心療内科に行ったら、主治医が病欠していた話。
かかりつけ医の心療内科へ睡眠導入剤をもらいに行ったら、「今日は、先生、体調不良でお休みです」。「流行りの伝染病ですか?」「いえ、不整脈だそうで。これはもうアカン、俺は死ぬーと思って救急車を呼んだそうです」。
この先生、心療内科医の割にメンタルが弱く、ある日、私が処方箋薬局で待ってると、自分で自分の処方箋を書いて入ってきて、「すみませんけど、この薬、すぐにください」。薬剤師の女性が「はーい。セルシンですねぇ」
セルシンというのは、かなりよく処方されるマイナートランキライザー(精神安定剤)。
アメリカではじめて売り出されたとき、新聞全段カラー広告を打ったことで有名です。そのときのキャッチフレーズが、
「この世から、不安が消える!」。
日本だと、薬機法に引っかかるんじゃないかと思えるほど、ドストレートなコピーである。
ちなみに、史上初のSSRI(うつ病の画期的な薬の一種)であるプロザックが発売されたときのキャッチフレーズが、
「この世から、<うつ>がなくなる!」
アメリカらしいコピーである。
なぜ、アメリカでは一般新聞に、処方箋薬の広告を打つのかというと、患者が病院にいったとき、ほしい薬を自由に選べる、という風土があるから。日本では、お薬というと、ある種「ブラックボックス」で、すべて、お医者様まかせというところがあるが、アメリカでは「自分で選ぶ権利」を主張できる。お国柄の違いですね。
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で、待合室で待ってると、70歳ぐらいのおじいさんがやってきて、看護婦さんから先生が不整脈で休んでいることを聞くと、嬉々として、「不整脈かいな!わし、二回、手術したでえ。で、先生は何秋目や?」「はじめてだそうで」「そりゃ、不安になるわ。先生とこへ電話しょ。わしが非整脈についてアドバイスしたるから」
もう、どちらが医者で、どちらが患者か、わからなくなってました。