見出し画像

若手を教育するのは回りまわって自分のためになる。

弊社ではここ数年、20~30名程度の採用を毎年行っています。
急激に成長をしているため、そうなると教える側の人数よりも教わる側の人数の方が自然と多くなります。教育者にとってクライアントワークをしながら後輩の教育も行うというのはなかなか大変なことだと思います。

また、いわゆる上流と言われる課題抽出~企画立案のポジションから入ることが多く、さらに長期視点で関わるような案件や、デジタルだけに止まらない案件も増えてきているため以前よりも覚えることは各段に増えていることが人材教育をさらに困難なものとしています。

『他人に教える』というのは、人によって得手不得手があると思いますが、多かれ少なかれ皆苦労することだと思います。
自分がやってきたやり方が誰にとっても有効とは限らないし(自分ができたんだから他人もできるはず、という思い込みもでちゃいますね・・)、一定以上のスキルを身につけてしまっている人からすると未熟な相手の気持ちになることも難しく『なにがわからないのかわからない』という状態を察してあげることも難しいでしょう。
※専門職の人はなおさら難しいだろうな、と思います。

一般的にはよく「自分も未熟なときに人から教えてもらったんだから、同じように教えてあげなければダメだ」と言われますが、必ずしもそうやって成長してきた人がすべてではないのもややこしかったりしますね。
小さな会社だと教育手法も整っておらずにその人の自己努力によって独自に成長してきた人も多いでしょうから。こういう人はなおさら(教わった経験がないので)どうやって人に教えて良いのかわからないでしょう。

結果、特に教えることもせずに『背中を見て学べ』という姿勢になってしまったり、仕事を任せきることができずに最後は自分で巻き取ってしまったりしてしまう人も多いんじゃないかなと。

僕も若かりし頃は、こんな忙しいのになんでさらに後輩の教育に時間をかけないといけないんだって思うこともありましたが、いま思えばそういう発想になるのは自分にとってのメリットに気づいてなかったから(相手にしかメリットがないと勘違いしていたから)じゃないかなって思います。
後輩を育成することはもちろん『後輩の成長のため』ではあるのですが、回りまわって『自分のため(メリット)』になると思えば、もっと前向きにとらえることができたんだろうなって思いました。
※主目的をどこにするのか、というのが大事だと思います。


成長過程として、まずは簡単な(全体の一部の)業務から覚え始めますね。ある程度経験を積んでくるにつれてやれることが増えて全体の構造を理解できるようになり、いろんな種類の案件に関わったり、独自の工夫を行って自分の色が出せるようになっていきます。

この成長の過程を経たあとでも変わらずになんでもかんでも全部自分でやるというのは現実的ではないため、簡単な仕事は他人に任せたり、自身が行う仕事の領域や数を絞って自分の価値を最大限に発揮できる仕事に集中していく必要がでてきます。

では、誰に仕事を任せていくのか。もちろんお金を払って外部の方に任せるのも良いでしょうが、『企業は永続的に続いていくもの』という前提で考えると、やはり後輩に任せていくのが基本的な方法だと思います。それによって後輩は仕事を覚えていき、自身は空いた稼働でさらに難解な仕事に向き合うことでどちらも成長できるので一石二鳥です。
※結果、業績もよくなって給与等の待遇もみんなでよくなりますね(笑)

このように、自身が『やるべき仕事に集中するため』『さらに困難な仕事に挑戦して成長するため』に後輩を育成するのだと思えば、目先の苦労はやるべきだという判断になるのではないでしょうか。逆にいうと、目先の苦労にフォーカスを当てすぎてしまい、後輩育成をないがしろにしてしまう人はその人自身がそれ以上成長できる機会を自分で見逃してしまっているということも言えそうです。


後輩教育はゆくゆくはマネジメント職に就こうと思っている人にとっては良い経験(テスト)になります。もちろんエキスパート職であっても後輩の育成は大事ですが、マネージャーの本業は『人を活かしてレバレッジを効かせた結果を出すこと』なので、まさに人材育成は本丸だといえましょう。
おそらく、上司たちも後輩育成をする姿をみてマネジメント適正があるかどうかを見極めているはずです。

後輩育成において気をつけなければいけないのは、対象者を独り立ちさせることをGoalに置かなければいけないということです。稀に自身のアシスタントとして小間使いだけをさせている人がいますが、それではいつまでたっても後輩は成長しません。後輩となる人材は先輩をラクにさせるために存在しているわけではないのです。

よって、もちろん性格もひとりひとり違うでしょうから各々に合わせた(多様性を認めた)育成プランが必要となり、それらがうまくいったときに『マネジメント適正あり』となるのだと思います。


このような(自分のためにやっているという)観点で数年後を見据えて後輩育成を行えれば、やる意味のあるものだと思って取り組むことができるのではないでしょうか。

また、自分が学んできたことのエッセンスをさらに次の世代に繋いでいってもらえるというのは人材育成とは別の観点で誇らしいものだと思います。
そうやって会社の文化もできていくし、自分がやってきた価値も残していけると思うと人材育成とは素晴らしいものだなと改めて思うことができます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?