見出し画像

ゆたかさって、与えられる事じゃないかな。

こんな風に思うのは、
私の周りに居てくれる人達がそうだから。

見出しの画像の大量のきのこ。

色も大きさも様々でこれは全て手作り。

小さいきのこには一つずつ扉が付いていて、頭は可愛いカラフルな水玉模様。

デザインの異なる25個の小さなきのこに、どれだけの時間をかけてくれたのだろう。

しかも私の店の名前も付けてあり、

オーナー(私)が楽しんでくれたら嬉しい…自由に使って下さいと

メッセージと供にある日突然お客様からプレゼントされた。

箱にびっしりと詰まった小さなきのこ。

いつかもっと自由に出掛けられる様になったら、
この小さなきのこをこっそりと、何処かに置いてこようかな…、

遠くの国へ旅が出来るようになったら、
どこかにぽつんと置いて帰ってこようかな…、

誰にも見つけてもらえなくても良いし、
見つけてもらえたら、見つけた人はどんな風に思うかな…
なんて私は想像をしてみたり。

お客様に1つずつ差し上げたら、
一家に1つ可愛いきのこ、
離れていても扉のむこう側で繋がっていられるかも…。
そんな遊びを頭の中で楽しんで、

世の中に不安が溢れていた時期、
この小さなきのこに込められた想いで私の心は幸せに満たされていた。

私は一人で店をやっているからか、気にかけてくださる方が多い。

入手困難な時に手作りのマスクを持ってきて下さる方がいたり、

最近は暑つそうにしていた私を見て、

気になっていたからと薄い生地でマスクを作って持ってきてくれた方もいた。

それがまた手縫いなので一針ずつに想いが伝わる。

道で咲いていたお花を「はいっ」と渡してくれる小さな女の子。

お折り紙で作った架空のキャラクターや、色鉛筆で描いてくれた私の姿。

旅のお土産やおすすめのお菓子やパンなど…。

贈り物が届く度に、どこかでふと私を思い出してくれたんだと

そんな想いに心が震える。

見返りを求めずにただ相手が喜んでくれるかな…そんな気持ちだけで動ける人達が、私の周りにはたくさん居る。

もらった想いを独り占めしないで、

それをまた誰かに与えられること。

私はそれが「ゆたかさ」だと思う。

そして今、

どんな事が起きようとも変わらずに

与え続けてきた人達同士が自然と集まり、

優しい世界が作られていくのではないかと感じている。

私は一生かけても返しきれない想いを頂いているので、

自分で作った店の中でこの想いをお菓子と空間に込めて、

これからもずっとお返しし続けたいと強く思う。

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