#読書感想
読書記録007「毒身」星野智幸
変な本を読んだ、というのが初読の印象だ。
奇妙で、面白い。刺激がある。それは構成の妙と、キャラクターの見せ方にかかわっている。ストーリーを紙に書いて、箱に入れ、それを見ないでよくかき混ぜ、取り出した順に並べていく。そういう方法を提案していたのは、バロウズだったか、ブルトンだったか、ウディ・アレンだったか、あるいはその全員だったか、忘れたが、そういう「時間軸の攪乱」が物語にいいコクを与えている。
読書記録006「私の奴隷になりなさい」サタミシュウ
会社の同じ職場の女性に惹かれるが、冷たくあしらわれる。そんな経験がいままでなかったから、主人公は一層その女性に執着するようになる。突然機会が訪れる。「今日、セックスしましょう」。そして、「ビデオカメラで撮ることが条件」だという。主人公は謎を抱えたまま、その女性と行為に至ることになる……。
官能小説でなくても性行為の描写は結局のところパターン化されているが、その限定された条件のなかでどのように性行