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秘密や裏の顔

今日歩きながら大人になるってなんだろうと考えていて、もしかしたら秘密や裏の顔が増えていくことかもしれないと思った。

そう思ったのは信号待ちをしていた時に、幼稚園児くらいの男の子がお母さんに「つまんない、今日はお母さんといてもつまんないよ早く帰りたい」と言っていたのを聞いたからだ。甘えか疲れかわからないけど素直でかわいい。大人はそんなことは言わない。思っても隠す。

隠し事をするようになるのはいつからだろう。かなり小さな頃から隠しておきたい気持ちはあった気がする。でも子どもはうまく隠せない。隠し事がうまくなるのは経験を積んでからだ。

成長と共に、自分のどろどろした面や不都合なところは隠したくなる。

秘密が増える。いいことも悪いことも。

いい人に見えるひとほど、隠し事は多いのかもしれない。裏の顔があるのかもしれない。そう疑うようになるのも、やましいことが増える大人になってからだ。

秘密や裏側のない大人っているのだろうか。

もしかしたらみんなにはそんなのないのか。秘密があるのはわたしやわたしが知っている数人だけなのか。

他人のことはわからないから、本当のことはわからない。でもたぶん、秘密がある大人の方が多い気がする。

秘密を共有する楽しさを知るのも、大人になってから。秘密を知るのも、知られるのもすこしどきどきする。

「二人だけの秘密」は甘くて危うくてたのしい。

みんなやっぱり、秘密や隠し事をもちながら大人になっていく気がする。そう思うと少しだけせつない。秘密は楽しいけど、秘密のない世界も楽しそうだから。

あなたの秘密はなんですか?

聞いちゃったら、秘密じゃなくなるね。



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