AI 泣かせの人になれ ⑥

夕陽が鮮やかに空を染めるなか、Uヘイは、藤沢駅近くのタリーズでモリミーとアサミーに会った。
「早速だけど、2人のプロファイルを作りたいから、この用紙を埋めてもらえるかな。日本語で書いても、英語でもどっちでもいいよ。」
と英語で項目が記載された用紙を2人に渡した。
漢検準一級のモリミーは日本語で、日本語イマイチなアサミーは英語であっという間に書き終えた。
「それじゃ、これを基にインタビューさせて。勿論、個人情報に係るから、ノーコメントもOKだよ。」
「まぁ、普通の質問だと”日本に戻って来てから困ったことは?“だと思うけど、要は、ぶっちゃけ ”うっとうしいことって何?”」
「かんたん、かんたんっ。」
と喋りだしたのは、モリミーだった。
「思ったことをすぐ行動に移すと、絶対誰かにNG出される。」
「それ、モリミーの言い方が悪いか?顔が気に食わないか?じゃない?」
「はぁっ????? 何言いたいの、このおたんこなす。」
「えっ、団子と茄子の合体版?」
「お・れ・はぁ~、質問にマジに答えようとしてんの、くだらんインタラプトすんな。」
「モリミーさ、それは必ず誰かのOKを貰わないとやりたいことが出来ないってことかい?あるいは、出る杭は打たれるってことかい?」
と確認してみる。
「どっちも、ほぼほぼ合ってる感じだけど。要は何でもステップ・バイ・ステップなんだよね、プロセスが。」
「それって、モリミーが気を使って、マジにやろうとしてるからじゃない?私なんか、いつもイケイケGO!GO!よ。」
とアサミーがちゃちゃを入れた。
そういえば、うちのボスも思い立ったら行動が電光石火だなぁ、と思いつつ、今はモリミーの話しの聞き役になりきろうと
「モリミー、何か具体的な例はない?」
と聞いてみた。
「学校行事のパンフ作ろとした時、PCで昔のデータ使って、1時間でサクサク作ろうと教室の机でやり始めてたら、後ろからヌゥッとした気配を感じて振り向くと先生がいて
「森、それ何だ?」
と、聞かれたから、どこかの政治家と違って説明責任を果たすべく
「自分が昔作った写真データを使ってフォトショップでイベント用のポスターを作っているとことです。」
を言ったら、来るわ、来るわ、質問の嵐、校長役の櫻井翔かってくらい。


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