がっかり映画 その1

タイムマシン 

がっかり度 7
★★★★★★★☆☆☆

目的

ロードショーのたびに、あふれんばかりの映画論評が巷では繰り広げられています。

そんな中で、クリエイター達の想いむなしく、酷評に近いレビューを受ける映画はたくさんあります。

人々は、そのような映画を観て、日々、がっかりしています。

がっかり映画は、普通に見ると、ただ、がっかりするだけです。

しかし、どこでがっかりするのかという「がっかりポイント」をしっかり押さえておけば、がっかり映画たちはすべからく楽しめる映画に変身します。

みなさんも是非、この「がっかりポイント」をつかみ取り、がっかり映画を楽しんでみてください。


今回のテーマ

今回のがっかり映画は、ガイ・ピアース主演「タイムマシン」です。

私は、この映画を普通に見たため、そのがっかり度は「7」となりました。

では、そのがっかりさはどこからでてくるのか、がっかりポイントを押さえてみましょう。


がっかりポイント! 

1.  前半と後半で話が変化(3ポイント)
2.  ラスボスが出現(そして倒す)(2ポイント)
3.  80万年後の世界が普通(2ポイント)


解説

前半と後半で話が変化。ラスボスが出現。


物語の前半では、無名の科学者アレクサンダーは、不慮の事故で失ってしまった恋人の命を取り戻すため、タイムマシンを作って事故のあった日まで戻り、恋人を必死に救出しようとしています。

しかし、何度も挑戦するも恋人の命を救えない主人公は、イライラし、タイムトラベル中に居眠りをしてしまいます。

そしてブレーキをかけそこねて80万年後にいってしまうのですが、その後、物語は信じられない方向にがらりと様変わりします。

アレクサンダーは何故か元の時代に戻らず、また急に強くなります。

80万年後の世界を支配している「ボス」を倒すため、素手で敵の砦を登ったり、巨大モンスターと戦ったりします。

そして、最終的に砦の中にいる「ボス」を見つけ出し「倒し」ます。

生贄として囚われていた娘と結ばれハッピーエンドになります。

...

この時点で、ふと、物語の方向性が失われている事に気づき、がっかりします。(計5ポイント)


80万年後の世界が普通


また、80万年後の世界に行ってしまうのもこの映画のキーポイントです。

そんな気の遠くなるような未来は一体どんな世界をしているのか。これは、かなり期待されます。

しかし、背丈から何まで完全に普通であるため、がっかりします。(2ポイント。3ポイントという説もありました。)


なぜ、ボスを倒すのか、なぜハッピーエンドなのか、彼は一体何をしているのか。

通常ならがっかりして終わってしまうところですが、逆手に取るとそれは「がっかりポイント」となり人々を魅了します。

個人的には、主人公が(ドクロのような形をした)敵の砦を登っているシーンを見たとき、ポイントを押さえつつあったため、笑顔で鑑賞することができました。

さいごに

今回ご紹介したタイムマシンの巷での評価は、必ずしも高くありません。

しかし、豊富な「がっかりポイント」により、魅力たっぷりな映画であることは、間違いのない事実です。

がっかり映画として名作中の名作であるタイムマシンをぜひ週末のお供にしていただきたいと思います。

まだご覧になっていない方はもちろん、すでにご覧になっている方も、是非、タイムマシンを手にとり、がっかりポイントを活用して楽しんでみてください!

あなただけのがっかりポイントが見つかるかもしれません!

(次回は「劇場版ストリートファイターII」が候補です)

「タイムマシン」(あらまし抜粋)

1899年のニューヨーク、科学者アレクサンダー(ガイ・ピアース)は、恋人エマ(シエナ・ギロリー)に結婚を申し込むが、その直後、強盗に襲われ、エマは命をおとしてしまう。ショックのあまりアレクサンダーは研究室に閉じこもり、エマとの過去を変えるため、タイムマシン製作に取りかかる。そしてようやく完成したタイムマシンに乗って、アレクサンダーはエマの救出を試みが、どうやっても歴史は変えられず失敗してしまう。何度失敗しても挫けずにタイムマシンに乗り込むが、ある時ちょっとした油断により、誤って80万年後の世界へタイムスリップしてしまう・・・。

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