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【#6】『破戒』島崎藤村

島崎藤村の『破戒』を読みました。

現代では部落差別等の身分による差別はほとんどありません。

明治期の作品であるこの作品は現代との時代錯誤は感じさせながらも、実際に差別のあった時代に穢多非人の身分の人々がどう生きたのかが手に取るように感じ取れる作品でした。

主人公丑松は穢多という最低の身分でありながら、それを隠しつつ教師として生徒に勉学を教えます。

子どもたちだけでなく大人までもがはっきりと身分差を意識している時代に、穢多を公表して生きていく強さを持った丑松。『破戒』で藤村が描き出したかった世界を少しだけ感じることができました。

国語教師でありながら、未だに文豪の書く小説を読むことに抵抗がある自分ですが、良いきっかけになりました。

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