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和牛の解散からパートナーとの関係を考える。

漫才コンビ和牛の解散は衝撃だった。

M-1の常連だったし、出ていたときは優勝争いをするのが常。いつぞやのM-1で見た「ドライブデート」「ゾンビ」「家探し」のネタは、腹を抱えて笑った思い出がある。

10年前のオールザッツでみた「公園」のコントも最高に好き。今回、解散を知ったときにも嫁さんとyoutubeでみた。何度見ても笑ってしまう。

漫才師の凄さを知ったのも和牛の漫才だった。

10年ほど前の話。

大阪で仕事を終え、界隈をブラブラしていたら、M-1の大阪予選二回戦をしている会場のビルを通りかかった。

その場で誰が出ているかを調べてみる。
どうやら和牛が最後の方に出るらしい。

これはラッキー。
是非とも見たい。
チケットをサクッと購入し、会場に入った。

M-1の二回戦は、ほとんど無名のコンビしかいない。なかには、アマチュアも混じっている。基本的に知らない人たちが漫才をしていた。

笑いの量もさほど多くはない。コンテストなので、どちらかというと張り詰めた雰囲気だった。

周りを見ているとメモを忙しくとっている観客もいる。採点して楽しんでいるのか。お笑いの卵さんなのか。

なかなかしんどい雰囲気だった。

クスクス程度の笑いとほぼ静寂と拍手の繰り返し。たまに面白いコンビが出てくると少しだけ会場が湧く。

兎にも角にも、根気よく待つ。

終盤も終盤、ついに和牛が出てきた。

初めて知ってる漫才師が出てきた。

無名の人たちの漫才がずーっと続いたあとにみた和牛の漫才はスペシャルでしかなかった。



さっきまでの漫才と全然違う。
オーラもある。
流れに澱みがない。




プロだ。
本物だ。
シンプルにそう思った。




お笑いは人並みに好きだ。劇場やイベント、大学の学祭で漫才を観に行くこともある。しかしながら、ライブにしょっちゅう行ってるわけではない。

思えば、今までライブで見たことある人は有名な芸人さんが多かった。テレビに全く出ていない若手の漫才なんてみたことがなかった。

いろんな漫才師と比べてみてわかった。
テレビに出るレベルの漫才師の凄さを。

何が違うか?と聞かれたとて、ちゃんと答えられそうにないし、全くもって語れない。


けど、全っっっっっ然違った。
プロだった。ホンモノ感があった。



会場内の笑いの量も拍手も段違い。


ボク自身も和牛の漫才を観ながら笑った。
「ハンバーグ」のネタだった。
終わったあとは、感動に近いものがあった。

昨日のラジオでは、芸人仲間の皆さんが和牛解散の話をしていた。コンビというものは、ケッタイな関係でなんとも難しいものらしい。

メッセンジャーのあいはらさんとトミーズの健さんがラジオで話していた何気ない言葉が刺さった。

「コンビてのは、糸みたいなもんで繋がってて、その糸が緊張しすぎてもあかんし、緩すぎてもあかんねん。で、切れたら終わりやねん。ピンピンに張ってたらいつか切れる。やから、切れへんように上手いことせなあかんねん。切れたら全部水の泡になるのは、もったいないやん。」

和牛のお二人は、漫才に対してストイックすぎるほど、ストイックらしい。緻密さ、神経質さ、漫才への真摯な姿勢ゆえにつくられる漫才だったのだろう。


張り詰めすぎたんかなぁ。
まぁええかぁ精神が足らんかったんかなぁ。


いちファンとしては、やっぱり寂しいものがあるよねぇ。。。



・こぼれ話

コンビの関係って、赤の他人同士がくっつくという意味でも恋人同士や夫婦に例えられることが多い。確かに夫婦間でピリピリしてたり、緊張してるのは、しんどい。「糸が切れへんように上手いことしてく」「まぁ、ええかぁ精神」というのは、パートナーと末長く一緒にいる上で大事なことかもしれないですねぇ。


・最後に一曲


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