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市内RPG

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福井丘県子郡市。市役所発の魔王討伐に、高校生勇者がゆるーーく挑む。不定期連載中。
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#呪文

市内RPG 26武ん防具コーナーにて

ぼくら、レベル9。戦士、勇者、僧侶、魔法使いのパーティーは、魔王を追って、エオンショッピングセンターに来ている。 そして、『武ん防具コーナー』で買い物の途中である。 いろいろ見て回って、残高とみんなの総意によって、購入する物を決めた。 買い物は、もちろん買い物アプリpaipai。魔物を倒したお金もここに貯まるしくみになっているのだ。 「ぜったい買ってほしい。買わないと、もう戦わない」 なんて言っていたのは、戦士ヤスだ。 戦士は呪文を覚えないから、装備品を買うことで

市内RPG 28キンタッケーチキンのカゲ

ぼくら、レベル9の戦士、勇者、魔法使い、僧侶の高校生パーティー。 エオンショッピングセンターで魔王の情報をもつ、子郡市役所環境推進課探索係のカゲを探している。 「なかなか見つからないね」魔法使いヒラが言った。 「どこかにヒントはあるはずなんだが」戦士ヤスも言った。 「早く見つけないと、あいつらに先を越されちゃうわ」僧侶カナも言った。 あいつらというのは、ぼくたちと同じ勇者登録をした同級生4人組、ライト、井上、馬場、ルミのことだ。 さっき、ラクーラクーザの前で、お互

市内RPG 29野良勇者

ぼくら、レベル9.勇者、戦士、魔法使い、僧侶の高校生パーティー。 エオンショッピングセンターのキンタッケーチキンで、カゲから情報を得た。 『段ボール回収箱段ジョンに魔王』 ハンバーガーの包装紙にメッセージ。 ハンバーガーを急いで食べて、出口Dに進む。 「ここから出ると、段ボール回収箱が近いわ」 僧侶のカナが言った。 段ボール回収箱はすぐに見つかった。 「どこに、段ジョンがあるんだ?」 戦士ヤスが言った。 段ボール回収箱は、入り切れないほどの段ボールが積まれていた

市内RPG 36魔法使いの将棋

ぼくら、レベル10。戦士、勇者、魔法使い、僧侶の高校生パーティーは魔王を求めて、子郡市のエオンショッピングセンターの段ジョン4階を探索している。 薄暗いオレンジのライトに照らされる仲、巨大将棋盤の上で「魔法使いの将棋」の対局が続いている。 采配しているのは、魔法使いヒラだ。最近、じいちゃんに勝ったと自信ありげだったが、最初に歩兵のぼくを敵方に取られてしまった。勇者の駒が1番最初に取られるだなんて、これはだめなんじゃないか。 しかし、その後は、なかなか善戦しているようだ。

市内RPG 35 非情口から将棋盤

ぼくら、レベル10。勇者、戦士、魔法使い、僧侶の高校生パーティー。 エオンショッピングセンターの段ボール回収箱から続く段ジョンの地下4階に足を踏み入れたところだ。祭壇の奥に光る「非情口」の扉をくぐってきた。 地下4階は、体育館のようにただ広いだけの空間だった。高い天井には、オレンジのライトが灯っていて、そのおかげで何とか周りの様子がわかる。 「何だ、ここは?」剣道部で戦士ヤスがつぶやいた。 足下を見ると、石床には、まっすぐに引かれた溝が縦横に伸びている。 「、、、将

市内RPG 51 疲れ回復「マカ」

ぼくら、レベル11の、勇者、戦士、魔法使い、僧侶の高校生パーティー。子郡市役所で勇者登録をして、魔王討伐のために、子郡市内をうろうろしている。 1か月後に開かれる「小原合戦記念武道大会」では、優勝者に賞金10000円と退魔の剣が与えられることを知って、レベルアップのために修行することに決めたのだ。 修行してくれたのは、僧侶カナのおじいさんのお兄さん。自画自賛の「天狗」だ。修行の場所は、子郡市の花盾山。ボート漕ぎと早口言葉だけが鍛えられた、、、。 そして、3日目にして、最

市内RPG 52 回復の泉⁉

ぼくら、レベル11の、勇者、戦士、魔法使い、僧侶の高校生パーティー。子郡市役所で勇者登録をして、魔王討伐のために、子郡市内をうろうろしている。 1か月後に開かれる「小原合戦記念武道大会」では、優勝者に賞金10000円と退魔の剣が与えられることを知って、参加することを決めたのだ。 今は、僧侶カナのおじいさんのお兄さんの「天狗」のところで修行して、試練のほこらに挑戦中。 素早く動く銅メダルスライム、銀メダルスライム、魔法で分裂する金メダルスライムを倒し続けて、奥へ奥へと進ん

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市内RPG 53 ほこらの奥

ぼくら、レベル11の、勇者、戦士、魔法使い、僧侶の高校生パーティー。子郡市役所で勇者登録をして、魔王討伐のために、子郡市内をうろうろしている。 1か月後に開かれる「小原合戦記念武道大会」では、優勝者に賞金10000円と退魔の剣が与えられることを知って、レベルアップのために修行することに決めたのだ。 僧侶カナのおじいさんのお兄さんの「天狗」の修行を乗り越え、試練のほこらに挑んでいる。 「メダルスライムが襲ってこなくなったわ。」僧侶カナが言った。 「ぼくらにかなわないと思っ

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市内RPG 54 天狗との死闘

ぼくら、レベル11の、勇者、戦士、魔法使い、僧侶の高校生パーティー。子郡市役所で勇者登録をして、魔王討伐のために、子郡市内をうろうろしている。 僧侶カナのおじいさんのお兄さんの「天狗」の修行を乗り越え、試練のほこらに挑んだのだ。ほこらの奥から、牛の置き物を帰ってきたところで、天狗にそれを奪われた。 「返して、天狗さん。」カナは叫んだが、天狗の目が青く光って、聞く耳をもたない。 「ほこらに入るときは、ただのじいさんだったのに。」戦士ヤスがマもの星竿を構えながら、言った。

市内RPG 55 レベルアップアップ!

ぼくら、レベル11の、勇者、戦士、魔法使い、僧侶の高校生パーティー。子郡市役所で勇者登録をして、魔王討伐のために、子郡市内をうろうろしている。 僧侶カナのおじいさんのお兄さんの「天狗」の修行を乗り越え、試練のほこらに挑んだのだ。ほこらの奥から、牛の置き物を帰ってきたところで、青くなった天狗にそれを奪われた。戦っていたら、突然、天狗が倒れたのだ。 「これはどうしたことじゃ。」 天狗は、仰向けになって、空を見上げながらつぶやいた。 天狗の色が人肌に戻っている。 「まだ気分

市内RPG 56 シックスバリュへ

ぼくら、レベル16の、勇者、戦士、魔法使い、僧侶の高校生パーティー。子郡市役所で勇者登録をして、魔王討伐のために、子郡市内をうろうろしている。 花盾山で、メダルスライムをたくさん倒した修行の帰り、戦士ヤスがこう言った。 「明日、エオンに武器を買いに行かないか。」 次の日、10:00。二師鉄子郡駅集合。 「エオンにはこの前行ったじゃない。他の所へ行こうよ。」僧侶カナが提案した。 「いいけど。どこ?」魔法使いヒラが尋ねた。 「シックスバリュよ。」 「シックスバリュ?あそこに

市内RPG 57 新しい武器と防具

ぼくら、レベル16の、勇者、戦士、魔法使い、僧侶の高校生パーティー。子郡市役所で勇者登録をして、魔王討伐のために、子郡市内をうろうろしている。 報酬も貯まったので、昔はスーパー、今は6属性の武器防具店の「シックスバリュ」に来ている。 それぞれが買い物をして、出口に集まった。 まずは、戦士ヤス。レベル16。 武器:マもの星竿から、ベリービッグコンパスに。 武器として開発されたコンパス。グリップから二股に分かれた槍と斧が敵に強烈なダメージを与える。 防具:金色の麦藁帽。金色