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〜難病とはりきゅう〜その6「3/11第2診 足の冷えと滑舌」


治療家としてのようすけ先生


今日は昨日の続きで、具体的にこんな治療をしてきたよ。

という点について書きたいと思います。


この↓の記事です。この写真見るだけで涙出そうになる。

昨日は初めて臨床中、患者さんの前で涙を流した。


今日は、↑の記事の続きで

実際の治療について残していこうと思う

具体的な治療について述べるのは初めてなので、少しそこに時間を割きながら。


私がやっている「はりきゅう」はきっと世の中のイメージとは少し変わっていると思う。

もう1人の鍼灸師さんに、週に1度治療を受けているキタムラさんも不思議がっていた。


多分、その理由は2つあって

過去の怪我や病気、体調について徹底的に聞く
基本、刺さないし痛くない

からだと思う。


3/4、初めてお会いした日はキタムラさんの話を徹底的に聞いた。

  

難病「筋萎縮性側索硬化症」では症状の一つに構音障害、つまり喋りづらくなるという症状がある。

だから、焦らなくて良いようにペースをキタムラさんより落として会話をした。

大体、1時間位かけて話を聞いた。


そして、同席したご家族(旦那さんと娘さん)からも伺ったのでかなりのボリュームがある情報になった。



この「過去」の怪我や病気は、「今」を作っているし
「今」は過去の延長に成り立っている。必ず。


行なっていく治療では、むしろ「過去」を整理していく事にかなりの重きをおく。


治療では、現状よりも病の原因に対してアプローチをするのだが

過去の怪我や病気が、原因であることが多いからだ。

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例えば、ドラマを見ているとして

いきなり、最新話だけ見ても話が見えることはないと思う。


それなりに想像は着くけれど

主人公の性格、生活パターン、他の登場人物との関係性、展開などなど

わからないことは多くあるはず。

「え、何でこの人とこの人はこんなに仲が悪いの?」なんて思うこともあったりするはず。

(漫画だけれど、この間ジャンプを読んだら単行本との話の差で「何でこんな展開に!?」と思ってしまったのを思い出した)



知るためには、どうするか?

それは「過去」を知るしかない。ドラマで言えば話を最初から見ればいい。



ドラマで例えれば、当たり前のことなのだけれど

これを「病気」に当てはめて考えることは少ないと思う。


それをやっていくのが今回行う治療だ。


「目に見えるもの」だけではなく【それが何故起きているのか】

に意味を感じ、本質や原因にアプローチする


正直ここの対話は、かなり技量が必要。ただ話せば良い訳ではなかったりする。訓練もしておいてよかったなと今回思った。



長くなったけれど、これが特徴の一つ目。


二つ目は簡単で

上手な治療は痛くない

これはもう、このままだ。


キタムラさんに初めて治療をした回

「キタムラさん、痛くはないですか?」

「いえいえ、撫でられていて気持ちいいですよ」

「いや、今は鍼をしているんですよ」

「え!?鍼!?してるんですか!?」

なんてことが有った。


普段の治療でもよくあるが、痛みの出ないように訓練しているのでこれも一つの技術。

【最小刺激、最大効果】を考えた治療法であることも付け加えておきます



こんな特徴のある治療を施しているよ、というのはそろそろ終わりにして。


第1〜2診の回想


初回も書いた方がわかりやすいと思うので

これまでの体調と、その変化についてを少し混ぜながら書きます。

それと、今回の結果について記しますね。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


キタムラさんのベッドは足元が入口側、頭が奥になっていて

体の左側はよく陽の入る窓側にぴったり寄ってる


キタムラさんは仰向けに寝ているから、右側から話している形になる。


治療では【体の左側】から行うので、

毎回ベッドの上でキタムラさんをまたぐことになる。



「キタムラさん、またいでごめんなさいね」

「いいんですよ先生、みなさんそうしていますからね、気にせず。」



体の左側のベッドの端に座り、まず最初に脈を取る。

大体1分間に100回打つので少し体が熱いのかもしれない。

通常は60回/分を基準としてみるので、速いほうだ。



次に、全身で気になる問題点を細かく探っていく。


まず足元からみていくのだけれど

動けていないこともあるから、ふくらはぎや太ももはかなり細い

そしてとても冷たい。足の冷えがかなり強い。



初回では娘さんと旦那さん2人、今回は旦那さん。

せっかくなので、状態を一緒に把握したいと思ってお2人にも触って貰った


「ここは左右差が〇〇なので〜〇〇ですね〜」とか

「この関節は〇〇ですね〜」なんて感じで伝えた。

ふむふむとか、本当だ!なんて感動してくれていたけれど

実際に日頃、生活でサポートしていく上で本当に重要な事だからしっかり伝えていこうと思った。

体調のバロメータに合わせて、生活の強度も変える必要があるから。



足が冷たく、ふくらはぎはとても張っている

左のスネの骨近くに細いスジ状にかたーい張りがある。


足の裏を触ってみると、両方かなり強く痛み関節はブヨォっと浮腫んでいた。

これは右側が強かった。


よくみると体には必ず左右差があるものだ。

難病と呼ばれる状態でもそうなんだな、と感じた。


人は、疲れ始めると痛みが出てきて

それも続きすぎると反応が出なくなってくるので

(「反応を出す力」もなくなってくるため)


反応が出ているキタムラさんは、まだそこまでいっていないことがわかる



だけれど、そのままみてみると

ヒザ周り、股関節周り、肩周り、クビ周り、顔面も痛い所だらけだった。

関節をよくみるのだけれど、どこも浮腫んでいた。張りも強い。

やはり、左の方が強い。

特に顎まわりが強かった。


初回は頭のてっぺんは、ボワーと熱くなっていて

娘さんにも触って貰った

「あ!本当だ!とっても熱いですね!」と驚くほど熱かった。

実は、この熱さは初回の治療で無くなりスーッと引いたので娘さんが大変驚いていた。


今回は、旦那さんが治療前にすかさず触っていた

(前回の驚きを体験しようとしたのかな)

でも2回目には熱くは無かった。体調がキープできているようだ。


仰向けのまま話すと咳が出るようで

時折むせていた。



前回の治療後はだるさがあったので、少し刺激を変えた。

具体的には鍼の種類を変えた。テイ鍼という。



お腹を丁寧に鍼をして、手首に鍼をする。



その後に足元をみると、少し浮腫みが取れていて

さっきより骨が触りやすくなった。と旦那さんにも確認して貰った



その後に腹診をする(お腹をみる)


お腹は全体に皮膚が緩くなっていて、表面は柔らかく中の方に硬さがある


1診は胸骨の下と恥骨が両方強く痛んだ。全体的に痛みがある状態だった


今回も胸骨の下と恥骨が痛かったのだが、胸骨の痛みは前回ほどでは無かった。


「お腹張ってますね〜、もしかしてお昼ご飯いっぱい食べました?」

と聞いたら

「さっきうなぎを食べたんです。美味しかった〜。バレたか」だなんてキタムラさんは嬉しそうに笑っていた。



この治療では【お腹をとても大切に診る】


お腹は、痛いと悪い、硬いと悪い、拍動していると悪い。

これらを消すことがとても大切になってくる



腹診の後は、背中に治療にうつる。

キタムラさんは、うつ伏せにはなれないので右側を下にしてもらう。




テイ鍼を当てながら刺激をして

あちこち痛みのあった部位を触りながら変化をみていく。

首を触ると、古傷の痕がある。これはもう少し体力が出てきたら治療をしなければならないな。


「どうですか?」


「先生、とっても気持ちがいいです。眠くなる」


そんな会話をしながら7~8分ほど刺激をして再び仰向けになってもらう。


仰向けになると

胸骨の下の痛みが全く無かった。

恥骨の方は少しあった。


もう少し変化をさせたかったので

「中庭(ちゅうてい)」というツボに刺激をした。



ちょうど、窓から気持ちよく庭が見えているので

なんだかピッタリな気がした。



その頃には、むせてしまうことがなくなっていた。

足の裏や関節も痛みがなく、むくみは旦那さん曰く「さっきよりも骨が触りやすい。むしろ反対側(左)の方がむくんでいるように感じるくらい。」だった。



「中庭」の刺激が終わったので改めて脈をみた。

先ほどより力が出ていた。


何だか、いける気がする。



前回はダルくて寝っぱなしだったキタムラさんは

治療後に座って、旦那さんと並んだ。


「今回はだるくないな〜、それで足がとっても温かい。」

なんて話してくれたのだけれど


先ほどまでの滑舌の悪さが取れていました。

旦那さんも感じていて「本当にさっきとは違うよ」と伝えると

「そう?本当に助かるわ先生」とキタムラさんも笑顔だった



第2診をまとめると

・テイ鍼を用いた。
・初回よりも痛みが減っていた、頭の熱感は引いたままだった
・滑舌が良くなった
・刺激を少なくすることで、ダルさが起きにくくなった
・治療後座れるかどうかは、ダルさの評価で用いることができる
・首に古傷があったが、胸骨の中央にも新たに古傷を見つけた。
・古傷の処置はまだできる体力では無かった


治療が終わり、体調や変化を伺いながらお話をして

予約したり、握手をしてから家を出た。



帰りの車は空がとっても気になっていた。青空をよく焼き付けようとした

旦那さんの運転はとっても優しくて、駅まであっという間だった。



3/11 第2診を終えて。




ー支援についてー

閲覧ありがとうございます。
この活動は「治療をギフトに」というプロジェクトです。

安心して治癒に向けて専念していただくために
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そんなプロジェクトです。

本プロジェクトではALSという難病の治療を行なっています。
徐々に身体の動きができなくなるという難病で、いまだに治療法が確立されていません。
今回、その症状に対して「東洋医学」とくに鍼灸治療で治癒を狙っていきます。

積聚(シャクジュ)治療という治療法を行なっていますが、東洋的な発想に基づいて体系化された治療で、「古傷」も含めて治療をします。過去、この治療法でALSと向き合った症例は無いのでは無いかと思います。前例が無い挑戦です。
原因不明、治療不可となっている現代医学とは違ったアプローチで、何かしらの糸口を見つけるためにも「継続的な施術」が必要になります。ご本人やご家族にしか分からない負担も多いものです。

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