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自分自身とのエンゲージリングを作ったら、自分を大切にするようになった話

私は3歳からの友人であるMちゃんは小さな息子がいて、今は2人目を妊娠中だ。2人目が生まれてしまえば2人の子育てに毎日忙しく、会える時間も少なくなるので、平日の昼にしかできないようなことをしよう!とオリジナルのリングが作れるワークショップに誘った。

このワークショップは、細く平らな金属プレートを曲げたり、叩いたりして自分だけのオリジナルリングが作れると言うもので、基本的に若いカップルたちがデートの一環としてペアリングを作りに訪れる場所だ。

私たちは微かに残るカップルの残り香を感じながら、平日の閑散としたアトリエで随分も若い講師に習いながら指輪を作り始めた。

サイズもぴったりの、自分による自分だけの指輪だ。
決してカルティエでもティファニーでもないけれど、なんだかとても特別な感じのする。

もちろん、側からみれば何の変哲のないシルバーリングだけれど。


そこでセックス・アンド・ザシティの好きなエピソードを思い出した。

シーズン6、第9話 「女の特権、シューズマジック」
友人の出産祝いパーティに出席したキャリーは、買ったばかりのマノロの靴を盗まれてしまう。だが、すっかり普通の主婦と化したその友人は、靴代を弁償するどころかシングルライフを満喫しながら靴に大金を投じるキャリーの金銭感覚を非難し…という内容。そして、キャリーはマノロの靴を弁償してもらうべく手紙を送る。

"I wanted to let you know that I'm getting married to myself!  I'm registered at Manolo Blahnik."
私、今度結婚するの。相手は私!お祝いはマノロブラニクのシューズで。

この手紙の言葉が大好き。


結婚式において、よく外国人牧師がカタコトで問うこの言葉

病める時も 健やかなる時も
富める時も 貧しき時も
妻、夫として愛し 敬い 慈しむ事を誓いますか?

私は思った、まずは相手や人に誓う前に自分自身に誓うことから始めないといけないのでは?

病める時も 健やかなる時も
富める時も 貧しき時も
自分自身を愛し 敬い 慈しむ事を誓おう
、と。

そんな思いを込めて、この自分だけのリングを右手の薬指にはめた。
自分自身と結婚することはこの先ないけれど、自分をもっと大切にしようという意味を込めた自分とのエンゲージリングだ。
まずは自身に誓うことで相手を愛し、敬い、慈しむことができると思うから。

Mちゃんの指輪は、私とは少し違う槌目模様のリングになった。
同じ金属のプレートからスタートしても人によって様々なリングへと形を変える。

彼女とは家も近くて3歳から同じように育ったはずなのに、今は全く違う人生を歩んでいる。なんだかリングづくりも人生みたいだな、と心の中で思ったのであった。

ちょうどMちゃんの誕生日が近かったので、このリングを誕生日プレゼントにすることにした。また新しいいのちが無事に生まれてくることも祈って。




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