がっかり映画 その2 宇宙戦争
宇宙戦争
がっかり度 ★★★★★★☆☆☆☆
つるつる度 ★★★★☆☆☆☆☆☆
目的
ロードショーのたびに、あふれんばかりの映画論評が巷では繰り広げられています。
そんな中で、クリエイター達の想いむなしく、酷評に近いレビューを受ける映画はたくさんあります。
人々は、そのような映画を観て、日々、がっかりしています。
がっかり映画は、普通に見ると、ただ、がっかりするだけです。
しかし、どこでがっかりするのかという「がっかりポイント」をしっかり押さえておけば、がっかり映画たちはすべからく楽しめる映画に変身します。
みなさんも是非、この「がっかりポイント」をつかみ取り、がっかり映画を楽しんでみてください。
今回のテーマ
今回の映画はトム・クルーズ主演「宇宙戦争」です。
前回ご紹介した「タイムマシン」よりもプロモーションに力がはいっていることもあり、期待度も高くご覧になった方も多いと思われます。
本作は巨匠スティーヴンスピルバーグ監督の大作で、映像のクオリティや演出レベルがとても高い映画です。
しかし、本作もがっかり映画に分類可能です。この映画を普通に見た際の私にとって、そのがっかり度は「6」となりました。
そう、今こそ「がっかりポイント」を用いる時です。
「がっかり映画」を魅力あふれるものに生まれ変わらせるために、今回もしっかりとポイントを押さえていきましょう。
☆がっかりポイント!☆
本作のがっかりポイントは以下となります。
解説
トム・クルーズが無敵
実はこの映画、開始から20分くらいまで、つまり、宇宙戦争が始まるまでは非常に面白い映画です。
開始20分までは、メインキャストの皆さんはもちろん、街ゆくエキストラの方々もイキイキとしています。
しかし、20分ごろをピークとして、なだらかに下り始め、メインである宇宙戦争が始まると、その輝きを失いはじめます。
主人公のトムクルーズは、家族を守るため奮闘しますが、飛行機が家に落ちても、高所から落下しても、海で溺れても、果ては宇宙人に捕まっても、無敵です。ジーンズが少々痛む程度です。
こんなにも無敵であるため、応援する気力を失います。これは一貫してがっかりします。
宇宙人の行動に統一感がない
また、人類の敵である宇宙人は、初めのころは宇宙船から放出される光線を使って攻撃してきます。
この光線は非常に殺傷能力が高く、また攻撃範囲も広いもので、あっというまに町全体を荒野にします。
観客は「こんなに強いと人類はどうやっても勝てないぞ」と心配になります。
しかし、そう観客が心配し始めたころから何故か攻撃方法が「一人一人刺す」という非効率な物に変わります。
何か意味があるのだろうと期待されますが、最後まで見るとさほど意味はなかったとわかり、がっかりします。
この映画では、宇宙人は姿を現しません。敵は大量の巨大なイカのような無機質な宇宙船です。
これによって見えない敵の恐怖感が演出され、観客はドキドキします。
しかし、このドキドキは20分までの事です。後半では堂々と宇宙船から降りてきます。
見た目もよくある宇宙人の容姿、といった感じでがっかりします。また、何故かヌルヌルで、知的な感じが微塵もなく落胆します。
宇宙戦争に勝つ
この戦争が400年前からの計画である事、圧倒的な攻撃力を保持している事、そして人間よりもはるかに知能が高い宇宙人である事も加えると、観客は、「人類は手も足もでないぞ」という絶望感を味わう事ができます。
しかし、結果的には相手側の初歩的ミスにより、3日で人類が勝利します。これにはがっかりしました。
さいごに
最後に忘れてならないのが、「つるつる度」です。
本作に登場する主要なコンポーネントとして、巨大イカ宇宙船、宇宙人、自動車、鏡などがありますが、たいてい、つるつるしています。(4ポイント)
「つるつる」しているがために、映画全体の緊迫感をそいでしまいがちなところもまた、「がっかりポイント」に加えてみてはいかがでしょうか。
今回ご紹介した宇宙戦争の巷での評価は、必ずしも高くありません。
しかし、豊富な「がっかりポイント」により、魅力たっぷりな映画であることは、間違いのない事実です。
ぜひ、あなただけのがっかりポイントを見つけて映画の新たなポテンシャルを引き出してみてください。
あなたの優雅な週末を「宇宙戦争」でがっかりさせないために・・・
(次回は「劇場版ストリートファイターII」が候補です)
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