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ホール内覧③_音出しの恐怖

ホール内覧の相談をするときに、「楽器を持参して音出しさせて頂けますか?」と伺います。私の場合はチェロを持って行きです。重くて大変です。

OKして頂けるのは5~6割程度でしょうか。
なので事前に必ず可否をお伺いします。

「試奏できますか?」と訊くと、えんえん弾いてしまうと思われてNGされます。
「音出しできますか?」と訊くと、寛大にOK頂ける場合があります。


そして大事なのが、ほんとに「音出し」に留めることです。
45秒以上弾いてしまうのは「練習」なので、内覧をエスコートして下さるスタッフさんのご迷惑となります。


低音の、f(フォルテ)とp(ピアノ)。
中低音の、fとp。
高音の、fとp。
fが空気をたっぷり振るわせて、pがスーッと伸びてゆくのを確認したら、おしまい。

チェロは音域が広い弦楽器なので、ホールテストに向いています。重たいからやっぱり向いてないかも。

音出しで意識するのは「残響の秒数」。
そして「え?コイツろくすっぽ弾けないくせにコンサートやんの?って思われてるぞという恐怖を克服する」ことです。


大丈夫です、被害妄想ですから。
つい不安になって何か曲を、と思ってしまう気持ちは痛いほどわかるのですが、そのせいで「音出し」に悪いイメージが付き、規則でNGと決めてしまうホールさんがまた一つ増えてしまうのは悲しいことです。

お互いハートを強く持って参りましょう。

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