短歌「さよならグッドモーニング」(18首)
g 00 d M oRn I N g 斜陽シテ目がまわり超高速度で落下し定点
オーディオの音を抜き取り味見して噎せた入道雲の終わりに
路の傍に落ちてる花を噛み千切り匂いを嗅いだ探索犬B
朝靄の雑踏の隙間駆け抜ける閃光一筋フラッシュバック
蜘蛛の巣が地球をさらいに来るらしい試験は忘れていい雰囲気だ
貪欲にあの子の窓を這う蔦は血管らしく取り払えない
ざらざらと小川に流るる太陽をつまむと白く溶け落ちていく
足元のレールの終わりが見えなくて線路と呼ぶのをやめるとき雨
懺悔なる名前の夜になみなみと注がる麦茶は深海の色
天使たれ君が言うから半額で買ってきた羽根のサイズが合わない
眠れないままに出遭えることはないありあまる昼ありあまる星
水のように笑っていたあの日の君はどんな彼方に届いてしまった?
音立てず蝋が垂れるはいやらしい犬の目つきで星雲去りぬ
明日なのに昨日が扉を叩くので栞を挟んで一旦閉じたい
夏は澄まし顔した君を連れ去りて眠らぬ花を胸に抱きぬ
箱庭に点滴繋がれ晴天を奪われながらも手を振り返した
階段を昇りきらないようにするふたりのことは誰も知らない
夜になると羽が生えると嘘をつく君は白さを夢見たままで
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