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すべてを持っている同期が、ずっとうらやましかった
「人生最後の勤め先にしたい」という思いで転職した会社。
年齢が近く、入社日が同じの同期がいた。(中途だと同期って言わないかな・・・?)
はじめて就職した会社には同期入社がいなかったので、わたしにとっては人生の中ではじめての同期だった。
わたしより3つ年下のMちゃん。明るくてエネルギーがあって、入社してすぐにも関わらず、毎日社員とコミュニケーションをとっている。
圧倒的な行動力で、仕事でもすぐに成果を出していく。先輩に頼ったり、まわりの人に頼られたり。普段からたくさんの人と会話をしているからこそ、チームでの仕事もうまく進む。
1ヶ月もたたないうちに、同年代の社員とすっかり仲良くなり、仕事終わりに遊びにいったりしているようだった。
いっぽうのわたしは、新しい環境がとにかく苦手だった。緊張しいで、自分からコミュニケーションをとりに行くことがあまりにもヘタである。
「大人になってからの人見知りは甘えである」という言葉を聞き、その通りだなと思う気持ちはあるけれど。会社で人間関係を構築することって、それも仕事のうちだもんね。
わかってはいるけど、うまくできない。仕事でも空回っているような気がして、毎日なさけなくて恥ずかしかった。
その後Mちゃんは仕事での成果が認められ、入社最短で社内表彰を受ける。それでもずっと謙虚なのがMちゃんらしかった。
いつでも美しくてみんなに優しい。同期であるわたしのことを気にかけて、社内ですれ違うたびにいつも話しかけてくれた。
見た目も性格もよくて仕事ができる。そんなはじめての同期ができて感じたのは、「優秀な同期がいると、劣等感に押しつぶされそうになる」ということ。
比べずにはいられないよね。自分のダメなところばかり数えてしまう。
なにより本当に素敵な人間なので、「うらやましい」と思うことすら恥ずかしいというか。だってMちゃんが素敵なのは、Mちゃんの努力だから!
持って生まれた美しさや明るさはあれど、周りを見ながら行動していい環境をつくりあげていくのは、努力なしにできないはず。
同期のいる人生を歩んできた人は、みんなこんな気持ちになるんだろうか。どうやって自分の存在と折り合いをつけてきたの?もしくは「優秀な同期」側の存在だった?
「うらやましい」と「なさけない」でごちゃまぜになる感覚。あのときの感情は、いまだにうまく処理できていない。
その後わたしは早々に退職してしまったけど、つい最近とあるメディアでMちゃんを見かけて、久々に当時のことを思い出した。
わたしが退職したあとも、Mちゃんは仕事をがんばりつづけて、また新しい結果を出し続けているんだな。本当にすごい。
あのころの感情とは形が変わっていて、いまは「わたしもわたしの場所でがんばらねば」と勇気をもらえた。
憧れとかか嫉妬とかの感情と、うまく付き合っていきたいな。
またね。
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