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積み上げたら崩れるし、自分が弱いことを知っている。

20代で店を始めたのは、

たまたま歩いていて
この場所を見つけてしまったのと、

自分に自信が欲しかったから。

お金もなかったし、

その時2年程飲食業から離れていて、もう戻ることはないと思っていた。

しかし、この場所を偶然見つけた時、
止まっていた心が動き出した。

怖いけれどやってみたい。

誰にも言わずに物件を契約して、

お金は日本政策公庫から借りたのだけれど、

契約をして工事を始めた時点ではまだ審査は通っていなかった。

見切り発車もいいところ。

だからいつもは信じていない神様に何度もお願いをしました。

それから亡くなった祖父やひいおばあちゃんにまでも。

どうか店が作れますようにと。

店を始めた当初、
「自信があるからお店をやるんでしょ」と何度も聞かれました。

その度に私は違いますと答えるのですが、
あまり信じてもらえなかった。

私は経験も少くない、技術もない、お金もないで
無いものだらけ。

経験も技術もお持ちの方を知っているし、
そんな方達は沢山いるので、
どうして私が自信を持てようか…。
いつも心の中でそう思っては、
周りの反応と自分への自己評価のギャップに戸惑った。

私は今居る時点から未来の自分を想像して、

何か辛いことがあった時、
自分は20代で店を始められたんだと振り返ることが出来れば、それはきっと自信に繋がるはずだと思っていました。

未来の自分への励まし。

それほどまでに
私は自分に自信がなくて、

ただ生きていく為に
自分を支えるものが欲しかっただけなのです。

そんな人が店をいくら続けたって自信に繋がらない、それに気が付いたのは数年が過ぎた頃。
店を続けてみても、自分の中で何も変わらない。

好きな事もそうじゃない事もやって、
日々を重ね、
仕事の依頼が来たら何でも引き受けた。

足りないから経験を積むしかない、
沢山積んで一人で何でもやらなくちゃと勘違いして崩れた。

やってもやっても自信に繋がらないし、
どんなに周りに誉められようと響かない。


私なんかが誰かと比べる事自体がおこがましいわと思っているのに、どうしたって人が気になる時がある。

店を始めてから出会った人達はお客様も含めて
私をポジティブだと言うけれど、
もしそう見えるならば、
私のそれは生まれもったモノではなく、

そうなるしかならなかったから。

今までの過程で何度も挑戦して失敗して、

積み上げても崩れるし、
自分が弱いことも知っている。


だから、

ポジティブに見えるあの人は、
それはとてつもないマイナスから
進んで来た力なんだよね。

笑顔が素敵なあの人は
どんな悲しみを味わってきたのだろう。

優しくしてくれるあの人は、
どれだけの事を乗り越えてきたのだろう。

私はそんな風に人を見ている。

いつまでも嘆き悲しむ人よりも、

堪え忍んで乗り越えた人は
言い訳もなくその姿で教えてくれる。

私もそんな風になりたいのだけど、

ここまでこんなにつらつらと
書き連ねている時点でまだまだだなと、
気が付いたので終わりにしたいと思います。。

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