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【ドラッグストア】「すぐに風邪が治る薬」を下さい! ((゜゜;) …!?)

タイトルにある言葉は、私が接客中にお客様から何度か聞いた言葉です。

ある程度の経歴のある資格者の方なら、きっと似た様な経験をしているのではないかと思います。
また、風邪薬の購入時に、この様な事を申し出たことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか?


《身近な病気ではあるけれど…。》

困ったことに、忙しい時に限って風邪をひいてしまうものです。
仕事や家事などに追われていると、休んでる暇もなかなかありません。「早く何とかしたい」という気持ちはよく分かります。
私も立場上、簡単に仕事を休むことができません。
体調が悪くなると、店長を休日出勤させることの申し訳なさから、この世の終わりみたいな気分になります…。

しかし、残念ながら「すぐに風邪が治る薬」というものは存在しないのです…。

風邪薬としての効果を高める為に、西洋薬と漢方薬を組み合わせたり、有効成分を承認基準の最大量まで配合したりという事はありますが、決して「すぐに風邪が治る魔法の薬」ではありません。

※多くのお客様の考える「すぐに風邪を治したい」「早く辛い症状を抑えたい」なのかな…?と、何となく思っています。

この様な感じで、「風邪」は私達にとって身近な病気であるにも関わらず、意外と正しく理解されていないのです。
学校の保健体育の授業で教わる事もないですからね…。
私自身も、試験勉強のテキストを読んで「風邪とは何か?や風邪薬の役割とは?」を初めて知りました。


《風邪とは?風邪薬とは?》

そもそも、「風邪」とは何者なのでしょうか?

●正式には「かぜ症候群」という。主に「ウイルス」が「鼻や喉など」に感染して起こる上気道の急性炎症の総称。
(※インフルエンザは、感染力が強く重症化しやすい為、風邪とは区別して扱われる。)

●風邪の原因の多くは、ウイルスの感染によるもの。原因となるウイルスは、200種類以上あるといわれている。

●通常、数日から1週間程度で治る。

では、「風邪薬(総合感冒薬)の役目」は一体何なのでしょうか?

熱・咳・鼻水等の「辛い諸症状を緩和」することが目的。テキストでは「対症療法」と書かれている。
(つまり、治すことが目的ではない。)

●風邪薬には、体内に入ったウイルスの増殖を抑えたり、ウイルスを除去する様な成分は入っていない

必ずしも「風邪薬(総合感冒薬)」が適する訳ではない。症状によっては、「解熱鎮痛剤」や「咳止め薬」の選択が望ましい場合もある。

私が「なるほど!」と思った点は、風邪薬は辛い諸症状を「緩和する」薬ということです。
つまり、体内からウイルスを追い出す薬でもなく、そもそも風邪を治す薬でもないというのです。
風邪薬を1~2回飲んだだけでも辛い症状が抑えられるので、すっかり治った様な気になっていたのですが、実は違っていたのですね…。


《結局のところ、どう対処するの…?》

結局のところ、最終的に風邪を治すのは、本人の「免疫力」や「抵抗力」なんだそうです。
試験勉強用のテキストや資格者向けの指南書に、その様な記載があります。
栄養・水分を十分に摂り(消化の良い物を食べる)、しっかり睡眠を取って体を休めることが一番の対処法なんだとか…!

いつだったか、電車の中吊り広告に「風邪の時は休もう」という様なキャッチコピーが書かれていて、ちょっと話題になりましたよね。まさにあの広告の通りなのです!!

だからといって、お薬を飲まなくて良いという訳ではありません。
熱にうなされたまま、咳や鼻水が止まらないままでは、十分に体を休めることができませんよね?
辛い諸症状を抑えて体を楽にするために、薬剤師や登録販売者に相談をして、適切なお薬を購入してくださいね。

【注意点】

風邪とは異なる病気(関節リウマチ、肺炎、髄膜炎、急性肝炎など…)でも、風邪とよく似た症状が出る場合があります。
症状が重篤な場合(いつもの風邪とは明らかに違うと感じる場合)、市販薬を一定期間使用しても症状が改善されない場合は、病院で診てもらうことをおすすめします。


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