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市内RPG 42 小原合戦記念武道大会ポスター

レベル11のぼくら、勇者、戦士、魔法使い、僧侶の高校生パーティー。子郡市役所で勇者登録をして、魔王討伐のために市内をうろうろ探索を続けている。

エオンショッピングセンターのダンジョンから、トリップサークルなる魔法の輪っかを通って、やっと出てきたところだ。

トリップサークルの出口は、子郡運動公園の「牽牛の泉」のそばだった。子郡市は、数年前から「七夕の里」として、町おこしをしている。市内を流れる豊満川の両岸には、彦星神社と織姫神社がある。町のいたるところに、七夕にちなんだ彫刻を見ることができる。たしか、マンホールも七夕デザイン、、、。そうして、七夕の町ができ上がったのだ。

そんな牽牛の泉は、牛の角を形取った巨大なモニュメントだ。大きい角は4m、小さい角は2mくらい。まわりに水が浅く張られて、泉を表している。

そのすぐ横の掲示板を、魔法使いヒラが見つけた。

「小原合戦記念武道大会だって」ヒラが言った。

「優勝者には賞金10000円と退魔の剣を与えるだって」戦士ヤスもつぶやいた。

「これで君も魔王を倒せる!だって。これ、参加するしかないわね」僧侶カナも目が光っている。

「開催日はあと1か月後、、、それまでレベルアップしないと、ぼくたち負けちゃうよ」ヒラが心配そうに言った。

「だな。無差別格闘技だからな。優勝しないともらえないぞ」ヤスも言った。

「修行が必要ね」カナは考えていたが、何かを思い出したようだった。

「遅いから、わたし帰る。、、、トベルー」
あっと言う間に、空飛ぶお一人様呪文を唱えてカナは見えなくなった。

「おれたちも、今日は帰ろう」

「だね。また明日ーーー」

毎日、自宅で体力を回復する。宿屋なんてこの辺にはないし、そんなお金ももったいない、、、。

翌朝、カナからのラインで目が覚めた。


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