【ドラッグストア】世界食料デー月間だからこそ考えたい事。
10月は、飢餓や食料問題について考え、解決に向けて行動する「世界食料デー月間」です。
そして、10/16は「世界食料デー」です。「世界の食料問題を考える日」として1981年に国連が制定しました。
そんな今だからこそ考えたい「食品ロス」についての話です。
ドラッグストアで働きはじめて4年目になりますが、常々悩まされるのが食品の「適切な在庫量」です。
今やドラッグストアでは、来店頻度を上げる為に豊富に「食品」を取り扱っています。
在庫管理の上で何が厄介かというと、適切な在庫量の「ものさし」が人によって大きく異なることです。
また、20代前半の若手や転職組の新人ばかりが集まって営業していると、経験値が低いために「適切な在庫量の基準が分からない」という事態が発生してしまうのです。
結果、想定外の事態が発生して「廃棄や欠品」が多発し、安定して利益が取れなくなってしまいます。
社歴10年以上の社員がいると、これまでの経験に基づいたアドバイスが貰えるので有り難いのです…。
発注関連のノウハウは、ベテラン店長・店舗へラウンドに来る本部社員から、きちんと若手社員へと「継承」していくべきだと思います。
【在庫量が与える影響】
当たり前な事ですが、在庫が多過ぎると「賞味期限や品質の管理」が行き届かなくなったり、期限切れで「廃棄」せざるを得ない商品が出たりします。
よくあるのが、売り出しの際に「パンや日配品」等の「賞味期限の短い商品」が売れ残って廃棄されてしまうことです。
「本当に良いのか?」と思う廃棄の場面を何度か見てきました。(大量廃棄の際の作業って、けっこう大変な上に心が痛むんです…。)
逆に在庫が少な過ぎると、早々に完売してしまい、夕方以降まで持ちこたえる事ができません。
売れる見込みがあったにも関わらず「売り逃し(チャンスロス)」をして利益が少なくなってしまいます。
また、在庫量はお客様の「購買意欲」にも影響を与えます。
不思議なことに、見てくれの悪いスカスカな売場だと、何となく買う気が失せてしまうのです。(手入れが行き届いていない様に見えるからでしょうか…?)
在庫が極端に少ないと、結果的にお客様の期待を裏切ることになるので、程よく在庫を持った上で定期的にメンテナンスをするのがベストなのです。
日々の「売れ行き」や「お客様の動向」を分析して将来を予測をし、「利益」と「ロス」のバランスを上手く取らなければならないので、適切な在庫管理というものは難しいのです。
【店舗レベルで食品ロスを減らすには…?】
100%正解の予測はできないので、「廃棄」が出てしまうのは「仕方ないこと」だと思います。
「売れ筋品・チラシの目玉商品」でも余る時もありますし、ライバル店(スーパーも含む)と「売り出し日」が重なってお客様を取られる時もあります。
実際に、「売り出しだから!」と張り切ったら、ライバル店とバッティングしてボロ負けし、「パンや日配品」が売れ残った事も何度かあります。
しかし、これだけ「食品ロスの削減」が叫ばれている中で廃棄を出してばかりいるのは、事業者としてマズいのではないかと思います。
本気で取り組むには「業界全体・会社全体」で考え方を変えなければなりません。
店舗だけでどうにかする事は難しいです。
まずは本部にいる従業員が「SDGs」について学び、「企画立案」の段階から変えていく必要があると思います。
だからと言って、店舗レベル・個人レベルでは何もできないという訳ではありません。
私も可能な範囲の事を少しずつ実践しています。(けっこう地味な事ですが…。)↓
【消費者としてできる事は?】
「食品ロスの削減」は、小売店の努力だけでは達成できません。「消費者の理解と協力」も不可欠なのです。
本当にちょっとした事ですが、個人レベルでもできる「食品ロスを減らす為の工夫」は色々とあるのです。
我が家では食品を無駄にしない為に、ストック品の先入れ先出し、ストック品の賞味期限・個数の管理、使いかけの調味料や野菜の切れ端の管理等を行っています。
「おやつ」についても、なるべく「封が開いている物」から優先的に食べる様にしています。
(※管理が苦手な母に代わり、父が率先して家計も含めて管理をしています。)
また食べきれない物がある時には、レシピサイトを活用して積極的に消費したり、知人やご近所さんに「おすそわけ」をしたりもしています。
私が思い付く限りのアイディアです。↓
中でも小売店としても有り難いのは、期限の迫った商品を積極的に選ぶ「てまえどり」や、「おつとめ品の購入」です。
(※おつとめ品→儲けにはなりませんが、廃棄するよりはマシです。)
「購入してから早いうちに消費する」場合は、賞味期限が近い商品を購入することで、食品ロスの削減に貢献ができます。
保存の技術の向上により、賞味期限が切迫していても美味しく食べる事ができますよ!
(科学のチカラってすげー! ←ポケモンのゲームやってた人なら分かるネタ。)
我が家でも、すぐに消費する場合は「てまえどり」をする様に母に教育をしています。
「商品棚の奥をガサガサと漁っている母の姿」は、近くで見ていて何となく恥ずかしいのです…。(笑)
また、おつとめ品は「お財布にも優しい」ので、私もよく購入しています。
【まとめ】
小売店は「商品を売って儲けを出す事」が仕事です。中でも、予想が的中して「仕入れた商品が次々と売れる事」が小売業の醍醐味なのです。
その為、季節商材や売り出しの目玉商品は、まとめて発注して大量陳列をします。
結果、毎日何かしらの廃棄品が出てしまうので、小売店での「食品ロスをゼロに」する事は難しいのです。
毎日お店に立っていても、100%の精度での予測は不可能です。(自動的に発注がかかるシステムでさえも、それが実現できないので…。)
「適切な在庫量」は店ごと・その時の状況によって異なりますし、買い物方法の多様化やSNSで「バズる」という文化が出て来てから「お客様の動向」が簡単には予測できなくなりました。
それに競合店も増加している為、運が悪いと「売り出し日がバッティング」して、目玉商品であっても売れ残ってしまいます。
その為「適切な在庫量とは?」は、私にとっては本当に永遠のテーマです。
しかし食品ロスの問題は、業界としても無視できない問題となってきている為、少しずつ「削減する為の努力」をしなければなりません。
まずは本部社員が「SDGs」について学び、「企画立案」の段階から変えていく必要があります。
それに加えて、倉庫にある在庫の把握・先入れ先出し・売れ筋品や日々の動向の把握・本部(or店長)が出す発注量の目安を鵜呑みにしない・自店の「売上に見合った」発注をする…等の「店舗レベルでの地道な努力」で多少は改善できるはずです。
特に「売れ筋品や日々の動向の把握」は、「自店の事情や売上に見合った発注」をする上で欠かせませんよね。
「小売業の目的・醍醐味」と「食品ロスの削減」が上手く両立できたら良いなぁ…と思います。
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