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「ジョゼと虎と魚たち」(監督:犬童一心)を鑑賞。

池脇千鶴が良い。「三井のリハウス」の女の子がこんな良い女優になるとは。心に残る映画でした。エンディングも良い。教養として観るべき日本映画のひとつ。

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下肢麻痺の山村クミ子はジョゼと名乗り、生活保護を受ける祖母と二人暮らし。祖母はジョゼを人前に出すのを嫌がり、夜しか外出させない。ある夜、祖母が離れたすきに何者かがジョゼの車椅子を坂道に突き飛ばす。車椅子を止めたのは大学生の恒夫だった。それをきっかけに恒夫はジョゼの家に顔を出すようになる。ジョゼは恒夫を「管理人」と呼び、高飛車な態度で身の回りの世話をさせる。恒夫は就職活動のためジョゼの家から足が遠のく。市役所に就職が決まり、久しぶりにジョゼを訪ねると、家は他人が住んでおり、ジョゼは祖母を亡くして引っ越したという。

引っ越したアパートを探し当てるとやつれたジョゼが杖をついて出てくる。ジョゼは引っ越しのため家財道具を売り払い、二階に住む「お乳房(ちち)さわらしてくれたら何でも用したる」という中年男性に悩まされていた。心配した恒夫が「痩せて、しなびとる」と口にすると、ジョゼは激昂し出ていけと叫ぶが、恒夫が帰ろうとすると引き留め、すがりつく。その夜、二人は結ばれる。

翌日、恒夫は車を借りて、車椅子を積み込み、ジョゼとドライブする。ジョゼは動物園に行きたいとせがみ、車椅子で虎の檻の前に行く。虎の咆哮に怯えるジョゼは恒夫にすがりつき「一ばん怖いものを見たかったんや。好きな男の人が出来たときに」という。

ジョゼと恒夫は「新婚旅行」という名目で九州の海底水族館に行く。ジョゼはホテルの対応に悪態をつきながら、水族館の海底トンネルを堪能する。夜中に目を覚ましたジョゼは、自分も恒夫も魚になった、死んだんやな、と思う。それから恒夫はジョゼと籍も入れず親にも知らせない結婚生活を続けている。ジョゼはゆっくり料理を作り、洗濯をして、一年に一遍二人旅に出る。ジョゼは「アタイたちは死んだモンになってる」と思う。ジョゼにとって完全な幸福は死と同義だった・・・。

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完璧な人物は誰ひとりとしていなくて、欠点を抱えた人物ばかりなのになぜか愛おしく感じてしまいます。
ジョゼの人に対する不信感、弱さ、男性への狡猾さや共依存。
たぶん、自分の周りにいたらムカつくこともあるけど縁を切らずに友達続けるんだろうなぁ。
ラストは個人的にはこれで良かったのではと思う。
思い出としては美しいけれど、一緒にいたら共倒れしていただろうなと感じました。

減点ポイントとしては、身障者に対するお婆ちゃんの差別が見ていて苦しかったのと、上野樹里さんの衣装がダサかったところ(笑)
上野樹里さんは、今の方が遥かに綺麗です。

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くるりの音楽もこの映画の良さを際立たせていて素敵でした。

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調べてみたら、「韓国版」や「アニメ版」もあるのですね。ビックリ。人気のある作品やなあ。田辺聖子さんも喜んではるわ。

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