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養生の指圧 ①

あん摩・マッサージ・指圧


手技といわれるもの

前回はあん摩マッサージ指圧師という資格があることについてお話しました。本来なら、この資格について説明するのが道筋なのでしょうが、私自身がこの資格の意義について語りたいわけではないので、そこはパスします。
公式な定義とか、取得方法とか学費とかは、近隣の専門学校のホームページを検索してみて下さい。

ちなみに私が卒業した専門学校は京都仏眼鍼灸理療専門学校。
おすすめします。

専門学校入学前はよくわかっていなかったこと

鍼灸師が、はり師、きゅう師という二つの資格であることも、へぇぇぇぇ・・・でしたが、あん摩マッサージ指圧師があん摩とマッサージと指圧という三つの手技の融合した資格であることも入学後にわかったことです。
歴史的な経緯というものがあるのですが、そこも深掘りすることなく進みます。

あん摩とマッサージと指圧は発展した経緯も技術も目的もそれぞれ別物です。そんな例えは誰もしませんが、心理療法において、精神分析と認知行動療法と箱庭療法がそれぞれに違うように、手技療法も経緯も方法論も目的とするものも違うし、でもお互い影響を受けあっているところもあるし・・という感じかな?と私は思っていました。 

授業も、あん摩とマッサージと指圧はそれぞれ違う先生から、違う科目として習います。実技科目ですから、生徒同士ペアになって習得していくのですが、とても楽しみな時間でした。

それぞれの手技に素晴らしい先生がいらっしゃいましたが、私は関西伝統指圧という指圧の手技を吉岡祐三郎先生から直接教えて頂けたことが一番の幸せだったと思っています。



関西伝統指圧協会

極私的指圧考

実は、私は専門学校入学前に指圧の存在は知っていました。

私自身の心身の不調から、色々なリラクゼーションや整体院をはしごしている時期がありまして、その頃に、遠藤喨及氏や増永静人師の著書で指圧というものがあって、それはなにかとてもすごいものらしいということは感じていました。

でも受ける機会はなかったので、学校案内に指圧の授業があると知り、それが入学を決める決定打になったのでした。

その頃、深く惹かれていたものに野口晴哉の整体があり、整体協会への入会も同時に考えていました。
でも、当時あまりルートとして公開されておらず、情報が少なくて、将来仕事として開業することを考えると、国家資格を取れる方がいいのだろうな…という判断であったと思います。

今でも、この判断は大正解だったと思います。
吉岡先生は、当時70代後半の最晩年。仙人のような、授業で語られることもインドの聖者のお話を聴いているような、現世を離れたような授業でした。

手技ももちろん素晴らしくて、毎回感動がありました。
こんな授業を毎週受けられるなんて…という幸せに浸る素晴らしい時間。

指圧というと、指圧界の大偉人、浪越徳治郎先生の浪越指圧が有名であり、今でも、浪越学園の卒業生が多数活躍されていて、指圧のメインストリームは浪越指圧なのだろうと思っています。

でも私はそういう意味でいうと、
とてもマイナーな入口から指圧を知り、それが今の指圧の在り方を考える糸口になったのだろうと思います。

指圧は昭和の高度成長期に、浪越先生のご活躍とテレビでの露出もあって、とても華やかな身近なものだったようです。家庭向きの指圧法というような本も多数出版されていました。

でも今は、百花繚乱の他の手技に紛れてしまって、指圧をうける場所自体がなかなか見つからなくなってしまいました。

指圧はどこにいってしまうのだろう。
私自身、ますます指圧愛は深くなるのに、関西には指圧院を標ぼうしている院もとても少なくて、なかなか検索しても見つかりません。

自身の院にお越しくださっている患者さんからも、指圧ってここ以外のどこで受けられるのですか?って再三聞かれるのに、お答えできない。

どうしてなんだろう・・・と指圧のことばかりが頭をぐるぐるしています。
次回もぐるぐるしたままの指圧についての極私的な想いを書き連ねます。

最後まで読んでくださって有難うございます。読んでくださる方がいらっしゃる方がいることが大変励みになります。また時々読みに来ていただけて、なにかのお役に立てることを見つけて頂けたら、これ以上の喜びはありません。