テレビが面白くないのではない、別の理由があったんだ

子供の頃、観たいテレビ番組は民放のモノが多かった。アニメ、戦隊モノ、歌番組、ドラマ、バラエティ。。。

けれど、両親や祖父母はNHKを選ぶコトが多く、特に希望を言わなければNHKの番組が選択された。

なんで?

ニュース番組観るなら、民放のアニメとか歌番組とかドラマの方がいいよ、そう思っていた。

我が家の大人が、消去法的にNHKを観ているのか、好きでNHKを観ているのかは、当時子供の私にはわからなかった。

そして大人になった私は、頻繁にNHKを観る。

これは理由がハッキリしている。

民放のテレビ番組がつまらないから。面白くないから。

NHKも面白くないモノは多い。けれど、興味が湧く内容はNHKの方が多い。

そしてNHKの番組は、いいものは凄くいい。(主観)

テレビを観ている時間は少ないのだけど、その時間のうちほとんどの割合でNHKを観ている。

民放が面白くなくなったのはなぜだろう?

テレビ番組の仕組みがわからなかった子供時代とは違って、ちょっとだけ事情を知るようになった私は「民放が面白くなくなった」わけではないコトに気付いた。

番組を放送するには、当たり前だけど映像コンテンツとして創らないといけない。

そのためには製作費が必要だ。

そのお金は放送会社が捻出するのだろうけど、会社は企業から広告料?スポンサー料?を得る。(これが全てではない)

企業側は企業側で「観て欲しい何か」がある。

それが商品かもしれないし、サービスかもしれないし、企業そのものかもしれないし、イベントかもしれない。

その「観て欲しい何か」を「見せたい誰か」がいる。

その誰かは性別、年齢、社会的属性、などなど。細かく想定される。

その「誰か」が興味を持つようなテレビ番組を創って、放送しているその合間合間にコマーシャルとして「企業が観て欲しい何か」を「企業が観て欲しい誰か」に宣伝する。

観る側(私)がその「誰か」に当てはまらないと、「見たくもない広告の山」を観せられるし、興味の湧かない番組を観ることになる。

テレビがつまらなくなったのではなくて、私がターゲットから漏れ続けているのだ。

たしかに私の購買意欲は著しく落ちている。

何かが欲しい、という欲が湧き上がらない。

少なくとも、テレビ広告を観て「欲しい!」と思えない。

「欲しい」と思わせたい人物とずれている私は、テレビ側が「届けたい相手」じゃないのだ。

思いの丈が詰まった手紙が間違って私に届いているようなモノだ。

それでも、番組に出演している人の魅力によってテレビを観て、ターゲットじゃないけど広告を見ることで「記憶にすり込まれる」現象は起きるかもしれない。

そのすり込まれた記憶を店で思い出したら、購買につながる。

その可能性は十分にある。

しかし、この不景気?でスポンサー側もお金が出せないのだろうか?製作費が少ないのだろうか?魅力的な人(人件費のかかる人)を採用するのが難しいみたいだ。

だから私には、「たまたま」テレビ番組を観て、「たまたま」広告を目にすることも少ない。

つまらないように創っているのではない、ターゲットに合っている人が興味を持つように創っているだけなのだ。

その意味で、NHKのコンテンツの作り方は興味深い。

NHKは広告料じゃなくて受信料収入だ。

受信料を払った人が納得いくコンテンツ、このまま払い続けてもいい、と思えるコンテンツを創る。

民放のコンテンツ製作者は企業側を向いていて、NHKの製作者は受信料支払者を向いている(細かく言えば、受信料契約について取り決めた放送法を管理している存在かな)。

受信料払っている人って年輩者が多いのではないかな?そうすると番組作りもそのグループに届けるものになる。

子供の頃は楽しめなくて、42歳の今になって興味をひかれるのはそのためなのかな、と思う。

広告の仕組みはインターネットの登場とAIの力でだいぶ変わってきている。

「自分に役立つ情報が広告される」と感じやすいのはネットの方かも。

AIのおかげで広告表示の最適化が進んでいるから。

でもまあ、広告は「自分に関係ない」と思われるとゴミだ。

AIで最適化されたとしても、見る側が少しでもゴミと感じたら広告主によろしくない印象を持たれてしまう。

消費者、ユーザー側が何かのコンテンツを観ていて、広告を見なくて済むようにするには課金しなくてはいけなくなる。

NHKの受信料はそれ。Youtubeもそれ。

私がヘビーに活用している、DAZNもAmazon Primeも課金制。だからそのコンテンツ外の広告は出ない(コンテンツ内の紹介はされる)。

それもあってのヘビーユーザーだ。

テレビ広告は、なんだかんだで観られるし記憶に残るようだ。

娘達は、観ていたテレビ番組のCMに出ていた人を「あの◎◎のCMの□□、かわいいよね(イケメンだよね)。」と、きっちり覚えているのだ。

広告主からしたら大成功。ただ、娘達に購買能力があるか?といえば微妙ではある。

だから家族で楽しめる時間帯にそのコンテンツがくまれ、家族の話題に上がりやすいな戦略が練られる。お金を出せる人も巻き込む作戦。

ものによっては値段のほとんどを広告料が締めると聞いたことがある。

広告の成否は売れ行きに関係する。

その広告が嫌で、しかも購買意欲が低いのだから、売る側のターゲットに入らないのは頷ける。

テレビが面白くないのではない、別の理由があったんだ。

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