マガジンのカバー画像

「治療をギフトに」難病とはりきゅう

38
「全ての人を元気にしたい」 ▶︎キタムラさん(仮名)は国の難病難病No.2「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」を発症しました。 この病気は、全身が動かなくなっていくものです。 手足の… もっと読む
運営しているクリエイター

#筋萎縮性側索硬化症

難病とはりきゅう

難病との出会い自分の挑戦について、残していきたいと思う。 治療家になって10年以上が経つが、毎年「その年を象徴する症例」があるように思う。 去年であればヨダレが止まらないつわりになり、昼夜眠れず、出かけることも出来ない状態で妊娠を諦めかけた妊婦さんが無事に出産できた物だった。 今思い出してもあれはかなり繊細な施術だったと思う。正直、危ないものだったしお腹の赤ちゃんもいた。それにお医者さんは「耐えてね」って感じだったそうなので、特に助けが無かった。 全てのアンテナとセン

〜難病とはりきゅう〜その2「指定難病2:筋萎縮性側索硬化症」とは

2020.3/4に出会ってから、この病気の事ばかり考えている。 筋萎縮性側索硬化症という病気は、改めて非常に恐ろしい病気だ。 この病気は体の電気の回路と言える「神経」が徐々に進行的に働かなくなる病気と言える。 ちょっとむずかしいのだけれど、神経の話をしておこうと思う。 ここがわかっていないと、あまりイメージができないと思ったから書き残しておきます。 神経の働きは少し複雑なのだけれど(私は学生時代から学習するのがとっても苦手だった。) この病気を理解する上で、大きく

〜難病とはりきゅう〜 その3「手紙」

手紙が届いた。患者さんからのお手紙だ。 ところで私は「患者さん」と呼ぶのが嫌いなので 「キタムラさん」と書かせてもらう。もちろん仮名だ。 1度目の治療の話を、振り返りながら書いてみるけれど 筋萎縮性側索硬化症には病気の進行具合で3つのパターンがある 麻痺が足から起こる「下肢型」、手から始まる「上肢型」 話したり、飲み込んだりができなくなる「球麻痺型」 私が診ているキタムラさんは「下肢型」 足から症状が出てくる つまづきやすくなったり、フラフラした歩き方から疑

〜難病とはりきゅう〜その4「書くチカラ」

いま、向かっている最中なのだけれど 電車に一時間ほど揺られて往診に向かう。往診に向かう時って不思議で、これだけの人の中にいれば、もはや自分は誰でもない気がするけれど 思いを持って、明確に道を行く自分を少し誇らしくなったりする。 今日は体調はどうだろうか この天気を気持ちいいと思うのかな 昨日はゆっくり休めたのかな、夢は見たかな そんな事をつい考えてしまう。 まだ乗り換えが慣れないから、スマホを確認しながら電車のアナウンスを聞いて 電車の自動ドア上にある案内とス

〜難病とはりきゅう〜その5「3/11第2診 青空」

今日は気持ちの良い晴れ ※この記事は前回↓を読んでからご覧ください。 電車を降りて、改札を出るととっても印象的な青空とおでんの具材みたいに色んな形の雲が浮いていた。 その中でも、青空を包み込むように囲む雲と、それに負けないように青々と主張している綺麗な青空が有って思わず写真を撮った。 駅前には、キタムラさん(仮名)の旦那さんが車で迎えにきてくれる。 人が乗り降りしやすいドアで、自動でひらく。 シートに座るのも少しゆっくり座ってコートを置いた。 「今日は暑いくらい

〜難病とはりきゅう〜その6「3/11第2診 足の冷えと滑舌」

治療家としてのようすけ先生 今日は昨日の続きで、具体的にこんな治療をしてきたよ。 という点について書きたいと思います。 この↓の記事です。この写真見るだけで涙出そうになる。 昨日は初めて臨床中、患者さんの前で涙を流した。 今日は、↑の記事の続きで 実際の治療について残していこうと思う 具体的な治療について述べるのは初めてなので、少しそこに時間を割きながら。 私がやっている「はりきゅう」はきっと世の中のイメージとは少し変わっていると思う。 もう1人の鍼灸師さん

〜難病とはりきゅう〜その7「治療をギフトに」

医療についてのジレンマ 何だか、書きたい気持ちが溢れて止まらないのは 今治療している全ての方に元気になってもらいたいな〜と思う気持ちと その方法について考えているからだと思う。 難病を治療しているキタムラさんをきっかけにとても強く考えるようになった。 「治療」のギフト化について。 そして、今日はこの話を遠回りしながらストレートに伝えようと思う。 私は「人を元気にする」という人生の目的があります これは全世界を指しているので、途方も無いので 当面の目標として「

〜難病とはりきゅう〜その8「感謝。」

今日までに。 3/4に1診目、3/11に2診目。 この「治療をギフトに」プロジェクトを始めて 数週間があっという間に経った。 書いたnoteがたくさんの方の目に触れるように 自分に出来る事をたくさんしてきた。 声をかけてくれる人、シェアをしてくれる人、支援をしてくれる人。 本当に温かかった〜。一生忘れません。 こういう時に、優しさって見えるんだなって分かった。 いろんな方が気にかけていてくれるのかな〜。なんて思う。 本気で声を上げた時、自分の周りにどれだけ

〜難病とはりきゅう〜その9「3/20第3診 眠りの深さ」

駅に到着した 今日は3回目の診察、非常に天気が良くて気持ちがいい。 いつも通り、駅前に旦那さんが迎えに来てくれたのだけれど 車内にもお日様を感じて、とっても気持ちがよかった。 今日は、休日という事もあってご家族が揃っていたようで 紹介してくださった娘さんのお兄さん達やそのお子さんがいらっしゃって賑やかだった。 キタムラさんのおうちは、とっても日差しが入って気持ちがいい。 おうちの奥の方から何だか気持ちのいい風が流れてくる。 今日のキタムラさんは、横になっていた

〜難病とはりきゅう〜その10「3/25 第4診 カラダを読む」

ご挨拶 今日も良い天気の中、改札を出た。 キタムラさんの旦那さんは、今日も約束の時間に迎えに来てくれた。 いつも紳士的で、自動でドアを開けてくれる。障がい者シールが車に貼られている。 「こんにちは〜、お邪魔します〜」と だんだんと慣れた玄関の風景に声をかけると、 中から少し力のない声で 「こんにちは、ようこそ〜。よろしくお願いします〜」 と帰ってきた キタムラさんは今日は 右手が動きづらかったようだ 朝、お魚を食べた時に少し違和感が有って 両手でお箸を

〜難病とはりきゅう〜その11「4/1 第5診 病との攻防」

全世界を覆う新型コロナウイルスの影響 新型コロナウイルスの影響はここにも当然、及んでいて ご家族や、キタムラさんを治療するもう一人の鍼灸治療家の先生(実はとてもご縁の有る方でした)も悩みに悩まれていると思います。    本当に両天秤で ・感染のリスク(接触頻度を多くしない方がいい可能性) ・進行し続ける症状(急がなければならない) という事を考えました。 娘さんとやりとりをし、 ・本人への影響 ・ご家族への影響 ・私自身への影響 を加味し公共交通機関を

〜難病とはりきゅう〜その12「4/8 第6診 緊急事態宣言」

前日の緊急事態宣言を受け、キタムラさんの旦那さんから連絡があった。実際には電話を取れず、留守番電話だった。 「先生、この状況ですから明日は結構ですよ。ご無理はせずに。こちらよりも先生も大事にしていただきたいですし」 ととても気遣ってくれていた内容だった。    すぐに折り返し電話をした 「こんばんは、明日ですけれど私の方は構いません。もしそちらでご迷惑だったり、感染が怖いなどありましたら控えます。私としては対策を十分に考えた上で向かいたいと思っています。新型コロナウ

〜難病とはりきゅう〜その13「4/16 第7診 引っ越し」

緊急事態宣言が全国に広がった4/16 今日も車で往診に向かった。 ついた時、キタムラさんは部屋にはおらず 少しお部屋で待たせてもらった。 シューーーっと加湿器が鳴っている部屋 いつもより遅い時間で少し暗いし、キタムラさんもいなかったし 引っ越しのせいで、棚などもスッキリしたためか いつもと違う所にきたような気がした。 息子さんがノートを持ってきてくれた。 キタムラさんが来るまでの間にどうぞ。と。 近頃、お願いをして毎日ノートをつけてもらっている。 当日の

〜難病とはりきゅう〜その15「4/29 第9診 古傷の治療」

今日も何だか良い天気。 最近は、午前中にLIVE配信で講義をした上で よければ覗いて見てください。 健康のリテラシーを上げて、自分自身の健康を守ろうという講義です 東洋医学でカラダの取説を作る「元気lab カラダの取説作り」 https://www.facebook.com/groups/karadatorisetu.genkilab/ ここでの講義を終えて、いくつかの作業をし 準備をしたら車で出発する流れです。バイク通勤ですし誰にも会わずに往診に行ける所が良い