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ピンクの帽子を被ったおじさんランナーは足を止めない。 ぼくら、つまり、勇者と戦士、魔法使い、僧侶の4人は何とかおじさんに追いついた。 「おじさん、おじさん、止まってよ」 ぼくらは走りながら話しかけた。おじさんは止まらない。ただ何かつぶやいている。小さい声だ。 ぼくらは伴走しながら耳を澄ました。 「魔王は蛙神社。魔王は蛙神社。魔王は、、、」 蛙神社。 蛙がたくさんいる神社。ここからそう遠くはない。小高い丘の上にあり、敷地の真ん中には小さな池がある。たくさんの蛙の置物
ぼくら勇者、戦士、魔法使い、僧侶のパーティーは子郡市の蛙神社で、青いウシガエルと戦っている。 小さな青い蛙にたくさんの蛙がくっついて、牛くらいの大きさの青いウシガエルになったのだ。 前足を振り回す。 噛みつく。 舌を伸ばす。 跳ねる。 青いウシガエルの攻撃に苦戦している。 僧侶のカナは武器の木魚を青いウシガエル呑まれてしまった。 「このクソ蛙」カナは黙って木魚を持ち出していたようで、怒り心頭だ。 カナの方が蛙よりもコワイかも。蛙、蛙、、、コワイ、、、これならどうだ?
蛙神社で青いウシガエルを倒したぼくらのパーティーは全員レベル8になった。 戦士ヤスは相変わらず呪文を覚えない。 勇者のぼくは、火の呪文アツッと回復呪文ナムーを覚えていた。 しかし、今回のレベルアップでは何も覚えなかった。こんなこともあるのだ。 魔法使いヒラは呪文がそろってきた。 火の呪文アツッと強化呪文メチャアツッ。 水の呪文ツメタ。 雷の呪文ビリー。 どれも攻撃魔法だ。しかもビリーは金縛りの効果も期待できる。 僧侶カナも呪文が増えた。 回復呪文ナムーとその全体呪文ナ
蛙神社の青いウシガエルを倒したぼくら勇者パーティーは、次の目的地、横熊山遺跡を目指す。 レベル8になり、自信もちょっとついてきた。 「蛙こわかったー」 お寺の娘の僧侶カナは首をすくめて言った。 「木魚が戻ってきてよかったね」 そんなカナに魔法使いヒラが言った。 「う○こ花火買っててよかったな」 戦士ヤスは自分の手柄のように言った。 さて、目指す横熊山遺跡。 横熊山遺跡は光沢にある小さな遺跡だ。 住宅地の真ん中にある。 遺跡とは、わからないくらい。 二師鉄電車の
レベル8のぼくら、勇者、戦士、魔法使い、僧侶の友だちパーティーは、横熊山遺跡で、ピンクのアブラゼミを見つけた。 そのピンクのアブラゼミが、目の前でデカくなっているのだ。 初め見たときでも十分デカかったのに、もう高さが2mくらいになった。 ピンクの巨大アブラゼミ。 「まおたをさばひらをかぱんにいけ」 と鳴くたびに大きくなっていったアブラゼミ。しかし、苦しそうだ。謎の呪文?巨大化の呪文? アブラゼミの目が青く光っている。身体はピンクなのに。 アブラゼミはぶーーーーん
ぼくらレベル9。戦士、勇者、魔法使い、僧侶のパーティーは平岡パン工場の3階を探索している。 2階で、あんパンが変化したあんパンくんを倒し、エスカレーターで3階に上がってきた。 3階は、黄色のフロアだった。絨毯も黄色。壁紙も黄色。カーテンも黄色。 「こんどは黄色か」戦士ヤスが言った。 「黄色。バナナ、カレー、、、、」 魔法使いのヒラが言ったとき、戦士ヤスが持っている紙袋が、ぐにゃぐにゃと動いた。 「またか」 ヤスは紙袋を放り投げた。 紙袋には1階で買ったあんパンとメロ
ぼくらレベル9。戦士、勇者、魔法使い、僧侶のパーティーは平岡パン工場の4階を探索している。 2階ではアンパンくんを倒し、3階では辛口カレーパンさんをやっつけて、エスカレーターで4階へやって来た。 4階は、一面黄緑色。絨毯も黄緑色。壁紙も黄緑色。カーテンも黄緑色。 「バッタか、河童が喜ぶな」 戦士ヤスが適当なことをつぶやいた。 「バッタですってーーーーーー。失礼なーーーーー」 「それ、また魔物になるんじゃない?」 僧侶のカナは心配しながら、ぼくが持っている紙袋を見た。
ぼくらレベル9の勇者、戦士、魔法使い、僧侶のパーティー。 平岡パン工場で、アンパンくん、辛口カレーパンさん、メロンパンレディを倒した。そこで、魔王はエオンの方に飛び去ったという情報を得た。 エオンショッピングセンター。 子郡市の大型ショッピングセンター。全国的な経営で有名なあのエオンだ。 あのエオンが子郡市にできるなんて夢みたいだ。建設時にはそんな声も聞かれた。売り場は1階のみ。土地が安かったのだろうか、馬鹿広い。店内には汽車ぽっぽが走っていて、小さい子や老人が利用で
ぼくら、レベル9。戦士、勇者、僧侶、魔法使いのパーティーは、魔王を追って、エオンショッピングセンターに来ている。 そして、『武ん防具コーナー』で買い物の途中である。 いろいろ見て回って、残高とみんなの総意によって、購入する物を決めた。 買い物は、もちろん買い物アプリpaipai。魔物を倒したお金もここに貯まるしくみになっているのだ。 「ぜったい買ってほしい。買わないと、もう戦わない」 なんて言っていたのは、戦士ヤスだ。 戦士は呪文を覚えないから、装備品を買うことで