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Z世代が書いた【シュリンク市場で生き残る。ブランディングコラム】※社内でボツになったけど面白い

ハローZちゃんです!
今日ご紹介するのは、Zちゃんが3日かけて書いたけど結局ボツになってしまった、「株式会社CRAZYに学ぶ、シュリンク市場で生き残る、事業変革で重要なブランド戦略とは」というコラム。
自社のHPコラムとしてはボツにはなってしまったけど、面白い内容なので、ぜひnoteを読んでいるみなさんには読んで欲しいという思いで投稿します!(ドキドキ♡)
ボツになった記事なんて読ませんなよ!と思ったそこのあなた。
その理由は、なんちゃらかんちゃら。(なんでなんだよぉぉぉ 泣)
まぁそこは気にせず読んでみてください。


3日かけて書いたコラムがボツになった件。

今回、Zちゃんが書いたコラムは、完全オーダーメイドウエディング「クレイジーウエディング」の運用で有名な株式会社CRAZYを題材に、「結婚式」というシュリンクする市場で生き残るためにはどんな挑戦をし、どう変革するべきか、そして変革を乗り越えるためのインナー施策について解説しています。
CRAZYの勇気ある挑戦、大きな変革、そして組織づくりはすごく刺激的で、学びになることがたくさんあります。

↓ここからはZちゃんではなく、Zちゃんのキャラを脱ぎ捨てて、1人のコンサルタントである井戸本 眸(いどもと ひとみ)が話出します。真面目な口調で話ますのでご注意を。笑

株式会社CRAZYに学ぶ
シュリンク市場で生き残る、事業変革で重要なブランド戦略とは

2017年ゼクシィCMより

この言葉はリクルートが運営するゼクシィが、2017年にCMのコピーとして採用したものです。
当時はかなり話題になり、賛否両論が多く集まりました。
ウエディング市場の王者であるゼクシィが、「結婚しなくても幸せ」と言い切るほど、生活者のウエディングに対するイメージやニーズは大きく変化を遂げています。
本コラムでは、変化する生活者のニーズ、シュリンクする市場で思考停止するのではなく、事業変革をすることで戦い続けている、株式会社CRAZYのブランド戦略について考察してまいります。

結婚式はNo’tマスト?〜変化する結婚式のあり方〜
「結婚」と聞くと、どんなイメージを思い浮かべますか?幸せ?未来?永遠の愛・・・?
今の時代、「結婚=幸せ」という方程式は、そもそも時代遅れと思われてしまうかもしれません。かくいう筆者は26歳女、周りは第1回目の結婚ラッシュを迎えており、格式あるホテルで豪華に親族、友人を大勢招待して行う結婚式もあれば、挙式は家族のみ、友人の経営するカフェで披露宴だけ執り行う知人もいます。
「結婚式」の定義は大きく変化し、入籍だけして結婚式はできるタイミングがあればする子もいるほど、今の時代において結婚式は絶対にしなくてはいけないものというイメージはもはや無く、時代の変化とともに若者の「結婚式離れ」​は加速していると言えます。
その理由としては、式の費用が高い、準備期間が長い、注目される場が苦手等・・・、若者が結婚式をしない理由は多種多様ですが、その本質は従来型の結婚式の様式・仕来りに「価値」を見出していないことがあげられるのではないでしょうか。

では、結婚式をあげることに対してあまり積極的ではない20代、30代に対して、ウエディング市場はどう対応していくべきなのか?
顧客をしっかりを見据え、自らが変化しつづけ、結婚式の「価値」を再定義している株式会社CRAZYを例に見ていきましょう。

株式会社CRAZY HPより抜粋

この言葉は株式会社CRAZYの創業者である、山川咲さんがnoteに投稿した記事に綴った言葉です。カップルの個性を全面に押し出した、完全オーダーメイドウエディング「クレイジーウエディング」の運用で有名な株式会社CRAZYは、結婚式に特定のテーマを設けることが特徴的です。
映画やアニメ、アーティストなど、カップルの共通の趣味や興味に基づいたテーマを選び、そのテーマに沿った演出や装飾が行われており、新郎新婦の個性が際立つ、完全オリジナルのウエディング体験を提供されています。従来の結婚式とは一線を画し、水族館や古民家を貸し切って行うものや、自然の中であげるものなど、カップルに縁のあるロケーションであげる結婚式をプロデュースすることで人気を博しました。

コロナショックを期に、自社が提供する価値を再定義

2012年の創業から右肩上がりで成長を遂げた株式会社CRAZYは、「オーダーメイド結婚式」のブランドイメージが確立し、事業成長を遂げていました。しかし、コロナショックにより、オーダーメイドウェディングの受注数は、最盛期と比較して約3割と大幅に減少したそうです。
外出禁止や非接触が中心の生活様式になり、今までの当たり前が大きく変化し、結婚式も延期や中止などが相次ぎました。
業績への影響も避けることはできず、決して良い状況とは言えませんでしたが、株式会社CRAZYは、このような危機的状況を悲観することなく、(逆に好機と捉え、)生活者ニーズの見直し、自社が提供すべき「価値の再定義」と、事業を大きく変革させることを決断されたそうです。

それは「IWAI」と呼ばれる新サービス​​で、脱・オーダーメイドへの挑戦とも取れる結婚式プランです。
これからの時代の結婚式に求められるものは「お金をかけた豪華なお披露目」ではなく、人と人の「つながり」が感じられる結婚式だと、自社が提供すべき価値を再定義されました。
先述した「結婚式離れ」の最大の理由は、ブライダル業界で従来「顧客への価値」と定義していた様々なサービスが、価値観の変化により顧客にとっては「価値」だと感じられなくなり、「ムダ」になってしまったということです。よって従来の結婚式は「価格が高い」「準備期間が長い」と感じてしまう訳です。今の時代、結婚したいと思った人の価値観にフィットした結婚式サービスにアジャストしていかなければなりません。
そこで、株式会社CRAZYの新サービスでは、「主役のふたりを披露する結婚式」から「ふたりもゲストもみんな主役の結婚式」へとコンセプトを変更し、サービスの内容もよりシンプルにアップデートされました。

ふたりを披露するのではなく、「ゲストを中心にした」結婚式プラン
「IWAI」という結婚式プランでは、従来型結婚式の定番がほぼありません。
壮大な装飾・高砂・入退場演出・ケーキカット・お色直し等を徹底排除し、招待状や席次表までもモバイル化させることで、結婚されるおふたりの時間と労力、そして費用を大幅にカットしています。
ここまでの内容だけだと、競合他社でもすぐに真似ができるものばかりですが、株式会社CRAZYは他社には真似できない独自の提供価値を根底に据えているのです。
それは、「ふたりの人生に向き合う姿勢」であり、株式会社CRAZYが完全オーダーメイドウエディングをおこなっていた頃から変わらず大切にし続けている社員全員の姿勢です。

株式会社CRAZY HPより抜粋

そして、「人と人が、心からつながる結婚式」を提供するには、社員の自分自身の人生、他人の人生に向き合う姿勢がなくてはならない、という考えから、社員教育の一環として株式会社CRAZYでは入社時に「ライフプレゼン」と呼ばれる、「自分はどんな人間なのか?」「何を大切にしていきたいのか?」「自分はどう生きていきたいのか?」等を全社員の前でプレゼンする機会を設けているようです。

既存のブランドイメージを変えることの難しさ

前述にもありますが、「オーダーメイド=クレイジーウエディング」というブランドイメージが確立されているため、脱・オーダーメイドのサービスが社外はもちろん、社内メンバーにも浸透させるには大変な苦労があったと想像に難くありません。
これは株式会社CRAZYだけでなく、ある程度ブランディングが浸透できている企業であればあるほど、そのブランドイメージを一新させるには、労力がかかってきます。
このような場合に、まず社外へ大々的にリリースし、CMやSNSで発信する企業が多いのですが、最優先事項としては、社内メンバーへのビジョンの浸透・意識統一です。
まず社内メンバーに納得・共感してもらうことで、それが社外へ伝わり、自然と広がっていく、この仕組みづくりをどれだけできるかが、事業変革において最も重要だと言えます。
株式会社CRAZYは、オーダーメイドウエディングにプライドと自信を持つ社員が多く、脱オーダーメイドに前向きでない意見もあったと思います。
そんな中、社員同士で、なぜ株式会社CRAZYで働いているのか、自分達が提供するものは何か、自社の価値は何かを納得するまで語り合ったそうです。

社員の「納得・共感」を得ることで、より強固なブランドへと昇華できる

株式会社CRAZYマーケティング室責任者の松田佳大氏より抜粋

株式会社CRAZYは、これまでのビジネスを否定するのではなく、そこで得たノウハウ・知識を次の事業へ転換していくというスタンスで、社内メンバーへの意識づくりをおこなったそうです。
一見、遠回りに感じるかもしれませんが、社内メンバーへのビジョンの浸透・意識統一を行うことで、自社オウンドメディアで株式会社CRAZYのテーマである「愛」についての連載記事を作ったり、全社員でSNSを強化したり​​と社外に対する発信、浸透が自然と加速されていったのだと思います。

市場環境の変化に左右されないブランドが持つべき“軸”

※株式会社CRAZY CRAZY MAGAZINEより抜粋

株式会社CRAZYは現在も変革の真っ只中だと思いますが、だからこそ自社のあるべき姿を見直し、ビジョンを社員全員に自分ごと化させて自社の価値を高めることに注力し、常に様々な挑戦をされているのだと考えられます。
その挑戦する取り組みの一つが、社員一人ひとりが自分の人生のビジョンを語る「Co-visioning Session」​​という会の複数回開催。
そこで社員から聞いたビジョンを会社のビジョンと融合させ、『To celebrate your life the most in the world. /  世界で最も人生を祝う企業』という新ビジョンを策定されました。
100名近くいる社員と会社のビジョンをすり合わせることは決して簡単なことではありませんが、ビジョンへの共感・共鳴を実現させる上で効果的な施策だと言えます。
なにより、業績のために働くだけでは社員のモチベーションは上がらず、市場・環境の変化に弱い企業になってしまいます。環境変化に左右されず、社員が自発的に行動する強い企業へと変革するためには、働くことの意味、自分達の価値を明確化することが重要だと言えます。

“パーパス(存在意義)”が重視される時代。
従業員の「働く意味」を明確にすることが重要です。

最後に

あらためて、株式会社CRAZYのように事業変革を行う際には、社外に対する発信などのアウター施策だけでなく、ブランドを支える社員への浸透施策といったインナーに向けた取り組みの両軸で働きかけていくことが重要です。
そのためには、内外ともに伝わりやすい企業のMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を策定し、浸透させる活動が必要不可欠になります。まさにこれがブランディングなのです。

今回はウエディング市場を例に見ていきましたが、こうした市場の変化はどの業界においてもあり得る状況です。VUCAの時代の今、環境変化の予兆に気付けなかったり、想定外のことが発生​​している状況で、「変革」はどの企業にも求められていることです。

ほほほいほい!
Zちゃんの書いたコラムはいかがだったでしょうか?
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