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国語教育

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国語教育、授業で扱った題材や本についてまとめています。
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#小説

【#9】『犬と笛』芥川龍之介

【#9】『犬と笛』芥川龍之介

 先週末、芥川龍之介の本を買いました。(表紙がオシャレだったので)

 芥川龍之介といえば、高校国語の鉄板である『羅生門』や『蜘蛛の糸』が有名ですよね。

 有名な作品にはどれにも作者の意匠を凝らした跡が見られるものです。

 今回は芥川龍之介の作品の中でもマイナーとされる『犬と笛』という作品について考えてみようと思います。あらすじは以下の通りです。

 囚われの姫を救い、最終的に結婚して幸せにな

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【#6】『破戒』島崎藤村

【#6】『破戒』島崎藤村

島崎藤村の『破戒』を読みました。

現代では部落差別等の身分による差別はほとんどありません。

明治期の作品であるこの作品は現代との時代錯誤は感じさせながらも、実際に差別のあった時代に穢多非人の身分の人々がどう生きたのかが手に取るように感じ取れる作品でした。

主人公丑松は穢多という最低の身分でありながら、それを隠しつつ教師として生徒に勉学を教えます。

子どもたちだけでなく大人までもがはっきりと

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