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おすすめの詩

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noteで見かけたおすすめの詩を取り上げて、勝手に感想を書かせて頂いてます。
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2022年8月の記事一覧

おすすめnote詩「無題」

今回はこちらの詩の感想を勝手に書かせて頂きました。ありがとうございます。

場合によってはネタバレのようになってしまうので、まずは詩作品を読んで頂いてからこちらの記事も読んで頂ければ幸いです。

さあ感想。
詩って色んな楽しみ方があって楽しいものだ、と思える詩でした。

①詩の面白味
②擬音語

①詩の面白味
まず正直に言いますと、最初、自分は詩の中に「口」が何個あるのかを一生懸命数えていました。

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おすすめnote詩「祖層」

今回はこちらの詩の感想を勝手に書かせて頂きました。ありがとうございます。

どことなく詩に不穏な空気感がありました。配置されている言葉のイメージから、もしかするとお葬式に関するものなのかと推測しましたが、そこは分かりません。

①句読点
②詩的な表現
③詩と文法と現実

①句読点
おそらく今回は散文詩というものでしょう。そのなかで特徴的なのは、ここに句読点が置かれるだろうな、という所に全然それらが

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おすすめnote詩「余剰」

散文詩、と言われる形式だと思います。「世界」と「私」との関係が書かれている詩だと思い読みました。

全体の構成。まず「世界と今の私」が書かれています。そこから「世界と言葉」「世界と実在」「世界と時間」「世界と未来の私」というように書かれているのだと思います。

「世界」との関係性が書かれているのと同時に「言葉は彫り出し組み立てねばならない」にあるように「詩人としての在り方」も書かれているように思い

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おすすめnote詩「好きなバンド」

今回はこちらの詩の感想を勝手に書かせて頂きました。ありがとうございます。

今回の詩は著名な詩人である谷郁雄さんの詩です。私などが感想なぞ畏れ多いのですが、記事にある「大歓迎」を真に受け書いていきます←

さて、今回は以下の3点について書いていきたいと思います。

①全体の構成
②平易な言葉と自由さ
③好きなバンド

①全体の構成
5連構成でしょうか。導入があり、具体例、結果、疑問、答え、というよ

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おすすめnote詩「かわいい奴ら」

今回の詩はこちらになります。今回の詩から私が書いていきたいことは以下の3点です。

①全体の構成
②最後の一行の工夫
③「魚」という言葉

以下、詳細です。

①全体の構成
いわゆる自由詩という範疇になるのでしょうか。「特売日のチラシに魚がギラリと写っている」から話が展開されていきます。「魚を食べることができない時期があった」という導入部があり、その後、理由、反論、一般論、事実、結末と言うように話

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おすすめnote詩「夕明かり」

人生訓の詩だと思い読みました。全体は二連構成で短い詩。

まず思ったのは、どうして「夕陽」なのだろう、です。若者にある夢とか希望、そういうものなら多分、朝日を使うと思う。とすると、おそらく、それなりの年齢を重ねた人だという推測になります。だからこそ、自分に刺さりました。

「大河のような高速道路」は、日常や日々を表しているのだと読みました。巨大なうねりと鈍重な動き、抗い難い何かが日々流れていく。何

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おすすめnote詩「未知の方角へ」

詩に取組む姿勢、詩に対する考え方、と同時に「きみ」に対する賛美が語られているのだと思いました。

全体は五連構成だと思われます。一連目から五連目まで理路整然とそれぞれの連が意味を持って配置されています。言い換えると、導入があり具体例がいくつか並べられ、小まとめ。最終連で、一連目をひっくり返えします。それゆえに最終連が強調され、ここがこの詩の核かな、と思いました。

一連目が導入であり、またある意味

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おすすめnote詩「東京36.0」

まずは形式的な点からこの詩の感想を書いていきたい。自分は専門家ではないので、まずはネットで拾い読み。

定型詩「音数に一定の形式やリズムをもつ詩」
自由詩「音数に一定の形式がない詩」
散文詩「散文形式で書かれた詩」

ということなので、この詩は「散文詩」ということになるのではないかと思います。

一連目。ここは導入にあたる部分であり、この詩の背景が書かれている。おそらく時期は「夏」で、また主人公は

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おすすめnote詩「よるは、いっしょに」

不安感、或いは消えない記憶、消せない記憶、消したくない記憶、そういうものが夜になると現れる。「いつの日か乗りこなそう」そういう決意が語られている詩、そう読みました。

一連目。ここに全てが集約されているように感じました。「夜の淵が/手を取り合って/襲ってくる」襲ってくるのですから怖いもの、嫌なものだということを感じます。「夜の淵」が「手を取り合って」とはどういうことなのでしょう。と言うか「夜の淵」

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おすすめnote詩「青の呼吸」

全体は三連構成になっているのではないでしょうか。朝方、思いかけず目が覚めて、そのまま海を見に行った時の出来事を詩にしているのかなと思いました。

一連目。「起きかけの目覚まし時計」の文章に惹かれました。面白いです。もし目覚まし時計と言うものが、音を鳴らしている時が目を覚ましている状態なのであれば、それ以外の時はほぼ寝ている、という事であり、言い換えると「起きかけ」になるのかもしれません。

二連目

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おすすめnote詩「青っぽいもの」

自分は音楽には詳しくない。だから「ブルージー」や「フェンダーベース」「サクソフォン」などの単語は分からなかった。分からないけど、この詩を何度も何度も読んでいるうちにジャズが聴きたくなって、今、「セロニアス・モンク」を聴きながら感想を書いている。

ではジャズに詳しいのかと言うとそうでもない。鬱屈した毎日を過ごしていたころ、夜な夜なジャズバーに通ったていた程度で特にジャズに詳しくもならなかった。

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おすすめnote詩「借景」

まずはじめにタイトルの言葉。自分はこの言葉は初めて知りました。wikiによりますと「日本庭園や中国庭園における造園技法のひとつ」「庭園の構成に背景景観を取り入れる」ということが書かれていました。なんと言うカッコいい言葉。自分はこの言葉の意味を読んだ時に「同化」「カモフラージュ」「存在の希薄」「私が世界の一部」「世界が私の一部」というイメージが瞬時に現れました。おそらくこの言葉は、この詩を読むうえで

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おすすめnote詩「竹林」

三連構成のようです。全体として「真っ直ぐなもの」に対する憧れ、疑い、後ろめたさ、を感じました。それは「真っ直ぐなもの」のイメージが全体に散りばめられているのと「真っ直ぐではいられない自分」もまた随所に書かれているからだと思います。

一連目。自分はピアノなど全くの音楽音痴だからなのかもしれませんが、「たぶん鍵盤の「ソ」/の、雨音に」の部分で、雨音って「ソ」なんだあ、と思わされました。こういう感覚を

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おすすめnote詩「さけび」

五連構成だと思い読みました。まず、全体を通してリズムがある詩だなと感じました。言葉のくり返し、韻を踏む言葉選び、拍数、またイメージのくり返しもありました。

一連目。「フェンス」と「イノセンス」は韻を踏んでるのだと思いました。「黄色のイノセンス」を読んだとき、凄くしっくりきたのはなぜでしょう。おそらく、「笑い声をのせるキンダーガーデン」で幼稚園の子どもの姿、あの黄色の帽子を被った子ども達を想像した

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