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これからの世界

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これからの世界を考えるには、これまでの世界を理解する必要がある。これまでの世界を理解するには、これからの世界を考える必要がある。
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2022年5月の記事一覧

僕らが大人になるために

僕らが大人になるために

 会社にご飯を食べさせてもらう、という構図が、現代日本の生き地獄の真の原因なのだと思う。

 もちろん、他者に食べさせてもらう時期は、誰にだってある。未熟なうちは、食べさせてもらわないと、生きていけない。
 同時に、ある一定のキャリアを超えたら、他者を食べさせる立場になるはずである。
 いまの会社の仕組みや雇用制度のもとでは、この転換が働かない。誰かが作った商品、誰かが作った戦略戦術、誰かが作った

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パト2

パト2

 最近、パト2のことが再び気になっていて、小説版を読み返し、レイアウト集を眺め、映画も観返したりと、そんなことをやっていた。

 欺瞞の平和。正義の戦争。真実は戦争にのみ宿る。しかし、そもそも戦争それ自体が、現実的であったためしはない。
 正義とは、テロリズム=異議申し立てであると、この映画は、言っている。

 ちょっと待て、おかしいじゃないか。それだけが唯一のメッセージである。言葉だけでは、人に

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誤解によって構成される認知の檻

誤解によって構成される認知の檻

 イノベーション、イノベーション、と、なにやらのひとつ覚えで唱え続けながら、その内実に見向きもしようとしない生き方に対して、それってどうなのかなぁと、つい、思ってしまう。
 彼らには、イノベーターに対する敬意もなければ、関心も、ない。むしろ、心の底では反感すらある。

 それはもしかしたら
「イノベイトしたい衝動を抑圧しているからこそ、ご飯が食べられているのだ」
「自分には、イノベイトの必須要件で

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イノベーターの孤独

イノベーターの孤独

 イノベーションを起こせ、イノベーターであれ、と、評論家が、口を揃えて言う。その無責任さには、怒りが無限に湧いてくる。
 株価がどうだ、売り上げがこうだ、利益がなんだと、自分の懐に入るわけでもない架空の数字をもてあそぶことが仕事だと、勘違いしている。新聞を読み、経済誌を読み、新書やビジネス書にも余念がなく、NewsPicksやらなんやらのネットサービスも駆使し、世界情勢に通じたつもりになっている。

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