「会社員」以外の選択肢なんて、いばらの道に決まってるじゃん
久々に友だちと会ったとき。
「最近、仕事どう?」
初対面の人と雑談するとき。
「お仕事はなにをされてるんですか?」
アラサーにもなると、日常会話で「仕事」の話題があたりまえにでてくる。
そりゃあそうだよね。だって1日のうち、3分の1を費やすのが仕事だし。なんならそれ以上かも。「昨日なにしてた?」って聞かれたら、「仕事でした」ってなるじゃん。
それに自分がだれなのか、端的に伝えられるのって「職業」だし。それに加えて「社名」とか「役職」で、さらに信頼感が増していく。
なにかのサイトに会員登録するとき、「会社員」以外の選択肢を選んだことなんてなかった。ほかにどんな選択肢があったかさえ見えてなかった。
だけどいま、わたしは「自営業」もしくは「その他」を選ぶ。
もう会社員ではないから。
べつに会社員を辞めたかったわけじゃなかった。
だけど、平日は深夜まで残業して、土日も出社して、数字を追って・・・そんな毎日が少し続いただけで働けなくなってしまった。
もともとメンタルも身体も強いタイプだったので、この結末は予想できるわけもなく、「こんな一瞬で人生がおわるんだ」って絶望した。
「落ち着いたら転職活動を始めればいい」と思っていたんだけど、体調はいっこうに回復しない。面接なんて耐えられる気がしなかった。
当時勤めていた会社は、慎重に慎重を重ねた転職活動のすえに選んだ会社で。「あんなに本気で選んだ道なのに、間違いだったかもしれない」という気持ちは、自己評価を底辺まで下げた。
わたしの中で、「会社員」という選択肢が消えていく。「もう一生、なににもなれないんだ」って本気で思った。
そんなとき、昔からほんのり持っていた「書くことを仕事にしてみたい」という憧れを思いだす。すっかりあきらめて忘れていた選択肢だ。
ほんの思いつきで、ライターに挑戦してみた。ブログを立ち上げてみた。少しずつではあるけど、収入が得られるようになっていく。その後、SNS代行や事務代行も始めてみた。
いまでは毎日、なにかしらを書いて生きている。
「会社員」という選択肢がなくなり絶望していたら、すっかり忘れていた「書くことを仕事にしたい」という過去の選択肢があらわれた。
もしかしたら、ひとりが抱えられる選択肢の数には、限りがあるのかもしれない。ひとつを捨てたら、ひとつが繰り上がりで新規エントリーされる、みたいな。
会社員という選択肢以外を考えたことがなかったのは、「大変そうだな〜」というなんとなくの想像だった。自分の選択がベストだって思いたかったしね。
いまはフリーランス、つまり自営業として生きているわけだけど、結論「どっちも大変!」ということ。働くなんて、大変に決まってる。
だからこそ「選択肢は会社員一択のみ!!」と考えていた過去の自分に対しては、わざわざ自分で選択肢を減らさなくてもいいのに・・・と思ったりもする。
仕事において、どんな選択肢を選ぼうが絶対に苦労はする。会社員、フリーランス、フリーター、無職、すべてを経験してきたからそう思う。
なにを選んでもいばらの道なら、好きな色の花が咲いている道を選んでみたい。憧れとか好奇心とか単純なきっかけで、目の前にあらわれた選択肢に思いきって飛び込みたい。
新米フリーランスなわたしは、まだまだトゲに刺されることも多い毎日だけど。それでも予測できなかった人生を、なかなかに楽しみながら歩いている。こっちのいばら道も、悪くはない。
お題企画「#自分で選んでよかったこと」に参加してみました!
人生おける選択肢って、年々減るものだと思ってたんだけど。ここ最近になって「過去に捨てた選択肢」「過去にあきらめた選択肢」があらわれることが増えたんだよね。
選択肢のラインナップって、年齢やタイミングによって変わり続けるんだな〜って。だから人生はおもしろい!
またね。
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