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2023年度大学入学共通テスト解説【英語・リーディング】

▼受験生の皆さん,共通テストお疲れ様でした!

▼昨年度に引き続き,今年度も共通テスト英語(リーディング)の解説を掲載します。

【1】感想

▼以下,私が解いた際に受けた印象です。

①センター試験の時代から「同じ形式の問題が続く場合,年々,徐々に難度が上がる」という傾向があった(逆に,大幅に設問形式が変更される場合,比較的易しめになる)。その意味で,3年目の今年のリーディングの問題は全体的にやや難化したと言えるであろう。実際,河合塾の予想平均点も前年に比べてマイナス8点と大幅なダウンとなった(とはいえ,共通テストの当初の平均点目標は50%なのでこれでもまだ易しい方なのであろうが)。

②第1問が前年よりやや難しくなった。単語だけわかれば解答できる,というものではなく,選択肢を含めて英文の内容を理解しなくてはならない問題となった。

③前年の「鬼門」であった第4問がシンプルになり,易しくなった(面倒な計算を考慮する必要がなくなった)。

④逆に,第6問Bがかなり複雑になり,時間に余裕のない受験生からすれば相当焦ったことと思う。とりわけ,第6問Bは問4・問5の解答の根拠がやや曖昧で,設問の意図はわかるが,特に問5は本当にこれが正解だろうかと首を傾げた(ネイティブスピーカーとも話し合ったが,やはり解答の根拠がわからないと話していた)。問4については①を正解とした受験生も多かったのではないだろうか。設問(スライド)の順番が本文の流れに沿っていない,という点でも解きづらさを感じたはずである。もちろん,現実には,情報を集めるために文章を読む際に自分の欲しい情報が順番通りに登場するとは限らず,情報を組み替えて整理する必要があるため,現実的と言えば現実的ではあるのだが,過去の出題形式に慣れて時間配分を考えていた受験生にとっては不意を突かれた形になったのではないだろうか。

⑤いずれにせよ,相変わらず「複雑なモグラたたき」のままであることに変わりはない。同じような問題をひたすら80分間延々やらされるのだから,受験生はたまったものではない。もちろん,50万人が受験する日本最大の入試を数々の制約がある中で作問している以上,仕方のないことではあるのだが。なお,2025年度入試からは文と文のつながりを問う問題なども「復活」するようなので,そちらに期待したいとも思う。

【2】解説

▼以下,2023年度のリーディングの解説です。問題はこちらから入手してください。

第1問

A
問1 ①:下部の "Fill in the form below and hand it in to your teacher today."(下の書式に記入して,今日,教師に提出しなさい)から,①「下部を完成させて提出する」が正解。

問2 ④:2つの情報の共通点を把握する問題。Palace Theater の2つ目の項目 "Actors available to talk in the lobby after the performance"(役者と公演の後ロビーで話せます)と,The Guitar Queen の2つ目の項目 "Opportunity to greet the cast in their costumes before the show starts"(ショーが始まる前に衣装を着たキャストとあいさつをする機会があります)から,④「劇場で演者に会える」が正解。

B
問1 ③:3つの情報をまとめる問題。FOREST の2文目 "Your instructors have taught English ... in several countries."(あなたのインストラクターは20年以上の間いくつかの国で英語を教えてきました),MOUNTAIN の2文目 "Instructors for this course have worked at theater schools in New York City."(このコースのインストラクターはニューヨーク市の演劇学校で働いてきました),SKY の2文目 "Your instructors have been to many countries to coach debate teams"(あなたのインストラクターは多くの国々を訪れてディベートチームをコーチしてきました)から,③「他の国々で働いた」が正解。

問2 ④:3つの情報をまとめる問題。FOREST の4文目 "On the final day ... all the other campers listen."(キャンプの最終日に,あなたは他の全てのキャンパーが聴く中,スピーチコンテストに参加します),MOUNTAIN の4文目 "You'll perform your skit ... on AUgust 14."(8月14日に全てのキャンパーが楽しめるようにあなたは自分のスキットを演じます),SKY の4文目 "You'll do a short debate ... on the last day."(あなたは最終日に他の全てのキャンパーの前で短いディベートを行います)から,④「キャンプで学んだことを見せる」が正解。

問3 ③:Step 2 の "We'll contact you ... your course preference"(あなたの英語の能力を査定し,あなたのコースの選択について尋ねるために面接を設定するため連絡します)から,③「あなたの英語のレベルがチェックされる」が正解。

第2問

A
問1 ②:Special Features の内容をまとめ,言い換えた選択肢を選ぶ問題。Special Features の1文目 "Smart Support shoes have ... the iSupport application."(スマートサポートシューズには,アイサポートアプリにつないだ時に足のかたちを分析するナノチップが入っている),2文目 "Download the app ... smartwatch."(アプリをスマートフォン,パソコン,タブレットおよび/あるいはスマートウォッチにダウンロードしてください)という内容から,②「ハイテクの日常用シューズ」が正解。「日常用(everyday)」については,冒頭の説明文1文目 "You wantr to buy ... get sore feet."(あなたは良い靴を1足買いたがっている。というのも学校まで長距離を歩いて足が痛くなることがよくあるからだ)という内容と,Customers' Comments の4つ目 "I wear mine all year round"(私は一年中自分の靴を履いている)という内容から,この靴が日常的に履くためのものだと判断できる。

問2 ②:本文の内容から推測して適切な選択肢を選ぶ問題。冒頭の説明文1文目 "You want to buy ... get sore feet."(あなたは良い靴を1足買いたがっている。というのも学校まで長距離を歩いて足が痛くなることがよくあるからだ)という内容と,Special Features の4文目 "The inside of the shoe ... personalised foot support."(靴の内側が自動的に自動的に調整し,正しく,個人に合った足のサポートを提供します)という内容から,②「個人に合った足のサポートをしてくれる」が正解。

問3 ②:本文の内容から推測して適切な言いかえを選ぶ問題。Customers' Comments の7つ目の2文目 "The app's basic features are easy to use, but I wouldn't pay for the optional advanced ones."(このアプリの基本的な機能は使いやすいが,私はオプションの上級版の機能にお金を払うことはないだろう)から,②「アプリの無料の機能はユーザーフレンドリーである」が正解。「上級版の機能にお金を払う」という内容から,基本的な機能は無料で使える,と推測することが求められている。

問4 ④:Advantages の Route Options に "View your live location ... to read directions."(自分のディバイスで現在の位置を見るか,イヤフォンで方向が自動的に音声で流れるようにさせるか,スマートウォッチを使って方向を知るようにしてください)という内容から,④の Route Options が正解。設問の audio devices が本文では earphones となっていることに気付く必要がある。
問5 ①:Customers' Comments の3つ目 "I love my pair now, but it took several days to get used to them"(私は自分の靴が今大好きですが,それに慣れるのに数日かかりました)から,①「靴に慣れるのに時間を割くこと」が正解。

B
問1 ④:第1段落4文目 "We started this activity to help students use their commuting time more effectively."(私たちがこの活動を始めたのは,生徒たちが自分たちの通学時間をより効率的に使う手助けをするためです)という内容から,④「彼らの時間をより上手に使う」が正解。

問2 ①:第1段落6文目 "A total of 300 students participated: ... only 15 first-years participated."(合計300人の生徒が参加した。…1年生は15人しか参加しなかった)という内容から,①「参加者の10%にも満たない生徒が1年生だった」が正解。

問3 ①:Feedback from participants の HS の1文目 "Thanks to this project, I got ... vocabulary test."(このプロジェクトのおかげで,私は英語の語彙テストで史上最高の点数を取りました)という内容が B: learning language(言語を学習する)に,JHの1文目 I kept a study log(私は勉強記録をつけていました)という内容が A: keeping study records(学習記録をつける)に言い換えられている。よって,①が正解。

問4 ①:Feedback from participants の KF の1文目~3文目 "My friend was sad ... to take part."(私の友達は参加できなかったので悲しんでいました。彼女は近くに住んでいて,学校まで歩いているのです。参加する他の方法があるべきではなかったでしょうか)から,①「学校まで歩いていく生徒を含むこともできたであろうに」が正解。could have included は仮定法過去完了で,実際にはできなかったことに対して残念であった気持ちを表している。なお,④の watching videos for fun helped time pass quickly(娯楽のためにビデオを見ると,時間が速く過ぎる手助けになった)については MN の "I spent most of the time ... classes better."(私はバスでビデオを見て時間の大半を費やし,そのおかげで授業をよりよく理解できました)という内容から,ビデオは娯楽のためではなく勉強のために見ていたと判断できるため,誤りだと言える。

問5 ②:「筆者の疑問」とは,第1段落8文目 "How come so few first-years participated?"(なぜそんなに参加した1年生が少なかったのか?)のこと。これに対する説明と考えられるのは JH の2文目 "For some reason ... about this challenge."(何らかの理由で,私の1年生のクラスメートたちのほとんどはこのチャレンジについて知っているように思えませんでした)である。よって,②が正解。

第3問

A
問1 ②:第1段落3文目(The first thing ... balance the backpack.)~6文目(Most good backpacks ... small easy-to reach items.)の内容,特に,5文目の "That means putting ... at the top."(それが意味しているのは,寝袋を底に,食べ物,調理器具,テントを真ん中に,そして服を上部に置くということです)から,②が正解。

問2 ③:第2段落4文目 "Then, my friend ... the empty space."(そうしたら,私の友達が,外側の服を外してそれを寝袋の中に詰め込み,空いている空間を埋めるように言いました)という内容から,③「寝袋の隙間を埋める」が正解。

B
問1 ③→④→②→①:第2段落3文目 "I rearranged ... the scene."(私は居間の家具を並べ替え,その場面を設定するために,持っていた古い絵を何枚かとランプをいくつか付け加えました)という内容から,[18]に③が入る。本文の family room が選択肢では living room に言い換えられている。第4段落7文目 "To get into ... children wear costumes."(雰囲気に溶け込むため,それから私は子どもたちに衣装を着せました)という内容から,[19]に④が入る。さらに,同じ段落の9文目 "After that, ... the first clue."(その後,子どもたちは最初の手掛かりを探し始めました)という内容から,[20]に②が入る。最後に,第5段落2文目(For the final task...)~4文目(Neither of my kids ...)の内容から,[21]に①が入る。

問2 ③:第4段落6文目 "Remember that ... final goal."(パズルは最終のゴールに近いところで徐々に難しくなるようにすべきだということを覚えておいてください)という内容から,③「チャレンジを徐々に難しくする」が正解。
問3 ②:本文の内容を要約した選択肢を選ぶ問題。本文では父親が自分の子どもの好きなものや苦手なものを考慮して仕掛けを作っているため,②「特に自分の子どものために経験を作った」が正解。

第4問

問1 ①:Tim Oxford の第1段落6文目 "Also, this sort ... dull and demotivating." (また,この種の反復的な学習は退屈でやる気をなくさせる)という内容から,①「継続的な練習は退屈だ」が正解。

問2 ①:Cheng Lee の第3段落4文目 "As the figure ... learning group."(右の図が示すように,最後の学習セッションの28日後,テストで思い出した名前の率は間隔をあけて学習したグループの方が高くなった)という内容から,①「4週間」が正解。

問3 [26] ②・[27] ⑤:Cheng Lee の第1段落最終文 "There is ... longer intervals."(「間隔をあけた学習」と呼ばれる,別の種類の反復学習があり,そこでは生徒たちは新しい情報を記憶してからより長い期間を開けてそれを復習する)という内容から,[26]には②「長期の」が入る。また,Tim Oxford の方法について,Cheng Lee は第1段落
3文目 "However, the repetitive ... is not effective."(しかし,彼が論じていた反復学習の戦略は,「集中的な学習」と呼ばれるものだが,効率的ではない)と述べているので,[27]には⑤「集中的な」が入る。

問4 ①:Tim Oxford は第2段落1文目(To help them ...)・2文目(In this kind ...)で「彼らが学習するのを手助けするために,私は試しに「文脈的学習」を使ってみた。この種の学習では,新しい知識が生徒たち自身の経験を通じて構築される)と述べている。また,Cheng Lee は第1段落1文目(Mr. Oxford's thoughts ...)・2文目(I agree that ...)で「オックスフォード氏の文脈的学習に関する考え方は見識のあるものだった。私はそれが役に立つということに同意する」という内容から,①「経験に基づく学習」が正解。
問5 ②:Cheng Lee は「間隔をあけた学習」の方が効率的であるということを,第3段落で過去の研究を挙げて論じている。ここでは28日後のデータしか使われておらず,何日が最も効果的なのかは述べられていない。よって,②「最も効率的な学習感覚の長さ」が正解。

第5問

問1 ④:第3段落最終文 "To be honest, ... to play individually."(正直に言って,私が卓球を選んだのはその方が個人でするのに簡単だろうと思ったからです)という内容から,④「チームスポーツをするのを避けたかったから」が正解。

問2 ③:第6段落で兄のパトリックと対話した筆者は第7段落以降で友人とのコミュニケーションの取り方について考えを改めるようになった。よって,③「彼が必要とする社交スキルを学ぶ手助けをした」が正解。

問3 ②→④→⑤→③:第4段落3文目(One day, however ...)~最終文(This made ...)で教師と話し合う場面が書かれているので,[32]は②「より上手に卓球をする方法について教師と話し合った」が正解。第5段落1文目(I deliberately ... opponent's moves)で「敵の動きにより綿密に注意を払った」と書かれているので,[33]は④「敵を研究し始めた」が正解。第6段落3文目(We switched ...)で「卓球について話すことに切り替えた」と書かれているので,[34]は⑤「兄に卓球について話した」が正解。第7段落4文目("Hey, Ben! ...)でジョージから祝賀パーティーを開こうと誘われたことに対して5文目(Without thinking, ...)で「考えることなく『できない』と返答した」と書かれているので,[35]は③「彼を称えるパーティーを拒否した」が正解。

問4 ③:第8段落6文目 "If I'd said, ... have been better."(もし私が「素晴らしい考えだ。ありがとう!トレント先生と話をして練習を少し休めるかどうか確かめさせてよ」と言っていたとしたら,ひょっとしたら結果はもっとよくなっていたであろうに)という内容から,③「友人の観点を適切に理解しようとする(べきであった)」が正解。

問5 ①・⑤:本文の情報をもとに推測する問題。第4段落では教師から,第6段落では兄からのアドバイスを受けて,筆者はそれぞれに応じて自分の行動を変えているので,①「私たちの周囲の人々からのアドバイスが私たちが変わる手助けになる」が正解。また,第6段落最終文で兄のパトリックが「それは私たちがコミュニケーションを行う時に使うスキルと同じように聞こえる」と述べたことを受け,第8段落で筆者は卓球の技能がコミュニケーションにも応用できることに気が付き,第9段落1文目では自分のコミュニケーション能力に自信を持てるようになったと述べている。このことから,⑤「私たちは一つのことから学んだことを別のことに応用できる」が正解。

第6問

A
問1 ③:第1段落8文目 "One person's trash ... person's treasure."(一人の人間のごみが別の人の宝物になりうる)という内容から,③「一人の人間にとって重要ではないものが他の誰かにとって価値があるかもしれない」が正解。

問2 ④:第2段落4文目"Researchers in .. this behavior."(この分野の研究者は,およそ3分の1の大人がこの行動を維持するということに一般的に同意している)という内容から,④「およそ30%の人々が大人になっても収集を続けている」が正解。

問3 [41] ④・[42] ⑥:第3段落7文目 "Some save greeting cards ... and so on."(友達や家族からのグリーティングカード,特別なイベントでもらったドライフラワー,浜辺で過ごした日の貝殻などを貯めている人もいる)という内容から,④「大切なイベントを思い出させるもの」が正解。また,第4段落4文目後半 "while others ... an investment"(一方で,特に投資としてものを集める人もいる)という内容から,⑥「何らかの種類の利益を求める」が正解。5文目(While it is ... worth a lot.)ではその内容が具体的に説明されている。

問4 ①:第6段落3文目 "As technology can ... 30 years ago."(テクノロジーが物理的制約を取り除けるので,30年前には想像もできなかったであろう膨大な音楽や美術のデジタルライブラリーを今では個人が所有できる)という内容から,①「収集はおそらく大きさや形が変わり続けるであろう」が正解だと判断する。

B
問1 ④:①は第4段落2文目(They have ... their bodies.),②は第4段落5文目(All tardigrades ... have eyes.)と6文目(Their eyes ... light sensitive.),③は第5段落1文目(Basically, tardigrades ... eat other creatures.),⑤は第5段落4文目(The mouths ... have teeth.)と5文目(They do, ... sucked out.)にそれぞれ該当するが,④は本文に言及がない。

問2 ①・⑤:第2段落7文目 "When the water dries up, so do they."(水が乾いてしまったら,それらも乾燥する)と,8文目 "They lose all but three percent ... 0.01% of its normal speed."(それらは体の水分の3%以外の全てを失い,代謝は通常の速度の0.01%にまで低下する)という内容から,①「乾燥した状況では,それらの代謝は通常の1%未満まで低下する」が正解。第3段落4文目 "This means ... on earth."(これが意味するのは,10年間,ほとんどがここ地球上よりも1,000倍濃度の高いX線や紫外線放射エネルギーの中を生き延びることができたということだ)という内容から,⑤「それらは極端なレベルの放射線に耐える能力がある」が正解。

問3 ③:第5段落4文目(The mouths ... have teeth.)・5文目(They do, ... sucked out.),第6段落2文目(The mouth leads to ... salivary gland.),4文目(After the pharynx, ... the gut.),5文目(This tube is called the esophagus.)から,③が正解。

問4 ④:全体の内容を要約する問題。④「クマムシは地球上の最も過酷な環境でも生き延び,少なくとも一度は宇宙へも旅したことがある。 この驚くべき生物は人類よりも長生きするかもしれない」が正解。地球上の最も過酷な環境で生き延びる能力については第2段落に,宇宙については第3段落に,それぞれ言及されている。他の選択肢については以下の通り。
①「何千年もの間,クマムシは地球と宇宙の最も過酷な環境の一部を生き延びてきた。彼らは人類より長く生きるであろう」
→「地球の最も過酷な環境」は第2段落で述べられているが,「宇宙の最も過酷な環境」については言及されていない。
②「クマムシは宇宙から来て,ホッキョクギツネやフタコブラクダの限界を超える温度で生きることができる。したがって彼らは間違いなく人類より強い」
→ホッキョクギツネやフタコブラクダについては第1段落で「世界でもっとも頑丈な動物は何か」という
問いへの誤った答として紹介されているが,クマムシが頑丈なのは温度の面だけではないので,これは全体を要約する内容としては不十分と言える。
③「クマムシは間違いなく,地球上でもっとも頑丈な生物だ。彼らは山頂で生き延びることができる。海底でも生き延びられる。温泉の水の中でも生き延びられる。そして,月でも生きることができる。」
→これらの場所については第2段落で言及されているが,第3段落1文目 "Perhaps even more amazing than ... is their ability to survive in space."(おそらく,彼らが地球上で生き延びられる能力よりさらにずっと驚くべきなのは,彼らが宇宙で生きられる能力である)の内容から,本文では地球上だけでなく宇宙空間でも生きることができるという内容が述べられていることに言及する必要があり,地球上の生存についての記述だけでは要約として不十分である。

問5 ④:本文の情報をもとに推測する問題。「クマムシを宇宙に送ったことについてどんなことが推測できるか」という設問に対して,④「クマムシが月面で生き延びられるかどうかをなぜ誰も確かめようとしなかったのか,その理由は筆者の関心を惹きつけた」が正解だが,これは第3段落最終文 "Whether these are ... which is a pity."(これらのクマムシがまだ生きているのかいないのかは知られていない。誰も彼らを集めに行かなかったのだ。これは残念なことだ)という内容から,筆者が「なぜ月のクマムシを集めに行かなかったのだろう」と嘆いていると考えられる。他の選択肢については以下の通り。
①「クマムシが宇宙で生き延びられるかどうかを理解することは決して重要だと考えられてはいなかった」
→第3段落では2007年にヨーロッパの研究者が,2019年にはイスラエルがそれぞれクマムシを宇宙に連れて行ったが,これはクマムシが宇宙で生き延びられるかどうかを理解するためだと考えられるので,誤りである。
②クマムシは,何百万年もの間地球上に存在してきた他の生物とともに,X線や紫外線の放射に耐えることができる」
→第3段落3文目 "On their return ..." と4文目 "This means that ..."の「地球に戻て来て,(ヨーロッパの)研究者たちは(クマムシの)68%がまだ生きていたことを知って驚いた。これが意味しているのは,10日間の間大半が,ここ地球上よりも1,000倍強いX線や紫外線の放射に耐えて生き延びることができたということである」という内容から,クマムシが例外的にX線や紫外線の放射に強かったことが分かるため誤り。
③「イスラエルの研究者たちは過酷な宇宙の環境でそれほど多くのクマムシが生き延びられることは期待していなかった」
→イスラエルについては第4段落5文目 "Later, in 2019, ... onto its surface."(その後,2019年にはイスラエルの宇宙船が月面に衝突し,乾燥状態の多くのクマムシが月面にばらまかれた)と書かれているが,そこにはイスラエルの研究者がクマムシの生存についてどのような期待を持っていたかは述べられていない。

▼リスニングについては,気が向いたらということで(時間的に厳しいのでどうなるやら)…(;´・ω・)

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