創意工夫を育むのは、記憶力と他者の存在
子供は遊びの天才だと思っていた。
何か適当なモノを見つけては、適当に遊び始める。そういう生き物だと思っていた。幼児なんてだいたいそうだろう、と。
そんな天才は一部に、あるいは一定の年代に限られるみたいだ。
多くの子供はそうでもない。
特に、小学校の高学年とか中学生にもなってくると、天才的な子とそうでもない子に分かれる気がする。
そうでもない子の特徴は「誰かが決めたルール」が必要になることかな。「どうすればいいの?」みたいな質問を聞かされるとがっかりする。やれやれだ。
自分で創造して遊べない。
決められた道具と、決められたルールがないとどうしていいか、何して良いかわからないみたいだ。
あるいは自らを主張しないようにして、自分を守っているのかもしれない。
天才的な子とそうでもない子の中間には、「少しのヒント」があれば想像力が発揮できる子がたくさんいる。
少しのヒントが得られなくて想像力が伸びない子になるか、少しのヒントで想像力が発揮できる子になるかの分岐点には「他者」がいるように思う。
他者が「多すぎるヒント」を渡してしまったら、考え、創造するチャンスは失われてしまうだろう。
ヒントを渡してくれる他者に出会えなければ、創造する機会を得られず「誰かの何か」に依存する道を進むだろう。
みんなが大好きなゲーム(スイッチとか)は否定しないけど、結局誰かの創造性の賜物で遊ぶことになる。
自らの工夫の余地がどれくらい残っているかでゲームの難易度というか複雑さは変わってくる。
ゲームの全てがダメなわけではない。
創意工夫を伸ばす教育が掲げられることがあるけど、創意工夫はどうやったら伸びる??
「考えてみよう」
「自由に創り出してみよう」
では、創意工夫は伸びない。当たり前だけど。。。
ヒントを渡す側のヒントは山本五十六の言葉にあるからそちらが良いかと。。
やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、
ほめてやらねば、人は動かじ。
話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。
受け取る方の準備は、とにかくまずは「覚える」ってことだと思う。
覚えて真似る。
そこから改良してみる、試す。
そんな風にしながら、自分が面白いと感じるようにいじっていくのが「創意工夫」なのだと思う。
ゼロから突然生まれるものではない。
真似るのが最初。
真似るには覚えるのが必要。
だから「記憶力」「暗記」って作業が「創造力」の源なのかも?と思った。
この年末年始は雪が積もった。
子供が遊べるほどに雪が積もった。
我が家の子供たちは、私が子供の頃にしていたようには遊んでいなかったので、ちょっと教えた。
そこからは子供同士で瞬く間に改良していって、楽しげに遊んでいた。
それを見て、子供は遊びの天才だなあ、と実感した。
大人になっていくと「遊び方を提示されないと遊べない」人か「ルールを無視するタイプ」が増えていく。
どちらも「記憶力、創造力」などが関わっていると思う。
なかでも「記憶力」は重要。使わなければ衰えるし、使えば強化される。
誰かの、何かの言っている通りにだけ実行するのはある種の記憶力だから記憶力だけではダメだろうけど、記憶力が乏しいと話にならないのかも。
その意味ではかつての学習法方は全否定されるものではないし、ゆとり教育も修正が入って然るべきモノだった。
ただ、教育現場が追いつかない感じは否めない。
教員は上の言うことに振り回されて大変かもしれないけど、ここは1つ、記憶力と創造力を駆使して子供を導いて欲しい。
教員じゃない大人達もそうだし、子供同士もそう。他者として相手に影響を与える。
基本的な学力が身についていれば、仕事でも遊びでも創意工夫して楽しくしていける。
基本的な学力とそれを発揮する場所がないと、創意工夫できず「楽しくない」が生まれていく。
楽しめない人はもしかしたら、学力が落ちているのかもしれない。
詰め込んで暗記しても、それを生かす場(創意工夫する場)が用意できなかったのが教育の迷走の始まりかも。
かつてモノヅクリで評価を得ていた時代は、真似て(記憶と実践)、創り出す現場があった。
今はどうなのだろう?現場の方が停滞してる?
記憶も重要視されなくなってきたし。
でもまあ、Googleやインターネットのおかげで「ネタ」を覚えるだけの記憶力は不要になった。
しかし、古典などで偉人の頭の中をインストールする作業も行われなくなったのは、記憶力も停滞しているのを指している気がする。
教えすぎ
詰め込みだけ
覚えるだけ
が、学力の発展を難しくする時代。
記憶力と創造力を上手く使って、仕事と遊びの天才が増えていけるように、指導者、教育者達、大人はがんばろう。もちろん私も大人として。
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