印刷のあれこれ/(株)山田写真製版所

富山県富山市の印刷屋さんです。 製版技術、印刷技術で培ってきた「色の再現性の技術」「色…

印刷のあれこれ/(株)山田写真製版所

富山県富山市の印刷屋さんです。 製版技術、印刷技術で培ってきた「色の再現性の技術」「色の知識」を強みに、さまざまな印刷物に携わっています。 印刷物を作ろうと思っている方に、ちょっと耳よりな情報を心掛けて更新していきます。

最近の記事

カルティエと日本 半世紀のあゆみ 『結 MUSUBI』展 〜行ってきたレポ〜

7月、日差しが眩しい猛暑の中、上野の東京国立博物館で開催中の「カルティエと日本 半世紀のあゆみ 『結 MUSUBI』展 ― 美と芸術をめぐる対話」に行ってきました。 日  程:2024年6月12日(水)~ 2024年7月28日(日) 会  場:東京国立博物館 表慶館 開館時間:9:30〜17:00/金・土曜日19:00まで 上野駅から徒歩10分、上野公園の中を抜けると今回の会場である東京国立博物館があります。このエリアは多くの文化施設が集まっており、近くには国立科学博物館

    • ごはんとしごと episode.3

      「Tea Room Alpes」 教えたいけど教えたくないそんな場所 市内電車環状線の脇に入ると古いビルがあります 一段上がってドアを開けると空気が変わる 心地よい音楽が流れ、薄暗いけど暖かく 窓の外が別世界に見えてきます 凝り固まった頭をほぐすとき コーヒーと甘いものを求めて訪れます 一口で幸せになれるものはどれくらいあるのだろう 訪れる度、いい意味で予想を裏切られ 新しい発見に出会います この日、選んだのはクラフティ 少しあたたかい生地の上にアイスクリーム 少しずつ

      • ごはんとしごと episode.2

        「CIBO VERA PASTA」 ちょっとお話したいとき なにを食べたいか決め兼ねているときは とりあえず足を運んでみるSOGAWA BASE (おしゃれフードコートと勝手に読んでいます) カレー屋さん、ピザ屋さん、パスタ屋さん、お肉屋さん コーヒー屋さんにワイン屋さん、オーガニックな八百屋さん この日は、その中から パスタ屋さん「CIBO VERA PASTA」を選びました 現在、東京で眩しいくらい活躍しているPDの後輩を 送り出したときだったと思います いわゆる女子

        • ごはんとしごと prologue

          「何のために食事をするのか」 小学校で家庭科で習ったのは 赤色は体をつくり、黄色はエネルギーのもとになる、 緑色は体の調子を整える 赤・黄・緑の食品の栄養素について 社会人になってからは栄養素以外にも 「誰と、どこで、何を食べる」ことの大切さに気がつきました 食事は体の栄養になるだけでなく 仕事の活力になり、心を癒やし、生活に彩りを与えるのです 匂いや香りからは何度も記憶がよみがえります 前置きは長くなりましたが、 会社周辺のランチマップがあったら 弊社へ遠いところから

        カルティエと日本 半世紀のあゆみ 『結 MUSUBI』展 〜行ってきたレポ〜

          生活工房 アニュアルレポート 配布場所   〜下北沢を巡る〜

          今回は弊社で製版、印刷を担当させていただいた、生活工房様の「アニュアルレポート2023」を配布しているお店のうち、下北沢にある3店舗に伺いました。 この記事では、各店舗での設置場所とともに、お店の特徴や雰囲気などもご紹介します! 1 クラリスブックス 下北沢駅から徒歩3分に位置する同店は、文学から美術、サブカルチャーなど様々なジャンルの書籍を取り揃えている古書店です。可愛らしい羊マークのロゴが目印です。 住  所:東京都世田谷区北沢3-26-2-2F 営業時間:平日1

          生活工房 アニュアルレポート 配布場所   〜下北沢を巡る〜

          これまでの歴史 Vol.2

          明治、大正、昭和と3つの時代を渡り、時は平成へ。この頃にみられた圧倒的な技術革新は、社会のしくみや仕事のあり方を大きく変えました。それらを受けて山田写真製版所がどのように変化、そして変革し、今に続いているのか1990年以降のあゆみを振り返ります。 DTP化の波 1990年(平成2年)~1999年(平成11年)ごろ 製版現場でもっとも大事な仕事道具はフィルムとカッターナイフでした。 バラバラに点在する文字情報や写真フィルムを、指示書通りに切り貼りしてレイアウトしていきます。

          【印刷立会いレポ】ギャラリーロイユ様 不思議の国のアリス

          これは「不思議の国のアリス」の冒頭の一節。 主人公のアリスが字ばかりの本を見た時に呟いた一言です。 本が書かれた1865年当時の子供向けのお伽話は「いい子にしていないとこんなひどい目にあってしまうよ」というような教育的な側面を併せ持ったものが多く、純粋に子供を楽しませるという目的だけで書かれたわけでは無かったようです。 作者のルイス・キャロルは、お伽話がそのような教訓主義に偏る当時の風潮を良しとしていませんでした。 そんな時代背景の中で生まれた不思議の国のアリスは、数多の

          【印刷立会いレポ】ギャラリーロイユ様 不思議の国のアリス

          【印刷立会いレポ】湯浅啓様写真集『Notochrome』

          4月のとある穏やかな日、写真集『Notochrome』の印刷立会いで龜鳴屋・勝井様、写真家・湯浅様、デザイナー・橋詰様がご来社。終始和やかな雰囲気の中、制作の裏話も交えお話を伺いました。 この写真集は能登の日常風景を撮影したもので、すべてモノクロでまとめられています。モノクロである意味や想い、タイトルに込めた願いがあとがきに綴られています。 『Notochrome』の構想は、今から遡ること6年前。2018年に開催された湯浅さんの同名の写真展を見た勝井さんが、これは是非写真

          【印刷立会いレポ】湯浅啓様写真集『Notochrome』

          TOYAMA ART DIRECTORS CLUB 2024

          2024年4月13日(土)富山の一流デザインが集まる審査会TOYAMA ART DIRECTORS CLUB 2024が開催されました。毎年審査員を招き審査が行われます。今年は富田光浩氏、前田晃伸氏、窪田新氏。 富山県在住で作品をアートディレクションされたクリエイターなら、どなたでもご応募できます。当社からは4点応募したものの、今年は入選が叶わず残念な結果となりましたが、グランプリ高森崇史さんの「富山ますずし学校」をはじめ当社が印刷を担当した作品が数多く受賞され、富山のデザイ

          これまでの歴史 Vol.1

          「写真製版」とは印刷に使う原版を作ることを指します。 テクノロジーがいかに進化しようとも、印刷するためには元となる版が必要で、この関係は今も昔も変わりません。 創業当初  1921年(大正10年)~1951年(昭和26年)ごろ 印刷業に携わってきた山田の歴史は深く、前身となる会社も含めると1897年(明治30年)まで歴史をさかのぼることが出来ます。お客様に「山田さんは印刷会社ですよね?社名に入っている製版所って何ですか?」と聞かれることがありますが、もともと製版会社として

          巣巣(すす)訪問

          書き手である私は初めて巣巣(すす)さんを訪問します。 巣巣さんは富山市立山町にある雑貨屋です。担当した原画のソルグラフが並ぶ展示が始まったので、そのご挨拶にお伺いさせて頂きました。 *「ソルグラフ」とは弊社のデジタルアートプリントサービスです。 富山市街地にある会社から山側に向かって車で30分ほど。冬越し田植え前の茅色の田園風景を横目に流しながら、途中でそれて細い道へ。スピードを落としてゆっくり進んでいくと、黒い塀の上に白い石が乗っているのに気づきました。 近づいてみると