【エッセイ】冷たい人間

 変なスイッチが入ると、また人を傷つけてしまったかと不安になる時がある。最近も「なんでそんな威圧的なの?」と言われてしまった。


 悩んでいる様子に、ボクは言った。
 「今のままでは完全に受け身。打破すべき。プランAならこんなメリット/デメリットが。Bならこう想定される。僕はAがいいと思うけど決めるのはあなた。他人はいつも好き放題言うけど、最後は誰も責任取らない」


 違う逃げ道も用意しておこうと、こうも付け加えた。
 「他の友達にも聞いてみたら?Cがあるかもよ」


 それでも「Aを取らないあんたはバカだ」と捉えられてしまったようで情けない。『あなたの為を想って』の言葉がこうして冷たい人間だと思われてしまったのはやるせない。


 分析するに、相手が悩んだり迷ったりしているとき「かわいそう」とは思うけど、感傷に浸ってばかりでは何も解決しない、問題をうやむやにしてはいけない——と、一種の”潔癖”が発症する。客観的に理想論を語ってしまう。


 「そんな合理的な判断できないよ。君だったらできるかもしれないけど……」と言われた時、そりゃそうだとさえ思った。僕は僕の立場で意見する。それをどう調理するかはあんた。


 「何か意見は?」と聞いても、何も出てこなかった。信頼を失ったかもしれない。


 自分だってそういう時があった。ある。
 仕事・友情・家族・恋愛・学校。様々な所で塞ぎ込む。

 何も言わずに抱きしめてあげたらよかったのか?でもそれで解決したのか?そもそも解決策なんてどこにもないんじゃないか?「慰め」が前進のための大正解だったのか?
 ただただ僕が冷たい人間だと思われ終わってしまった。


 翌朝、すぐ謝った。

クスっと笑えたら100円!(笑)そんなおみくじみたいな言霊を発信していけたらと思っています。サポートいつでもお待ちしております。