【#9】『犬と笛』芥川龍之介
先週末、芥川龍之介の本を買いました。(表紙がオシャレだったので)
芥川龍之介といえば、高校国語の鉄板である『羅生門』や『蜘蛛の糸』が有名ですよね。
有名な作品にはどれにも作者の意匠を凝らした跡が見られるものです。
今回は芥川龍之介の作品の中でもマイナーとされる『犬と笛』という作品について考えてみようと思います。あらすじは以下の通りです。
囚われの姫を救い、最終的に結婚して幸せになる物語は古来より日本の昔話のプロットとしては定番であり、その点において、この話に一切の新鮮味はありません。
ただこの主人公、髪長彦は男性には似つかず、髪が長く、作中では侍に手柄を自慢し、それにより犬を奪われて号泣するという女々しさを持ち合わせています。その点においてはある種の珍しさが感じられます。
芥川は『地獄変』を書く際に、宇治拾遺物語の『絵仏師良秀』という作品をモデルにしたことでも知られるほど、古典作品に精通した作家です。この話にも何かしらのモデルがあるのかな〜と少し気になりました。
『地獄変』にしかり、個人的には芥川の作品はバッドエンドが多いという印象を持っていましたのでこの作品は少し意外な印象を受けました。
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