス,タコ焼き,焼き鳥のうち彼女が食べたのは緑茶アイスとたこ焼きだけなので,④の「全ての屋台の食べ物を試せた」も誤り。

問2 ①:Emily が落語を聞いた時,どのように感じたかを推測する問題。設問に most likely と書かれていることから,本文にそのものずばりの表現が書かれていない可能性を予測して問題を解く必要がある。第2パラグラフ2文目と3文目の "One of them was a rakugo comedy given in English. Some people were laughing, but somehow I didn't find it funny. It may be because I don't know much about Japanese culture."(その中の一つに英語で行われた落語がありました。笑っている人もいましたが,私はどういうわけか面白いと思えませんでした。それは私が日本の文化をあまり知らないからかもしれません)という内容から,① confused(戸惑った,困惑した)が正解となる。② convinced(納得した),③ excited(興奮した),④ relaxed(くつろいだ)はいずれも当てはまらない。

【コメント】情報量のわりに問題数が少なく,やや拍子抜けする感のある問題でした。ただ,与えられた資料はどこかが必ず設問に絡んでくるという暗黙の「お約束」が踏襲されており,問1の traditional という単語が本文ではなくイラスト資料の方に書かれている,というのも受験生の「注意力」を試しているように思えます。

[B問題]

▼登山雑誌の記事を読んで問いに答える問題。イギリスの実在する地名・山の名前が用いられている。

問1 [18] ①→[19] ④→[20] ③→[21] ②:出来事を順番に並べ替える問題。基本的に時系列に出来事は書かれているが,本文,選択肢とも(おそらく)意図的にややわかりづらく書かれており,本文・地図・選択肢の三者を照らし合わせながら慎重に把握する必要がある。また,読み飛ばしたりすることなく,設定もきちんと把握しておくことが必要(10人の登山家と2名の運転手がマイクロバスで移動しながら3つの最高峰を24時間以内に制覇する)。
 たとえば,①の the highest mountains in Scotland とは第1パラグラフ第2文の "The goal is to climb the highest mountain in Scotland (Ben Nevis), in England (Scaf ell Pike), and in Wales (Snowdon) within 24 hours, including approximately 10 hours of driving between the mountains."(目標は,スコットランドの最高峰(ベン・ネヴィス),イングランドの最高峰(スカフェル・パイク),ウェールズの最高峰(スノードン)を,山と山の間を車で移動する約10時間を含む24時間以内に登頂することです)という内容から,Ben Nevis のことだとわかる。また,第1パラグラフ最終文に "Our challenge would start at the foot of Ben Nevis and finish at the foot of Snowdon. "(私たちの挑戦はベン・ネヴィスの麓から始まり,スノードンの麓でゴールする。)とあることから,おそらく Ben Nevis [Scotland]→ Scafell Pike [England]→ Snowdon [Wales] と南下していくのではないかと推測できる。実際,この文章全体は,次のように時系列で出来事が述べられている。

 第1パラグラフ 旅の概略
 第2パラグラフ 第1の山(ベン・ネヴィス)への登頂
 第3パラグラフ 第2の山(スカフェル・パイク)への登頂
 第4パラグラフ 第3の山(スノードン)への登頂

 第2パラグラフ2文目から4文目に "Thanks to our training, we reached the summit in under three hours. On the way down, however, I realised I had dropped my phone. Fortunately, I found it with the help of the team, but we lost 15 minutes."(トレーニングのおかげで,私たちは3時間弱で登頂することができました。しかし,下山途中で私は自分の携帯電話を落としたことに気づきました。幸い,チームの協力で見つけることができましたが,私たちは15分の遅れをとってしまいました)とあることから,まず,①→④と並べることができる。
 次に,第3パラグラフ第6文 "However, because the traffic was light, we were right on schedule when we started our final climb."(しかし,交通量が少なかったおかげで,私たちが最後の登山を始めた時は予定通りでした)という内容から,スカフェル・パイクの登頂に成功した後,スノードンのあるウェールズに向かってマイクロバスで移動していることがわかる。これは,③ The group travelled by minibus to Wales.(一行はマイクロバスでウェールズに移動した)に相当する内容なので,①→④→③と続くとわかる。
 最後に,第4パラグラフ第5文 "The rain got heavier and heavier, and two members of the team decided to return to the minibus."(雨はますます激しくなり,2人のメンバーがミニバスに戻ることに決めた)という内容から,② Some members gave up climbing Snowdon. がこれに相当するとわかるので,①→④→③→②が正解となる。

問2 ②:スカフェル・パイクを攻略した時,予定より遅れた理由は何かを問う問題。第3パラグラフ第3文に "As it got darker, though, we had to slow down."(しかし,暗くなったので,速度を落とさざるを得ませんでした)とあることから,② It was difficult to make good progress in the dark.(暗闇の中で十分に進むことが難しかった)が正解。

問3 ②:筆者について,本文の内容に合致するものを選ぶ問題。第4パラグラフ最後の3文で "Even though we weren't successful with the time challenge, we were successful with the climb challenge. We had done it. What a feeling that was!"(タイムチャレンジには成功しなかったけれど,登山チャレンジには成功しました。やり遂げたのです。その時の感動といったら!)とあるので,② reached the top of all three mountains(3つの山全ての山頂に到達した)が正解。①は第4パラグラフ最終文に反する。③も,今読んだように本文にはタイムチャレンジには成功しなかったとあるので誤り。④のような記述はない。

【コメント】時系列整序問題については,本文そのままの表現だとすぐにばれてしまうため,かなり巧妙に言い換えられたり,意図的に不完全な情報を選択肢に含むことで難度が上がります。選択肢だけで判断せず,本文から該当箇所を探し,該当箇所に選択肢の番号をふるなどしながら丁寧に読むようにしましょう。ちなみに,スコットランド,イングランド,ウェールズの3地域最高峰を24時間以内で登ることは,National Three Peaks Challenge と呼ばれる,週末を利用した人気のあるレジャーなのだそうです(お恥ずかしながら,登山に全く興味のない私は初めて知ったのですが…)。

第4問

▼自分がアメリカのロビンソン大学という架空の大学の新入生で,これから入居するアパートに必要なものを買う方法を探すために二人の学生のブログを読んでいる,という設定の問題。

問1 ③:Len の第1パラグラフ第7文前半の "Most of them are priced very reasonably"(品物の大半は手ごろな価格である)という内容から,③ they are affordable for students が正解。② most of the items are good for the environment(その品物のほとんどは環境に良い)と迷う問題だが,Len の第2パラグラフ第1文では "Purchasing used goods is eco-friendly"(中古品を買うことは環境に優しい)と書かれており,品物そのものが環境に良いと言っているわけではないので誤りと考えられる。

問2 ③:Cindy が勧める購入方法を選ぶ問題。Cindy の第2パラグラフ第1文 "You're going to be here for four years, so buy your goods new!"(個々に4年間いるのですから,品物は新品で買いましょう!)という内容と,同じパラグラフの第3文・第4文 "However, some of them stopped working after just one month, and they did not have warranties. I had to replace them quickly and could not shop around, so I just bought everything from one big chain store."([中古品を買ったら]しかし,中にはたった1ヶ月経っただけで動かなくなったものもあり,保証書もありませんでした。私は急いで買い替えなければならず,ありこち買い物をして回ることもできなかったので,ある一つの大手チェーン店ですべて買い揃えたのです)という内容から,③ new items that have warranties for replacement(交換用の保証書のついた新品)が正解。② from the website because it offers the best prices(最善の価格を提供してくれるから,このウェブサイトから)と迷う問題だが,Cindy が紹介しているウェブサイトでは複数の販売サイトの価格を「比較」しているだけで,そのサイトから直接購入するわけではないので誤りである。

問3 ②:Len と Cindy の両方が勧めているのは何かを問う問題。Len の第1パラグラフの最後にある "but stock is limited, so hurry!"(でも,在庫は限られているので,急いで!)という内容と,Cindy の最終文にある "Things go fast! Don't wait or you'll miss out!"(品物はすぐになくなります! 待っていてはいけません。さもないと買えなくなりますよ!)という内容から,② buy your appliances as soon as you can(電化製品をできるだけ早く買う)が正解。

問4 ①:新品の電化製品をできるだけ最善の価格で買いたい場合,どうすればいいかを問う問題。新品の購入については Cindy の紹介した save4unistu.com というサイトを使うことで価格を比較できるので,①が正解。

問5 [28] ②・[29] ④:[28]では電子レンジを最も安く買う方法が,[29]では5年保証のついたテレビを最も安く買う方法が,それぞれ求められている。
 電子レンジについては,Len の紹介した中古品店では $85 だが,Cindy の第4パラグラフ第5文によれば,"Great Buy provides one-year warranties on all household goods, and students with proof of enrollment at a school get 10% off the prices listed on the table above."(Great Buy は,すべての家庭用品に1年間の保証を提供し,学校の在籍証明がある学生は,上の表にある価格から10%の割引が適用されます)とあるため,$90 の 10% 割引で $81 となる。よって,② Great Buy が正解。
 5年保証のついたテレビについては,Cindy の第4パラグラフ第3文・第4文 "Value Saver provides one-year warranties on all household goods for free. If the item is over $300, the warranty is extended by four years."(Value Saver は,すべての家庭用製品に1年間の保証を無償で提供します。300ドル以上の品物であれば,保証期間は4年延長されます)から,Value Saver のテレビは $305 で5年保証となる。Great Buy は先に述べたように1年保証はあるが,5年保証については言及されていない。Cut Price については,同じパラグラフの最終2文で "Warranties at Cut Price are not provided for free. You have to pay $10 per item for a five-year warranty."(Cut Price の保証は無料ではありません。5年保証は品物1点につき10ドルを支払う必要があります)とあるため,$300+$10=$310 となり,Value Saver より高くなる。よって,④ Value Saver が正解。

【コメント】おそらく,今回の問題の中でこの第4問が最も受験生にとって厄介な問題だったのではないでしょうか。まず,Len と Cindy の二人の情報を比較検討しなくてはなりません。また,問1では②と③で,問2も②と③のあたりで迷ったはずですし,問3は Cindy の一番最後の情報まで読まないと答えが出せませんでした。そしてさらに,問5ではこまごまとした計算が含まれていたため,本文を読みながらそうした計算もスピーディに行う必要がありました。この第4問で時間をかけすぎて,後半の第5・第6問に十分な時間を残せなかった受験生も多くいたはずです。

第5問

▼フィロ・テイラー・ファーンズワース(Philo Taylor Farnsworth)という実在した発明家について書かれた記事を読んで,プレゼンテーションのために情報をまとめるという設定の問題。おそらく,本文中のイラストは Wikipedia に掲載されている写真を使って描かれたものと思われる(Wikipediaの画像のもとになった画像は,3人の男性が並んでいるものなので)。

↑第5問のイラスト
Wikipedia の画像
元画像
https://www.loc.gov/pictures/resource/hec.25858/

問1 ①:プレゼンテーションのサブタイトルを選ぶ問題。これは本文の要約を選ぶ問題だと言える。本文を読み,Sequence of Key Events と Outcome の部分に相当する内容を埋めると,ファーンズワースが RCA という企業と特許権を巡って争った話をしていることがわかる(実は,問3の時系列整序問題の選択肢を読んだだけでもそのことがわかってしまう)。よって,① A Young Inventor Against a Giant Company(ある巨大会社と戦った一人の若き発明家)が正解。

問2 [31] ④・[32] ⑤:ファーンズワースの幼少期について正しいものを2つ選ぶ問題。
 第2パラグラフ最終文 "He would often repair the old generator and even changed his mother's hand-powered washing machine into an electricity-powered one."(彼はよく古い発電機を修理し,母親の手回し洗濯機を電気で動くものに替えたことさえあった)から,④ fixed and improved household equipment for his family(家族のために,家庭の機械を修理したり改良した)が正解。
 さらに,第3パラグラフ第2文 "Suddenly, it occurred to him that it might be possible to create an electronic image on a screen using parallel lines, just like the rows in the field."(ふと,畑の畝のように平行な線を使って,スクリーンに電子画像を作ることができるのではないかと思いついた)から,⑤ got the idea for an electronic television system while working in a field(畑作業をしながら電子テレビ装置のアイディアを思いついた)も正解。

問3 [33] ②→[34] ⑤→[35] ④→[36] ①:出来事を時系列に並べ替える問題。4つの空所に対して選択肢が5つあるため,余分な選択肢も判別する必要がある。なお,今回の英文ではそれぞれの出来事に西暦が書かれているので,選択肢にその年をメモしながら読み解くと良い。
① Farnsworth rejected RCA's offer.
(ファンズワースはRCAの申し出を拒否した。)
→ 第5パラグラフ第4文・第5文の "Yet, in 1931, they offered Farnsworth a large sum of money to sell them his patent as his system was superior to that of Zworykin's. He refused this offer, which started a patent war between Farnsworth and RCA."(しかし,1931年,彼らはファンズワースに,彼のシステムの方がズウォリキンのシステムより優れているから彼の特許を自分たちに売ってくれと大金を差し出した。彼はこの申し出を断ったが,それによりファンズワースとRCA社の間で特許戦争が始まった)から,①は1931年であるとわかる。
② Farnsworth shared his idea with his high school teacher.
(ファンズワースは自分のアイデアを高校の先生と共有した。)
→第3パラグラフ第3文 "In 1922, during the spring semester of his first year at high school, he presented this idea to his chemistry teacher, Justin Tolman, and asked for advice about his concept of an electronic television system."(1922年,高校1年の春学期,彼は化学の教師だったジャスティン・トルマンにこのアイデアを披露し,電子テレビ装置の構想について助言を求めた)から,②は1922年であるとわかる。
③ RCA won the first stage of the battle.
(RCA 社が戦いの第一ステージに勝った。)
→第6パラグラフ第1文・第2文に "The company took legal action against Farnsworth, claiming that Zworykin's 1923 patent had priority even though he had never made a working version of his system. Farnsworth lost the first two rounds of the court case."(その会社はファーンズワースに対して法的手段に訴え,ズウォリキンが1923年に取得した特許の方が,たとえまだ一度も装置を実用化していなくても,優先権を持つとした。ファンズワースは,この裁判の最初の2ラウンドで敗訴した)とあるものの,これは[36]の後にある RCA took Farnsworth to court の内容であって,[36]より前の内容ではないので,③の選択肢はどこにも入らないとわかる。
④ The US government gave Farnsworth the patent.
(合衆国政府がファンズワースに特許を与えた。)
→第4パラグラフ第3文 "The US government gave him a patent for this system in 1930.(合衆国政府は,1930年にこの装置の特許を彼に与えた) から,④は1930年であるとわかる。
⑤ Zworykin was granted a patent for his television system.
(ズウォリキンがテレビシステムの特許を認められた。)
→第5パラグラフ第3文 "They recruited Vladimir Zworykin, who had already worked on an electronic television system and had earned a patent as early as 1923."(彼らはウラジミール・ズウォリキンを採用した。彼はすでに電子テレビ装置を開発し,1923年という早い時期に特許を取得していたのであった)という内容から,⑤は1923年であることがわかる。
 よって,[33]が②(1922年),[34]が⑤(1923年),[35]が④(1930年),[36]が①(1931年)となる。

問4 ③:Outcome の部分の空所に入れるものを選ぶ問題。ファーンズワースがRCA社との特許権を巡る戦いに勝てたのは何のおかげかが問われている。第6パラグラフ第3文 "However, in the final round, the teacher who had copied Farnsworth's blackboard drawings gave evidence that Farnsworth did have the idea of an electronic television system at least a year before Zworykin's patent was issued. In 1934, a judge approved Farnsworth's patent claim on the strength of handwritten notes made by his old high school teacher, Tolman."(しかし,最終ラウンドでは,ファンズワースの黒板の絵を写していた教師が,ズウォリキンの特許が出された少なくとも1年前にファンズワースが電子テレビ装置のアイディアを持っていたという証明を提出した。1934年,裁判官は,ファンズワースの特許請求を認めたのは,彼の高校時代の恩師トルマン先生の手書きのメモを根拠にしてのことであった)から,③ the sketches his teacher had kept for many years(彼の教師が何年間も保管していたスケッチ)が正解。

問5 ③:Achievements and Recognition の空所に入れるものを選ぶ問題。第7パラグラフ第3文・第4文 "In an interview after his death, Farnsworth's wife Pem recalled Neil Armstrong's moon landing being broadcast. Watching the television with her, Farnsworth had said, "Pem, this has made it all worthwhile."(ファンズワースの妻ペムは,彼の死後のインタビューで,ニール・アームストロングの月面着陸が放送されていたことを思い出していた。妻と一緒にテレビを見ていたファンズワースは,「ペム,これですべてが報われたよ」と言っていた)から,③ His invention enabled us to watch historic events live.(彼の発明品のおかげで私たちは歴史的な出来事を生で見ることができるようになった)が正解。

【コメント】文章の内容がドラマチックで興味深く,時系列整序も年代があることで比較的解きやすかったと思います。

第6問

[A問題]

▼1日の時間が人にどのような影響を与えるかについてグループで学習しているという設定で,「1日はいつ始まるのか」という記事を読んで要約ノートを作成することが求められている。

問1 ③:diurnal という単語の定義を聞く問題。この単語を知っているかどうかではなく,前後からこの単語の意味を推測できるかどうかが問われていることに注意。第1パラグラフ最終文の "Creatures active during the day are "diurnal" and those emerging at night are "nocturnal." "(日中に活発な生き物が diurnal で,夜に現れる生き物が nocturnal である) から,「日中に活発であること」となる③が正解。

問2 ③:本文の The Main Points の一つを埋める問題。第6パラグラフ第1文・第2文の "Can people change? While the results are not all in, studies of young adults seem to say no, we are hard-wired."(人は変われるのでしょうか? すべての結果が出ているわけではありませんが,若年層を対象とした研究ではどうやら「いいえ,私たちはしっかり固定されていて変わりにくいのです」と言われているようです)から,③ it might be hard for us to change what time of day we perform best(私たちが一日の中の何時に最もうまく機能するかを変えるのは難しいかもしれない)が正解。

問3 ①:中国の時間の区分だけでなく,ユダヤ教やキリスト教について言及されているのは何のためかを答える問題。
 第4パラグラフ第1文 "Does everyone follow the system of beginning days in the morning?"(全ての人が,一日を朝に始めるという制度に従っているのか)という問いかけがなされ,第2文でユダヤ教徒,第3文でキリスト教徒,第4文から第6文で中国の時間区分について述べてたうえで,第7文で "In other words, ancient customs support how owls view time."’(言い換えれば,古代の慣習は,フクロウ[夜型の人]の時間の見方を支持しているのだ)とまとめている。よって,① explain that certain societies have long believed that a day begins at night(ある社会は,一日が夜に始まると長い間信じてきたことを説明する)が正解。

問4 [42] ⑥・[43] ③:Interesting Details の空所[42]と[43]を埋める問題。[42]では体内時計をセットする要素について,[43]では[42]が知能と何の違いを説明するかについて問われている。
 [42]については,第3パラグラフ第2文で,"One theory suggests preference for day or night has to do with time of birth."(一つの理論が示すところによると,昼を好むか夜を好むかは生まれた時間に関係しているという)と述べているので,⑥ time of birth が正解。
 [43]については,第5パラグラフ前半で知能の話をして,後半(7文目以降)で以下のように述べている。
Not only can schoolwork be a challenge, but they may miss daytime career opportunities and are more likely to enjoy the bad habits of "nightlife," playing at night while larks sleep. Nightlife tends to be expensive. A University of Barcelona study suggests larks are precise, seek perfection, and feel little stress. Owls seek new adventures and exciting leisure activities, yet they often have trouble relaxing. ([フクロウ(=夜型人間)にとっては]学業が大変になりうるだけでなく,彼らは昼間の就職の機会を逃し,ヒバリ[=朝型人間]が寝ている間に「ナイトライフ」,つまり夜遊びをする悪習を楽しむ可能性が高くなるのです。夜遊びはお金がかかる傾向があります。バルセロナ大学の研究によると,ヒバリは几帳面で,完璧さを求め,ストレスをほとんど感じません。フクロウは新しい冒険や刺激的なレジャー活動を求めますが,リラックスすることが苦手な場合が多いのです。)
 よって,③ behavior(行動)が正解となる。なお,[43]の主語が[42]だとすると,time of birth may be the explanation for differences in intelligence and behavior となるため,やや違和感を覚えるが,「生まれた時間によって,朝型/夜型が決まるとすれば,それがその後の知能や行動にも影響する」と解釈せよ,ということだと考えられる。

【コメント】この問題も,文章の量のわりに問われている内容が少なく,また,Your summary notes を先に見ることで本文で論じている内容の概略がある程度把握できるため,効率的に読み解けるように設問から先にチェックし,必要な情報を探しながら読む,という姿勢で臨む必要があります。

[B問題]

▼プラスチックのリサイクルに関連して,様々な種類のプラスチックの性質について説明した文章を読み,理科の発表コンテストに向けてポスター作りの準備をする,という設定の問題。

問1 ②:本文で説明されているプラスチックリサイクルマークの表すものを選ぶ問題。第1パラグラフ最終文 "It only shows what type of plastic it is made from and that it might be recyclable."(それが示すのは,それがどんな種類のプラスチックから作られているかと,それがリサイクル可能であるかもしれないということだけである)から,② They provide information on the chemical make-up and recycling options of the plastic(それらはプラスチックの化学成分やリサイクルの選択肢に関する情報を提供する)が正解。

問2 [45] ②・[46] ①:Type 2 と Type 3 のプラスチックの説明をそれぞれ1つずつ選ぶ問題。
 Type 2 に関しては,第3パラグラフ第3文の "It is strong and can be used at temperatures as low as -40℃ and as high as 100℃"(それは頑丈で,-40℃の低い温度でも100℃の高い温度でも使える)から,[45]は② and used at a wide range of temperatures(そして,非常に広い範囲の温度で使われる)が正解。
 Type 3 に関しては,第6パラグラフ第7文と第8文の "PVC, Type 3, is thought to be one of the least recyclable plastics known. It should only be disposed of by professionals and never set fire to at home or in the garden."(タイプ3のPVCは,最もリサイクル性の低いプラスチックのひとつと考えられています。それは専門家によってしか処分すべきではなく,家庭や庭で燃やされてはいけません)から,[46]は① difficult to recycle and should not be burned in the yard(リサイクルしにくく,庭で燃やしてはいけない)が正解。

問3 [47]・[48] ③・④:共通の特徴を持ったプラスチックについて,本文を参考に正しいものを6つの選択肢から2つ選ぶもの。
 Type 1(PETE)については,第4パラグラフ第3文に "Recycle-type 1 plastic is commonly known as PETE (Polyethylene Terephthalate), and is used mainly in food and beverage containers."(リサイクルタイプ1のプラスチックは一般にPETE(ポリエチレンテレフタレート)として知られ,主に食品や飲料の容器に使用されています)と書かれている。
 Type 2(HDPE)については,第3パラグラフ第4文に "HDPE can be reused without any harm and is also suitable for beer-bottle cases, milk jugs, chairs, and toys."(DPEは何の害もなく再利用でき,ビール瓶のケース,牛乳瓶,椅子,玩具などにも適しています)と書かれている。
 Type 4(LDPE)については第3パラグラフ第8文に "LDPE is used for squeezable bottles, and bread wrapping"(LDPEはスクイーズボトルやパンの包装に使われている)と書かれている。
 Type 5(PP)については第3パラグラフ第12文に "It is suitable for furniture, food containers, and polymer banknotes such as the Australian dollar."(それは家具や食品容器,オーストラリアドルなどのポリマー紙幣[プラスチック紙幣]に適しています)と書かれている。
 Type 6(PS)については第4パラグラフ第12文に "It is used for disposable drinking cups, instant noodle containers, and other food packaging."(それは使い捨ての飲料用カップやインスタントラーメンの容器,その他食品包装に使用されています)と書かれている。
 一方,Type 3(PVC)については,第4パラグラフ第9文に "Type 3 plastic is found in shower curtains, pipes, and flooring."(タイプ3のプラスチックは,シャワーカーテン,パイプ,フローリングで見られる)とある。また,TYPE 7(OTHER)については第4パラグラフ最終文に "Type 7 plastics are often used in the manufacture of vehicle parts such as seats, dashboards, and bumpers. "(タイプ7のプラスチックは,シート,ダッシュボード,バンパーなどの自動車部品によく使われている)とあり,どちらも飲食物には使われていないことがわかる。
 よって,③ Products with the symbols 1, 2, 4, 5, and 6 are suitable for food or drink containers.(1,2,4,5,6のマークの付いた製品は飲食物の容器に適している)が一つ目の正解。

 第3パラグラフ第10文・第11文の "Polypropylene (PP), a Type 5 material, is the second-most widely produced plastic in the world.  It is light, non-stretching, and has a high resistance to impact, heat, and freezing."(ポリプロピレン(PP)はタイプ5の素材で,世界で2番目に多く生産されているプラスチックであす。軽くて伸びず,衝撃や熱,凍結に強いという特徴がある)と,第4パラグラフ第10・第11文の "Type 6, Polystyrene (PS) or Styrofoam as it is often called, is hard to recycle and catches fire easily. However, it is cheap to produce and lightweight."(ポリスチレン(PS),あるいは発泡スチロールと呼ばれることも多いが,これはリサイクルしにくく,発火しやすいという。しかし,製造コストが安く,軽量である)から④ Products with Type 5 and Type 6 markings are light in weight.(タイプ5とタイプ6の印がついた製品は重さが軽い)が二つ目の正解。

【コメント】この問題ではプラスチックの7つの種類について言及されていますが,選択肢の内容に該当する箇所を本文から探して照らし合わせるのが面倒な問題でした。センター試験の第6問の長文読解問題では,設問や選択肢の順番が本文の順番通りになっていたので情報を照らし合わせるのはさほど面倒ではありませんでしたが,今回の共通テストの第6問Bではその作業に非常に時間を取られるため,特に前半の大問で時間を浪費して後半に時間が足りなかった受験生は最後まで解ききれなかったのではないかと思われます。

▼解説は以上です。リスニングについてはまた後日アップする予定です(仕事が立て込んでいるので,しばらく間が空くと思いますが…)。

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