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松田聖子「冬の妖精」は、レスリー・ゴーア「ルック・オブ・ラブ」の引用なのか?

先日、「レスリー・ゴーアの歌声が聴きたいなあ」と思い、アマゾンでレスリーのベスト盤をチェックして、コメント欄を読んでいくと、こんなコメントが有りました。

「なんだ、この変態的な曲たちは。いきなり転調するし、マイナーコードからメジャーコードへコロコロ変わるし。昔はこんな曲があったのか、と驚いた」

若い人なんでしょうねえ。最近のJ-POPとやらは、本当に「のんべんだらり」とした「変化のない単調なつまらない曲」ばかりだなぁ、と昔の曲しか聴かない私なぞは嘆息してしまうのであります。

で、そんな「のんべんだらりとした曲」ばかり聴いている十代や二十代の若い人たちが、レスリー・ゴーアの曲を聴くとあまりに変化に富んでいるので驚くわけです。

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レスリー・ゴーアというと、スペクター組の作曲家であります「エリー・グリニッジ」が作曲した2曲「LOOK of LOVE」「Maybe I Know」が白眉だと思うのですが。いかがでしょうか。

このうち、大滝詠一氏が「LOOK of LOVE」を引用してつくった名曲が松田聖子の「冬の妖精」であります。

「Producer: Quincy Jones」ということで、あの「愛のコリーダ」で有名な大島…ではなく、クインシー・ジョーンズがプロデュースした作品であります。一節によればレスリーとクインシーは親戚だということですが、白人と黒人で親戚どうしということは・・・う〜ん、アメリカという国は複雑ですなぁ。

わーたーしーは粉雪、わーたーしーは冬の妖精」というブレイク部分は、「スキータ・デイビス」(SKEETER DAVIS)のヒット曲を下敷きにしているようです。

0:50」あたりからが、「わーたーしーは粉雪、わーたーしーは冬の妖精」と聴こえなくもありません。この曲「I CAN’T STAY MAD AT YOU」の作者は、「キャロル・キング&ゲリー・ゴフィン」という、フィル・スペクターに関わりの深い作家コンビです。大滝さんの好きなソングライターチームです。

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調べれば調べるほど、奥の細道へ迷い込んでしまう大滝詠一のナイアガラワールド。マニアは今夜も寝ないで元ネタを探すのでありました。

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おまけに、レスリー・ゴーアのもうひとつの名曲「Maybe I Know」を。エリー・グリニッジの作品らしいロマンチックなポップスです。切ない乙女心を歌っています。


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