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かわいい子には旅をさせよ 【後編】



初めての銭湯。
古〜いとこやった。
けど、なんやろこの感じ。
懐かしい。
風情ある。
なんか…いい…。
この空間好き…かも…。
しかしながら、初めての銭湯。
何から何までY君に手取り足取り教えてもらう。


番台の横にあるカゴを取ること。
服はカゴに。
ロッカーの鍵のかけ方。
鍵は腕につけること。
無くしたら大変ってこと。
お風呂のシャワーは緩いとこと強いとこがあること。
蛇口から出るお湯はビビるくらい熱いこと。
電気風呂はやめといた方がいいこと。
水風呂、サウナの入り方。
深い風呂は気をつけなあかんこと。
風呂から上がった後の作法。
風呂上がりの牛乳の飲み方。
その後、漫画をダラダラと読むこと。

僕は言われるがままに真似をした。
同い年のY君だったが、お兄ちゃんみたいやった。

帰宅後、お母さんがご飯を振る舞ってくれた。
おっきい焼き魚。
これまた、オーマイガー。
僕は魚が苦手だった。
どうしたものか…。
けど、食べないと。
世話してもらってんねんから。。。
一口食べてみる。
衝撃。

んんっ?!
あれ、うまい。
何これ、むっちゃうまい。


普通の塩焼き。
鯵(あじ)と鯖(さば)やったと思う。
むっっっちゃ美味かった。

お父さんがドヤ顔で一言。
「どうだ?沼津の魚はうまいだろ?」


食べながら、コクコクと頷く僕。
本当に美味しかった。
今まで食べてたお魚ってなんやったんやろうって思った。
いや、食わず嫌いやっただけかw


ただ、魚を食べ慣れていないのはバレバレ。
なんせ食べ方が下手。
そこも嫌がることなく、家族のみんなに丁寧に教えてもらった。
みなさん本当優しい。


就寝時は一番奥の部屋で家族全員で雑魚寝。
8畳くらいの部屋に僕を含めた子供5人とお母さんでねた。
普段はお父さんも一緒らしいがこの日はソファで寝てくれたらしい。


寝る前にラジオを聴くのがY君の儀式だった。「これが面白い!」と教えてくれて、初めて車以外でラジオを聞いた。それがまた本当に面白かった。みんなでラジオを楽しんだのち、就寝。その後、京都に帰ってからラジオにハマった。


Y君の家は広くはないし、綺麗なわけでもない。結局僕のところは一回も外食しなかった。他のチームメイトは外食したり、ゲーセン行ったとか話をしていた。「大きい家で当たりやったわ〜」と自慢げに話をしているやつもいた。


周りはさておき、僕自身は貴重な体験をさせてもらい、ホームステイを満喫した。初銭湯、魚嫌いを克服、ラジオとの出会い…。家族のカタチって人それぞれ、本当いい家族にお世話になったなぁと思う。少年よよがこの静岡遠征から得たものは大きかった。


・こぼれ話 〜帰宅後〜

京都に帰ってきた後、お礼の手紙書いた。すると返事と一緒に沼津のお魚をいただいた。このお魚がまた美味かったんだよ〜。沼津のアジよ。いやはや、魚食べたなってきた。


・最後に一曲  ハンバートハンバート / 岬

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