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【ドラッグストア】何歳まで「子ども用の薬」を飲むべきなの…?

接客時に子どもさんのお薬の相談を受けることがあるのですが、よくこんな事を聞かれます。

●「子ども」とは何歳までを指すのか?
●大人用の薬を分量を減らして飲ませて良いのか?

…といった事です。
家族や知人に聞いてみてもなかなか分からないですし、自己判断で薬を与えてしまうと危険な場合もあります。
結論この様な事は専門家に聞かないと、ハッキリとした事は分からないですよね。

※個人的には、かかりつけ医や薬剤師さんに相談することをオススメします。

今回は私が接客時によく聞かれる事を、本で学んだ事に加え、私の見解も交えながら説明していきたいと思います。

①子どもとは何歳までを指すのか?

一般的に大人用として作られた市販薬は、「15歳以上」の方が飲むことができると外箱や説明書に記載されています。
なので、15歳が境界線と考えて良いと思います。

医薬品の使用上の注意点等における年齢区分を見ると、
1歳未満を「乳児」、7歳未満を「幼児」、15歳未満を「小児」
と区分けしています。

小学校高学年~中学生で、体格が大人の様にしっかりとしている、生理が来ているからといっても、15歳未満であれば「小児」なのです。(←ここが重要なポイントです!)

②大人用の薬を分量を減らして子どもに飲ませても良いのか?

基本的には、子どもさんに大人用のお薬を与えないでください
理由は、15歳未満の小児には禁忌(与えてはいけない)とされている成分があるからです。

年齢制限が幅広く設定されているお薬もありますが、市販薬を購入する際は、なるべく「子ども用お薬売場」に置いてある物を選択するのが無難です。
(※特に区分けせずに、大人用の薬と同じ棚に置いてある場合もあります。)
子ども用のお薬であっても、「注意書き」をよく読み、「何歳から使用できるのか」や「用法用量」を必ず確認してください。

小児に与えてはいけない成分の代表例】

●解熱鎮痛成分
→アスピリン(別名アセチルサリチル酸)、サザピリン、イブプロフェン

(※子ども用の解熱鎮痛剤には、「アセトアミノフェン」という成分が使用されています。子ども用のバファリンがこれに該当します。)

●解熱鎮痛成分
→エテンザミド、サリチルアミド

(水ぼうそう・インフルエンザにかかっている小児には使用不可。インフルエンザ流行時には購入しない方が良い。)

●咳止め成分
→コデイン類
 (麻薬性鎮咳成分。12歳未満の小児は使用不可。)

一部例外として、乳酸菌のお薬・便秘薬・漢方薬で、量を減らして飲ませても良いと表記されている物もあります。

そういうお薬を使用する場合であっても、外箱や添付文書に記載の「注意書き」をよく読み、何歳から使用できるのか、どのくらいの分量を与えて良いのかどの様な副作用があるのかをよく確認してください。

③なぜ「子ども用のお薬」を飲む必要があるのか?

簡単に言うと、子どもは身体の機能が「未発達」で、「副作用」が出やすいのです。
以下は、子どもの身体の特徴です。

●大人と比べて、身体の大きさに対して腸が長い
医薬品の吸収率が相対的に高い

血液脳関門(脳を守る為の関所の様な部分。脳に入ってはいけない成分を通さない様にしている。)が未発達
→吸収されて血液中に移行した医薬品の成分が脳に達しやすい

腎臓・肝臓の機能が未発達
→医薬品の成分の代謝・排泄に時間がかかる。作用が強く出過ぎたり、副作用がより強く出ることがある。

身体の特徴から見ると、医薬品を使用する際は、大人以上に注意が必要なことが分かるかと思います。
その為、必ず「子ども用」のお薬や、注意書きに「子どもから大人まで飲むことができる」と明記されているお薬を選択してください。

【!注意点!】
薬が喉につかえる等の危険性があるので、必ず保護者の監督の元で服用しましょう。
また医薬品を使用した日は、変わった兆候が出ていないかをよく観察してください。


④市販薬の購入と医師の診察とどちらが優先なのか?

基本的には、医師の診察を受けることが優先だと思います。

特に「乳児」は、医薬品の影響を受けやすく、状態が急変しやすいです。
市販薬の使用が適切なのかの見極めが難しいので、医師の診察を受ける方が良いのです。

また子どもさん(特に乳児・幼児)は、自分の「体調の不具合」や「体調の変化」を上手く伝えることができません
受診が遅れると、知らず知らずのうちに重症化してしまう可能性もあります。

市販薬の使用は最小限(夜間や休診日など、医師の診察を受けることが困難な場合のみ)にとどめることが望ましいです。

かかりつけ医と連絡が取れない場合は、市町村のホームページに、「小児救急電話相談」や「救急病院案内」の電話番号が書いてあるので、それらを活用することも一つの手段だと思います。


【まとめ】

15歳未満は「小児」と区分けされている。
いくら体格がしっかりとしていても「子ども」である。

●子どもは「身体の機能」が未発達であるため、作用が強く出過ぎたり副作用がより強く出る場合がある。

15歳未満の小児には禁忌(与えてはいけない)とされている成分がある。
大人用の薬を与えることはせず、「子ども用お薬売場に置いてある物」や、「年齢制限が幅広く設定されている物」を選択する。

●購入時は、外箱に記載の「年齢制限」や「注意書き」をよく読み、自分の子どもに使用できる薬なのかを必ず確認する。
(注意書きを読むことは、基本中の基本。)
薬剤師や登録販売者に相談して購入するのが無難です。

●子どもさんの体調不良の際は、医師の診察を受けることが優先(特に乳児・幼児)。
市販薬の使用は最小限にとどめる。
夜間や休診日には市町村の「小児救急電話相談」等の相談窓口を活用することも一つの手段。
(お住まいの地域のホームページにてご確認ください。)

いち登録販売者の意見なので参考までに。
ちょっとでも皆さんの生活のお役に立てると嬉しいです。


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