見出し画像

美しいもの

平成最後の12月31日という今日、美しいものを見た。

年始にハーフマラソンを控えている私は、久しぶりに走った。
家の近くには緑道があり、走るのにはもってこいである。

1人黙々と走る男性、一緒にランニングをする親子。

ウォーキングをする夫婦。

小川を眺めるやんちゃな少年。

緑道にはいろんな人がいる。

そんな肌寒い空の下、温かく、そして美しいものを見た。

腕を組んで歩く老夫婦の姿だ。

お互いの身体を寄せ合い、支え合いながら歩く姿を見て私はほっこりした。
走って熱を帯びている身体がさらに熱くなった。

「ああ、なんて素敵な夫婦なんだ」

若いカップルが腕を組んだり、手を繋ぐ姿はよく見かけるが、
年配の方が腕を組む姿は中々見かけない。
だからこそ、より微笑ましく思えた。

おそらく何十年も一緒に過ごしてきて、良いことばかりではなかっただろうけれど、お互いがお互いのことを想い、支え合ってきたからこその姿なのだろうと感じた。「2人で生きている」様子だった。

腕を組まない夫婦=仲が悪い夫婦だとは決して思わない。
現に、私の両親は腕を組まないし、とても仲が良い訳でもないが、お互いが支え合って生きているような様子を一緒に過ごしていて感じる。

人生100年時代と言われる中で、
パートナーのあり方も多様化している世の中。

一生1人の人を愛し続けることができるのか。
私にはまだ分からない。

ただ、お互いの良い面も悪い面も受け入れて、補い合って生きていける人と
一緒になり、老夫婦になっても腕を組んで、相手を支え、支えられる関係でいたいなあと腕を組んで歩く老夫婦を見て妄想を膨らませた。

何気ない日常の中に、美しいものがあった。


おわり。


ゆうき





私の将来のささやかな夢は愛のあるほっこりエッセイ本を出すことです。サポートしていただいたお金はエッセイ本を作るための費用にあてさせていただきます。