AI 泣かせの人になれ ⑦

「おまえ一人で勝手に作って。誰かに許可もらったか?」
「このパンフの目的とか内容とか、おまえ、チャンとわかってるか?」
「フォトショップ、おまえ、本格的に使えるのか?」
「その昔のデータ、流用して著作権とか問題ないか確認したか?」
「そもそも、何でおまえがやってんだ?」
そこまで戻るかって、ムカつきまくるモリミー。
と、そこに突然の割り込み
「まぁ~、いいじゃん、モリミーが作ったものを見てみようよ。センスいいか?使えそうかさぁ?それから、それからね、三上せんせ~~ぇ。」
アサミーのウーハー重低音応援団長のような響き声と長い髪の似合う美形が半径1m以内に。女子に弱いというか女子と喋れない三上先生は、それまでの勢いがなくなり、言葉に詰まっている。
「森、一人でこっそり引きこもってドラフト版作ってこいや。」
なんという、軸のなさと思いながらも、よっしゃ~作るぞと、アサミーの方を見て、感謝の意思を示した。
「アサミー、さっきはありがとう。」
「じゃあ、トリュフチョコ5個ね。」
と2人きりになって、お礼を言った。
「ところで、モリミーのアイデアってやつを聞かせてよ。」
と、食べ物だけで終わらせず、ちゃんと聞くべきことは聞いて自分で判断する材料をインプットするところは、アサミーが海外で培ってきたスキルである。
「テケテンテン、でわぁ~、モリミーのプレゼン第一幕。まず、誰に向けたパンフか?ターゲットユーザやね。で、ここは、想定アバターを作ってみる。第二幕、興味をもってもらう。認知度の向上ってやつかな。ここは、楽しいイベントだというイメージを刷り込む。第三幕は、どうやって配るか?最も効果的な配布方法を決める、てな感じかな。」
「やばっ、モリミーって、もしかして賢い?」
「もしかして?もしかしなくてもでしょ。つぅ~か、今までどう思ってたの?」
「いいから、いいから、考えてるなってことは充分わかったから、私、のった。アグリーよ(agree)!」
よしっ、これで上手く行く方向はルーティングされたも同然だとモリミーは心の中で呟いた。


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