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迷いが生じたときは原点に立ち返る。

昨今は「ミッション/ビジョン/バリュー」の策定や「パーパス」といった企業の根幹を定義するような動きが盛んです。
自分たちの存在意義は何なのか?行動の指針はなんなのか?それらを言語化することで自分たちの価値を対外的に訴え、所属するメンバーの意識や価値観も統一して一丸となって実現していこうというものです。

人は『会社の業績(数字)』のためだけに働くということは難しい。自分のやっていることが社会にどのように貢献しているのか。ドラッカーの著書に有名な石工の話がでてきますが、3人目の石工のように社会的貢献の意識をもって仕事にあたった方が視野広く心豊かに働けくことができます。

ある建築現場で、何をしているのかを聞かれた三人の石工のうち、「一人目の男は『これで食べている』と答えた。二人目は手を休めずに『腕のいい石工の仕事をしている』と答えた。三人目は目を輝かせて『国で一番の教会を建てている』と答えた」

もちろんそこまで崇高なものでなく、(1人目や2人目のように)目先のことや自分のために働くというのでも良いと思います。その際は『会社』や『社会』のためではなく『自分』だけのための「ミッション/ビジョン/バリュー」「パーパス」のようなものがあるということじゃないかなと思います。


「ミッション/ビジョン/バリュー」「パーパス」の設定には先述のように企業と社員が同じ価値観(目標)のもとに進んでいくためという以外にも、迷ったときに取捨選択の判断がしやすくなるという効果もあります。
事業や案件を進行していくうえで、迷う場面っていうのは何度もあるわけですね。その都度どの選択が正しいかを判断するための基準は「ミッション/ビジョン/バリュー」「パーパス」と照らし合わせることで決められます。企業として今後向かう方向性や価値観を明示しているのが「ミッション/ビジョン/バリュー」「パーパス」なのですから、それから外れたことをするのは間違っているというのは当然のことですね。

僕がD2Cdotの社長をやっていたときに『経営理念』や『行動指針』のようなものは下記のように考えてつくりました。

これは社長になってから新たにつくったというよりは、僕自身がもともと個人でもっていた理念や行動指針を社長になったことで企業の根幹となる部分に昇華させたという感じです。

僕自身、事業を進めていくうえで何度も迷う場面がありましたが、その都度原点となる理念や行動指針と照らし合わせながら判断してきたことで、大きくズレる&ブレることなく進んでこれたと思っています。根幹的かつ普遍的な『柱』があると、企業・個人問わずにその延長線上でブレずに継続的な成長を遂げることができるんだなぁと実感することができました。

「ミッション/ビジョン/バリュー」「パーパス」が明確だと同じ価値観の仲間を集うのにも有効ですね。僕がこの『note』で自分の考えを投稿してきたことで、それに共感して応募してきてくれた方も多かったです。僕は企業と社員の相性がすごく大事だと思っているので、スタートの段階からそこの問題がある程度解消されているのは『note』をやっていた良かったと思えたことでした。


『企業』ではなく『個人』にとっても迷ったときには原点に立ち返るというのは大事だと思います。
僕の若かりし頃の話ですが、毎日の仕事が忙しくて「俺、なんのためにこの会社で働いているんだっけ?」って思ったことがありましたが、その際に当時働いていた会社に入社した目的だったり、自分がこの職業に就きたいと思った原点のようなものと照らし合わせてその後の判断をしたという経験があります。その時の判断によっては再度頑張ろうと思ったこともありますし、転職を決意したこともありますが、なんにせよ『原点に立ち返る』ということが判断のきっかけになりました。


残念ながら、せっかく自社の「ミッション/ビジョン/バリュー」「パーパス」を設定しても有言実行できていない企業をしばしば見かけます。
「ミッション/ビジョン/バリュー」「パーパス」を策定するのはあくまでスタート地点に立つためのものであり、策定すること自体が目的ではありません。それを実行&実現してこそ意味のあるものなので、適宜自分たちが決めた「ミッション/ビジョン/バリュー」「パーパス」が遂行されているかを振り返りながら進んでいってもらいたいと思います。

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