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ライターに薦めたい習慣「毎週日曜は新聞の書評欄を読む」

これまでに何度か、「新聞を読もう!」と意気込んで契約したことがあるのだが、いつも1〜2ヶ月で取るのを辞めてしまう。

読めば色々と情報にふれられて面白いのだけど、忙しい日は朝刊に目を通せない。それで、「明日読もう」「うん、明日こそは」と後回しにする新聞が、毎日部屋に積み重なっていく。そうなるともう、読む気がしなくなる。

新たな習慣を「始める」のは簡単だが、それを「継続する」のはとても難しい。

しかし少し前から、コロナをきっかけに、新聞に関する良い習慣ができた。

「毎週日曜日は、読売新聞の書評欄を読む」という習慣だ。

コロナが急拡大する4月頃までは、ぼくはよく渋谷のカフェで仕事をしていたが、緊急事態宣言が出てから数ヶ月間はほとんど電車に乗らなくなった。

最寄駅にあるカフェといえば、マックとドトールくらい。しばらくはマックで原稿を書いていたのだが、店内飲食が禁止になってからは、ドトールが最後の砦だった。

しかしそのドトールも、店舗移転のため閉店になった。しばらくどこで仕事をしようかなと考えていたときに、家から徒歩15分のガストなら営業しているとわかり、行ってみることにした。

そこで、ガストのモーニングの、コスパの高さに驚いた。

約500円で、目玉焼き2つ、ソーセージ、ベーコン、サラダ、そして食パンまでついている。おまけに、スープとドリンクバー付き。

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ここまででも十分満足価格なのに、さらに、ほとんどの席に電源が2つある。

そして、読売新聞を無料で読めて、持ち帰りもOKなのだ。「すかいらーく」のアプリにはモーニングの割引クーポンまである。

あまりに気に入ってしまって、ぼくはしばらくの間、毎朝ガストで仕事をした。そして欠かさず新聞を読んだ。

以前、日経新聞にチャレンジしていた時期があるのだが、経済に疎いぼくには難解なニュースが多く、理解できないために徐々がモチベーションが下がっていく経験をした。その点、読売新聞はどのページのどの記事も、やさしく噛み砕いて書いてくれている印象を持った。社説もわかりやすいし、全体的に取り上げるテーマのバランスが良い。

そのうち、なかでも「日曜版の書評欄が面白い」と気付いた。

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読売新聞では、毎週日曜だけ、3ページにわたって書評欄がある。識者たちがおすすめの本を紹介するのだ。

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最近出た本もあれば、ひと昔前の名著も紹介される。数百文字の短い記事なのに、みんな実にうまく書評を書く。どれも思わず読んでみたくなるのだ。

たとえば本屋に行くと、大抵は自分の興味のある本ばかりを手に取るから自然と対象範囲は狭まる。

けれど書評欄では、様々なジャンルの本が紹介されている。全て目を通せば、「書店では手に取ることはなかったであろう本」について、知ることができる。そして文章を読んでいると、そういう「興味を持てないと思っていた本」にも、意外と興味を持てることがある。

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ぼくの習慣として、少しでも本に興味を持ったら、Amazonで検索し、評価やレビューをチェックしている。

それで「読んでみたい!」と思ったらすぐ買うし、「今はいいけど、もしかしたらいつか読みたくなるかも」と思ったら、お気に入りボタンだけ押しておく。そうすればいつでも再チェックできるから。

そうやって、読みたい本が増えていく。おかげでぼくの部屋には、「これから読むべき本」がもう100冊以上溜まっている。

ベストセラーや話題のビジネス書もいいけど、このやり方の方が、「自分の意識の範囲外」にアクセスしやすく、未知の展開を期待できて面白い。

余談だが、ぼくが『鬼滅の刃』を知って大人買いをしたのも、読売新聞のこの記事を読んだのがきっかけだった。そして本当に面白い漫画だった。

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また、ライターとしては、各人の書評の書き方も勉強になる。実に無駄のない文章。

だからガストへ行かなくなった後も、とりあえず毎週日曜日だけは、コンビニで150円で読売新聞を買って、書評欄を読もうと決めた。週1だから、継続もしやすい。今は毎週の楽しみになっている。

そしてせっかく買うのだから、当然書評欄以外も読む。政治や経済、オピニオン系の記事なども、理解できれば面白い。ニュースの背景がわかり、勉強になる。論理構成のしっかりしたプロの文章から多くのものを吸収することができる。

自分がライターコンサルで教えている生徒の方々には、3000字のSEO記事よりも、ぜひこういう800字のインタビュー記事をうまく書けるようになってほしい。

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・導入があり、
・最初はこう思った、
・しかしこうだとわかった、
・そこでこうすることにした。

短い文章にも起承転結があり、文章の基礎が詰まっている。こういうお手本のような文章をよく読んで、論理構成を吸収してほしい。

約800字だからといって、侮ってはいけない。簡単なようで、意外と難しい。たくさん書いて基本をたたき込む。この骨組みで書けるようになれば、構成を崩さずに1500字や2000字にボリュームアップすることができる。

正しい日本語、美しい日本語にふれることで、自分の文章的感性も磨かれていく。たった150円だが、得られるものは大きいと思う。

<追記>
参考までに、各新聞社の書評欄の掲載日です。
朝日、日経、毎日、東京・・・土曜
読売・・・日曜
産経・・・土日両方

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