安楽から離れた暮らし
“ 安楽なくらしをしているときは、
絶望の詩を作り、
ひしがれたくらしをしているときは、
生のよろこびを書きつづる。〟
太宰治の「晩年 - 葉」という詩集のような作品の名言。
自分の今の生活に、光を感じられなくなっていた私にとって、大きく心動かした名言だ。
仕事、人間関係、恋愛。
上手くいかない日などは、数えるのも滅入ってしまうほどある。
そんな日は、一周まわって、自分の感情とは裏腹に、呆れた笑いが込み上げてくる。
考える動物である以上、それは生涯を終えるまで付きまとうだろう。
上手くいかない日。
それが私にとっての今日であった。
何も考えられなくなり、好きな偉人の名言を漁る。
特に、太宰治の名言はお気に入りだ。
上手く言葉にできない感情というモノを、他には無い表現で記している。
なんとなく肩目に、名言が並ぶスマートフォンを眺める。
“ 安楽なくらしをしているときは、
絶望の詩を作り、
ひしがれたくらしをしているときは、
生のよろこびを書きつづる。”
なんて妙々たる表現なんだ。
ハッとした。
まさに自分のことだと感じた。
最近は、安楽な生活を送っていたおかげで、何か希望や目標を持とうと思わない面白みのない生き方をしていた。
だが、疲れがたまるほどに目まぐるしい日々を送っていた頃は、何か希望や目標の為、生きていた。
自分で言ってしまえば、
私は、行動がない時より、
行動がある時の方が、魅力的なのだ。
偉人には、たった一文で、先程まで絶望していた生き物を動かす力があるのだ。
人の心を動かすことができる生き物でありたい。
そう目標を頭に残した私は、明日からまた忙しい日々を送ることになるだろう。
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