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『美学』のある個人や企業は魅力的。

昔から『美学』のある個人や企業に惹かれます。
自分なりの『美学』が確立している人や企業ほど『個性』がハッキリしていてモノゴトの取捨選択も明確です。このため、尖った存在になりやすいので、そこがさらに魅力的に映るのかもしれません。

世の中には『個性』がハッキリしている企業がありますよね。
ちょっと考えただけでも『apple』『Google』『SONY』などが頭に浮かびます。『パナソニック』などは手広くやっているので一見個性がなさそうですが、松下幸之助という絶大なブランドがあり、家電から住居まで家庭におけるあらゆるものを提供できる企業という意味ではある種『個性的』だといえます。『個性的な企業』ということでパッと頭に浮かぶということはやはり企業ごとの『美学』がしっかりと根ざしているからなのでしょうね。


『美学』っていったいなんだろう?と考えると『こだわり』『プライド』『ルール』などと言い換えられるのかもしれません。そして自分なりの細かい『美学』が積み重なった時に個人の場合は『個性』となり、企業の場合は『企業文化(これもある意味個性)』というものになるのかもしれません。
※パーパス、ビジョンなども似たようなものかもしれませんね。

自分なりの『美学』が確立されていると、やるべきこと/やらないことがハッキリしてくるため、ある種面倒な人だと思われかねません(苦笑)が、でもそこが逆に魅力的だったりもするものです。
※全員に好かれようと思うと、色のない無難な存在になっていくので。


自分のなかにも些細なものながら『美学』というものが存在しています。
自分の行動はその『美学』に照らし合わせて『やるべきこと』と『やらないこと』を分別しているつもりです。いままでに何人もから「考えがブレないですよね」と言われてきたので、ある程度は認知されているんじゃないかと思います。

この美学を貫いていると、人によっては「信念がある人」という良い表現をいただくときもあるのですが、逆に「頑固な人」とか言われてしまうこともあります。まぁ、評価は他人がするものですからそこはあまり気にしないようにしていますが(苦笑)。

『美学』があれば自分のなかでルールみたいなものができあがります。
法令順守は当たり前のことですが、それ以外のことでも自分のなかで許容して良いもの/いけないものの基準ができあがるのです。一度基準ができあがればあとはそれに従うだけなので、生きやすくなります(笑)。

時にその『美学』に従わなければ「もっと違う経験を得られたかも」「もっと良い思いができたかも」などと考えるときもありますが、自分の信条に合わないことをやっても結局うまくいくとは思えないので、それも自分の選択の結果であると思って受け入れるようにしています。
※所詮、自分が選ばなかった方の結果なんて想像でしかないですし。


経営者の立場であれば、自分の『美学』は会社の『企業文化』に直結してくることが多いと思います。かくいう自分も前職で代表をやらせていただいたときに自分の『美学(考え方)』の多くが会社の企業文化になっていたと思います。

あくまでも『美学』なので特に明文化するようなことはありませんでしたが、至るところで判断に迫られたときに自身の『美学』に合わせて決断をします。その連続が暗黙の『企業文化』として定着していくのだと思います。自分の場合でいえば、例えば以下のような『美学』がありました。

■自社で実績のない人は役職者には就けない:
「役職者は周囲に認められてこそ成立する」という考えだったので中途採用者をいきなりマネージャーや役員にすることはしないと決めていました。

■挑戦をしたうえでの失敗はプラス評価をする:
個人や企業は常に前進してこそ成長するもの。失敗はその過程でおきる一時的な結果でしかないということで、行動することを最大限に評価。

■信賞必罰をしっかり行う:
企業の活性化には頑張っている人に報いることが大事。結果を残せない人を見て見ぬフリをして放置するのは結果を出している人に対して失礼な行為。

■クライアントのために常に現場ファーストで:
現場が働きやすい環境をつくることが結果としてクライアントのためになる、という考えで裁量権を多く渡すということを心掛けていました。

■モノゴトの判断は「良い/悪い」ではなく「合う/合わない」で:
人それぞれの価値観があるので、単純に「良い/悪い」の判断にはめ込まず、会社を軸としたときに「合う/合わない」の判断で決める。合わない場合は互いに辛くなるだけなので一定の割り切りが必要。

■会社からの意思はしっかり社員に伝える:
会社と個人の足並みをそろえるために、会社として何を考えているのか、どこに向かおうとしているのか、何を求めている(評価する)のかをしっかりと伝える。

■定性的価値は定量的価値と同等とする:
クリエイティブの仕事の多くは定性的価値のものが多いので、そこを定量的価値と同等とみる。定性的価値は結果として定量的価値につながっていくので、中・長期視点でひとりひとりの活動をみることを心掛けました。

他にもいろいろありますが、羅列すると『美学』というよりは会社の方針を羅列した、みたいになっちゃいましたね(苦笑)。

経営者の『美学』は企業文化に直結しやすいものと言いましたが、・・とはいえ企業とはあくまでも営利活動を行うためのものであるので、一個人の自分と同一化できるものではありません。このため、自身の『美学』がすべて会社の『企業文化』にイコールになっていたわけではありません。
時には個人とは異なる考えだとしても企業の営利のためにはそちらを企業の『美学』として優先することもありました。よって、自身の『美学』を企業の営利目的と照らし合わせたときに矛盾しないものだけを反映させていた、という感じだったと思います。

個人や企業が確立した『美学』をなくしてしまうとどうなるのか?それはその個人や企業のアイデンティティーをなくすことと同義だと思います。
例えば『apple』がどこにでもあるようなつまらないプロダクトを創り続ける企業になったらどうでしょうか?たとえ社名は『apple』であっても、もはやその会社は『apple』ではないと言えるのではないでしょうか?

個人においても、目先の利益にとらわれて自身の『美学』を捨ててしまってはそれはもはやその人の魅力がなくなってしまったも同然のことだと思います。このため、一度確立した『美学』はなくさずにいきたいものです。


皆さんも自身の『美学』といえるようなものはお持ちでしょうか。
自らの生きる指針ともなりえるので今後も『美学』を大事にしていってもらいたいと思います。

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