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【オススメ書籍】カゴメの人事改革: 戦略人事とサステナブル人事による人的資本経営

前回は、以下を読了。

製薬会社(ファイザーやロート製薬)やメーカー(味の素)にて、グローバル人事領域にて活躍された方の書籍。


今回は、トマトで有名なカゴメの人事面におけるグローバル化の統括責任者にて、全世界共通の人事制度の構築を行った方の書籍。


著者は、協和銀行(現りそな銀行)に入行。その後、銀行派遣にて米国でMBAを取得後、主に人事、経営企画に携わる。
2004年に日系精密機器メーカーであるHOYA株式会社に入社。人事担当ディレクターとして全世界のグループ人事を統括、全世界共通の職務等級制度や評価制度の導入を行う。2008年に外資系保険会社であるAIU保険会社に人事担当執行役員として入社。ニューヨーク本社とともに、日本独自のジョブグレーディング制度や評価制度を構築する。2012年1月、カゴメ株式会社に特別顧問として入社。

著者プロフィールより抜粋

たまたま手に取ったわけだが、前回も今回も日系の企業と外資系企業を行き来して、日本企業にあった経営と人事の接続をされている方の書籍。

内だけでなく、外との人事のあり方を捉えた上で、内に対して最適な形で接続されている点は、共通する。

◼️この本を読むと良い人

 ・日系の企業で人事と経営をよりつなげていきたい方
 ・CHROを目指している方

◼️この本で学べること

 ・人事領域の大きな変化を起こす時の要諦
 ・人事制度や運用設計時のポイント

◼️メモ

①現地現物を捉えて、その企業ならではの課題、施策を検討。

前回書籍と同じく、泥臭く人事としてグローバルであって各国の支社や工場に回りながら、事実をとりにいく。
その後、施策を講じるときにも何が変わるのか、なぜ変わるのかを浸透しに足を運びにいくというは共通している。
机上での検討ではなく、現地現物を捉え切っているのかは、自戒したいポイント。

②トップ→ハード→ソフトをかえ、ハードとソフトは一貫させて整える

まずは、トップ→ハード→ソフトの順で整える。
 ・役員の評価・報酬制度
 ・ジョブグレード制・グローバルな報酬制度の見直し
 ・サクセッションプランの構築
 ・研修体制、採用

ポイントは、トップから変えるかつ、それを公開し、経営の意思と覚悟を伝えること。また、何が変わるのかは、ハードとソフトを一貫させること。
これを変えるのは、経営として何を大事にしたいのか?(WHY)は、わかりやすく1枚で何度も伝える。

少しずつ変えるではなく、変える時は一気に一貫して変えるが大事であり、立ち上がりで経営としての意思と覚悟が伝わるかが肝要。

③生き方改革

カゴメならではの素敵なコンセプト。
”従業員に対し、会社で使いすぎていた時間を個人に振りむけることでより充実した人生を”

それを実現するための各種制度を整え、一人ひとりの価値観に基づいて、自分のキャリアを自分で決めること、いわゆるキャリア自律を求めている。

理想を語るではなく、人事制度、支援する体制が一貫している。

例えば、ジョブグレード制度にし、管理職以上の職務等級や人材要件を社内に公開。どの等級にはどんなことが求められるか(この先の選択肢)があり、そこを目指すには自分にはどんなGAPがあるのかを各自が思考できるようにする。
昇進基準を人事評価ポイントと連動させ、昇進基準の可視化。
自身で目標を設定するというKPI評価シートや、事業部ごとのHRBPは社員の人材育成とキャリア支援の機能に振り切る。事業部ごとの推進への部分最適の機能を持たせない。
ライフステージとあわない転勤をパスできる、またはどこかに希望できる地域カードなど。
根底にあるのは、人事としての透明性、競争優位を人に置き、自律的に成長していくことへの期待があるように思う。


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