記事一覧
八重垣大明神 Part 7 八重垣大明神を建てたのは誰か
●もう一つの八重垣大明神
八重垣大明神は神社ですから、誰かが何らかの意図を持って建てたのは確実です。そこで、Part6までとは視点を変え、八重垣大明神を他所から持ち込まれた神であると仮定し、その出自を調べてみました。
実は過去に八重垣大明神と名乗った有名な神社があるのです。縁結びの神社として崇敬を集める島根県松江市の八重垣神社です。
八重垣神社の社伝によると、その歴史はスサノオとクシナ
八重垣大明神 Part 6 偶然か霊障か
●偶然か
大阪市水道局の関わった工事、庁舎に現れた女性の幽霊、見付かった背骨。これらに因果があるのかどうか、私には分かりません。私はそう思いながら、X氏との連絡の途絶えた期間にまとめた資料を読み返し、あることに気付きました。
『津国女夫池』の著者・近松門左衛門は虚実を織り交ぜる作風の持ち主なのですね。つまり、『津国女夫池』が完全な創作でなく、事実を基にした半創作であるなら、造酒之進と清滝の
八重垣大明神 Part 5 見付かった骨は幽霊の遺物か
●幽霊騒動の真相とは ー 2018年(平成30年)4月
X氏からの電話の4日後に、私はZ神社を訪ねました。目的は大阪市水道局扇町庁舎で起こったとされる幽霊騒動とお祓いの裏取りです。
社務所の巫女さんに取材で訪れた旨を伝えると、奥から1人の男性が現れました。同社の禰宜を務めるZ氏(伏せます)です。
吉野「お忙しいところを恐れ入ります。
私は大阪市北区に在住の吉野と申します。
八重垣大明神 Part 4 見付からない鍵の向こうに幽霊が出る
●関係者に対する取材の開始
ここまでのレポートが、私の集めた八重垣大明神にまつわる資料の摘要となります。(摘要にしては長いですね。すみません。)
変わって、ここからのレポートが、八重垣大明神の関係者に対して私の行った取材の摘要となります。(また長いです。すみません。)
お糸や八重垣姫の呪いを否定したとしても、八重垣大明神が依然として金網に閉ざされた怪しい神社であるという点に変わりありませ
八重垣大明神 Part 3 怪談の生まれた背景は何か
●怪談の生まれた背景を推測
人形浄瑠璃の演目が八重垣大明神の怪談に変転したのであるなら、作品を怪談として語るに至った背景があるはずです。当時の世相と扇町(公園)の歴史に触れつつ、背景を簡単に推測してみます。
●当時の世相
門左衛門の活躍した頃は男女の心中を描く作品が流行しまして、感化を受けた若者による心中が後を絶たなかったといいます。1723年(享保8年)に徳川幕府が心中を題材とした作品
八重垣大明神 Part 2 現地で噂される怪談の矛盾
●八重垣大明神を知らない方へ
本記事で紹介する八重垣大明神とは、大阪市北区の扇町公園の南端に鎮座する正体不明の神社です。8畳程度の境内に、石碑、祠、それらを囲む玉垣が立つものの、常に鍵の掛かった金網に囲まれ、鳥居を持たず、自由な参拝が出来ません。
立地も気になります。阪神高速道路12号守口線の扇町出入口と扇町通に挟まれておりまして、とても窮屈なのです。
異様な外観のせいか、怪談の舞台に
八重垣大明神 Part 1 はじめに
●本記事について
本記事は2017年(平成29年)12月に取材を始めた拙著『大阪+近郊 不思議と謎』(自主制作)の中から、大阪府大阪市北区扇町の「八重垣大明神」の記事を加筆・修正しつつ、noteに転載したものになります。
記事を何らかのメディアで引用される際は必ず連絡をください。関係者からの問い合わせに(実際に来ましたので)私が責任を取らねばなりません。関係者並びに私に対する誠意と、神仏に